前回は私の子育てについての考えと
「生きづらさ」をかかえながらも
耐えて生活している人が多い事に気づいた
話をしました。
思いがけない早さのスリップ
彼は刑務所を出所して、帰り道に1本、
アルコールをスリップしています。
※依存症の理解不足や
依存体質じゃない方からの意見
※アルコールをコントロール
出来ている人の意見
※依存症と常に一緒にいる人の意見
※男性の意見、女性の意見
みんな違うという事がわかりました。
・コントロール出来る様になればいい
・これから仕事の付き合いで飲む機会が増える
・自分の限界を知るためにとことん
飲ませてみる
・自分の限界を知ればコントロールできるように なるなるのではないか
・飲んで暴れたり暴言を吐かなければいい
などと言った理由などがあげられていました。
止める!と宣言してやめれないから周りに
" あいつまた飲んでるわ。やめらんねーな"
と言われるストレスややめられない自分への
イライラ等で余計に飲酒欲求が湧くのでは
ないのかと言う意見もあがりました。
なぜスリップしたのか?
まず、迎えに行ったAさんとコンビニに
立ち寄った際に、彼はコーヒーと
ノンアルコールを手に取ったそうです。
それをみたAさんが「アルコールを飲めば
いいじゃないですか?やめれないストレス
もあると思いますよ」との言葉で
彼は私の顔が浮かび、一瞬迷ったそうです。
しかし
もしかしたら私とAさんがそう言う話に
なって、私もOK出してるかも?と認識して
1本スリップしたそうです。
私達はあまり手紙のやりとりをして
いませんでした。
普通ならアルコールで事件を起こしていたら
飲まないですよね。
手紙で、かなり反省していましたし
「もう飲まない。反省してます。
許してください。俺は飲んではいけない
人間なんです。」とか色々書いてありました。
私はその言葉を信じてはいませんでした
でも、まさか、出所して数十分で飲むとは
思わなかったし考えなかったです!
そこにはビックリしましたし、彼の思考回路
にも驚きでした。
依存症の本やブログのコピーを送り
手紙などでの接触を減らして
冷たくして柄受けも辞退したけど
元々出来上がっている思考回路を
簡単に正す事は難しいと気付かされました。
そして依存症に対してそこまで真剣に
考えた事のない人からみたら
簡単にコントロール出来ると思われている
事、私との考え方に温度差を感じました。
その温度差に私自身、辛くなりました。
私は飲んだ彼に
「自分はなぜ捕まりましたか?」
「今飲んで大丈夫でも、考え方を変えなければ
また元に戻る可能性や捕まる可能性は高いし、人はそう簡単にかわりません。私はとてもショックです。
今まで頑張った意味が自分でも訳がわからない。
相手を変えることは無理だから自分が変わるしかないって事が凄くわかりました。
なぜ、捕まって刑務所行ったかを常に考えて
行動してください」
こんな感じの事を全て敬語で冷静に
伝えました。
彼は話を聞きながら謝っていました。
今は飲まないでいる様ですが、また
いつ開き直ってスリップするかわからない
不安にかられている私がいます。
環境は整っているはずでしたが、本人の
考え方のズレや認識の低さで
刑務所=反省
出所=更生・もう大丈夫
では無いって事が本当にわかりました。
環境が整っていても、周りが
一生懸命になって頑張っても結局は
本人なんです。
人生の中で
刑務所に入っている時間が長い彼は、依存症である期間も長い。そして自分と向き合えていない
時間も長い。
頭では分かってはいても行動と伴わない
多分意識していないのだと思います
冷静になって考える時間
今、彼は遠い場所で仕事しています。
距離を置く事で、お互いに冷静になる時間
をつくる事が出来るからです。
私も瞬間湯沸かし器の様に直ぐに
イライラしたり焦ったりするのが
いまだに抜けません。
そのため私にも頭を冷やす時間が
必要なんです。
私は
彼にはまず考える力を付けて欲しいと
考えています。
相手がどう思うか?
自分が逆の立場ならどう思うか?
どう言う気持ちでみんな支えて
くれているか?
など細かく聞いていく事と
説明が必要と考えました。
そして小さな事でも本人にやらせる
様にして小さな苦労も沢山経験して
欲しいと思っています。
交通教育はなかった
コロナの関係で交通教育はなかったそう
です。プリントを見てサインして
終わりだったそうです。
今の刑務所はもしかしたらコロナの他に
業務が沢山ありすぎて教育まで行き届かない
のかもしれないと考えました。
待ち人さんが中にいる人に依存症などの
本を送ったりして気付きを与えなければ
ただただ時間が過ぎるだけだと思いました。
仮に教育があったにしても、それでは
足りないのです。
そんなの勿体無いと感じます。
私の彼は気付きを与えてもスリップしました。
これが現状です。
そして彼はズバッと言わないとわからない
タイプでしたので、キツイ事を迷わず
言わないとダメなタイプもいる事を皆さんに
お伝えしておきます。
今の私は誰かに支えて貰わないと
彼と伴走する事の難しさに直面しています。
自分軸が中途半端な私にはまだ彼に
流されずに対応する事ができません。
そして理解してもらえない辛さなどから
もしかしたら私が間違えているかも?
と錯覚までおきたりしてます。
向き合って欲しい
私は彼のお母さんのLINEをブロック
しています。
どこか人任せで、真剣に息子に向き合って
居ないのが私には伝わってしまったから
です。でも息子の情報は欲しい。
「歳だからわからない」とか言って行動に
移さずに問題から逃げている様にしか
感じ取れなかったからです
自分の息子がなぜ刑務所ばかりに行くのか
真剣に向き合って欲しいとの思いで
LINEブロックと着信拒否しています。
今回、依存症への知識などを学んでいる
人とそうでない人の違いの差がわかり
とっても勉強になりました。
依存症という言葉に抵抗があるのか
大丈夫だと思っているのか
恥ずかしいのか認めないのか
知ろうとしない人が多い事にも
気付きました。
依存症は簡単な言葉では片付けられない
根が深い物があると感じています。
そこを理解している人が少ないことも
わかりました。
私自身、しっかりと知識を
つけていたつもりでしたが
いざ彼と関わると相手のペースに流されて
どうしていいのかわからず疲れてます。
出所後はスタートではなく、
マイナススタートとはこう言う事
だと思いました。
消えない思い出
彼は私と再会出来た喜びで緊張はして
いたものの、嬉しそうでした。
でも、私は「嬉しい」とかの感情は無く
狂った彼ばかりを思い出してしまい
「またいつ変になるんだろう?」
「きっと今だけだ」
こういう感情ばかりが出てしまいます。
仕事を頑張っている事やお酒を今は
飲まずに数日過ごしている事
私に気を遣って気をつけている事
全てに喜べません。
「きっと、今だけで、
また狂うんでしょ?」って気持ちと
狂った彼が頭から離れず苦しいです。
こんな思いを私は親にさせていたんだなって
思うと申し訳ない気持ちでいっぱいに
なっています。
【更生は示し続ける物】の意味
相手に与えたトラウマは決して
消えないけど、不安にさせない努力を
し続けて信頼関係を構築する事
こんな風に感じました。
彼がどのくらい頑張ればいいかは
わからないけれど、彼と心の底から
笑い合える事はまだまだ先になる事は
ハッキリいえます
彼と一緒に回復
私は出所した彼と接してみて、自分自身にも
正さなければならない部分があることに
気付かされました。
彼のペースに飲み込まれた時
昔の彼を思い出して気分が落ち込んだ時や
言いたいことが言えなかったりした時に
焦ったり、イライラしたり、不安に
なったりしている自分自身に
「あれ?私のここを正さなければいけない
んじゃない?」と思ったのです。
出所してみてわかった事は私もまだまだ
回復過程だと言う事です。
彼と一緒に回復していかなければ
いけないのだとわかった時、少し
ホッとした気持ちになりました。
彼だけに求めるのではなく、自分自身も
頑張らなければいけないのだと感じました。
まだマイナスの地点ではありますが
これからも頑張っていきたいと考えています。
今日は読んで頂き
ありがとうございました。
次回は彼に
「甘やかした支援」と「甘やかさない支援」
の受刑生活の差について聞いてみた時の
話を書いていきたいと思います。