人はどういうふうに死んでいくのだろう


最近、そんなことばかり考えている。

母の最期が近づいているのは、きっともう確実で。
昨日は閉じていた口が、 今日は少し開いていたり、
昨日は食べることができていたのに、今日は飲むことができなくなったり。


そして今日は、高熱があると担当医から妹に連絡があった。
良くなっているのか、
悪くなっているのか、
正直もう、そういう段階ではないのかもしれない。

目は少し開いている。
息もしている。
私たちが話している声も、きっと聞こえている気がする。
だから、私は心の中で、何度もこう話しかけている。


――母さん、痛いのに、本当に今までよく頑張ったね。
――ひとりで住んで、痛いのに、寂しい思いをさせてしまったね。

母が歩いてきた人生には、苦労がたくさんあった。
言葉にしなくても、私は知っている。
黙って背負ってきたことも、耐えてきたことも。

母はいつも私に言っていた。
「人生は自分のものなんだから、自分を大事にしなさい」と。
その言葉に、どれだけ救われてきただろう。
だから今度は、母に伝えたい。

――次は、もっと楽しいことが待っているよ。
――今度は、自分を一番大事にして生きてね。
――好きな人と出会って、寄り添って、笑って生きてほしい。

 これはさよならじゃない。


ありがとうと、労いと、祈りの言葉。
母の人生を、私は誇りに思っている。