春、新学期。
どうしてなのか分からないけど、毎年新学期は人が多い。
もっと時間をズラせばいいのかもしれないけれど、そんなに早く行ってもすることないから、この満員を我慢する以外の選択肢はもともとない。
電車通学に憧れて、隣の市の高校へ入学した私。
高校3年生になりました。
そう、受験生。
進学する予定だけど、何になりたいとか、こんな勉強がしたいとか全くない。
だからと言って漫画みたいに、特別頭が良いわけでもなく普通。
彼氏はいない、友達は少ないけどいる。
週末ファミレスでバイトして、年中「ダイエットしなきゃ」って言ってるどこにでもいる女子高生。
「お!久しぶり!!」
突然声をかけられ、そっちを見ると
『けんちゃん!!』
小学生の時の友達だった。
「お前、頭いいとこ行ってんな!おー女子高生ー!」
『けんちゃん相変わらずだね(笑)』
けんちゃんとは小学生の頃、凄く仲良しだった。
わたしが中学校入学前に転校しちゃって、携帯とか持ってなかったから、連絡先も知らないままお別れしちゃった。だから5年ぶり。
『けんちゃんどこ行くの?』
「ん?仕事。」
『仕事?』
「おう!俺さ、高校行けなくて働いてんだわ。」
『そうだったんだ…。』
「お前勝手に哀れむんじゃねーよ(笑)仕事楽しいんだからな!笑」
『あ、ごめん(笑)』
「正直だな!笑 てか番号教えろよ。」
『え?』
「どうせ彼氏いてねーんだろ?俺が遊んでやるから、教えなさいって言ってんの(笑)」
『いいの?』
「怒るところだけど、スルーなんですね(笑)え、なにが?」
『彼女怒らない?』
「なんの心配してんだよ!彼女なんていませんが?」
『え、意外。そんなかっこいいのに、あー性格に問題あり?笑』
「…。」
『けんちゃん?』
「お前さらっと何言ってんの…。」
『え、ごめん。怒らせちゃった?ごめんなさい。』
「違う。かっこいいとか…そんなこと言われたら照れるだろ。」
『あ…ごめん。』
…なにこの感じ。え、ドキドキしてるんですけど。
「お前な、俺が今日たまたま出会って声かけたと思ってるんだろうけど、ここまでくるのに1ヶ月半かかってんだからな。4月から隣の市で仕事入って、電車待ってたらお前いてさ、声かけようにも緊張して見てることしかできなくて。徐々に近づいていっても全然気づかねーし。どんだけ勇気いったか…てかもうちょっと自覚しろ。お前何人に声かけられてるか分かる?」
『へ?』
「俺が見ただけでもこの1ヶ月半で5人。どんだけ人気なんだよ。」
『いや、それは「勘違いじゃない。男はな、可愛い子には声かけるの。理由はなんであれ、仲良くなりたいと思ってんの。ありがたいことに、超鈍感なお前だからそのまま話も進まず終わるけど、狙ってるやつは結構いるの。」
『…違うもん。』
「違いません。だから今日も声かけられそうになってて、それを見て焦ったから割り込んで俺が来ました。昔から鈍感すぎです。」
『…はい。』
なんかめっちゃ怒ってる?さっきの甘いムードは?
「ほんと鈍感すぎ。分かってもらうの大変そう。…でも、覚悟してて。」
『へ?なにを…』
「ん。」
そう言ってけんちゃんは携帯の画面をこっちに見せた
"頑張るから。俺のこと好きになってもらえるように頑張る。"
……。
『…//』
「赤くなってんじゃねーよ//」
やっと青春のはじまりかもしれません。
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結局長くなりました。笑
