聞きました奥さん?
オープンから3年ですって。
なんというかもう、一瞬で過ぎ去りました。
よく保ったな…としみじみ思います。それ以外の感想がすぐに出てこないのが正直なところです。
下天の内をくらべなくても夢幻の如し、ひとたび事業を興して滅せぬもののあるべきか…という背水の陣でやってきました。
満身創痍ではあるものの、シロッコとハマーン様に追い詰められたクワトロよろしく、カフェモフリーはまだ終わりません。
とは申せ、この一年は流石にちょっともう無理か?の連続でした。
無理か?は、開業以来なんなら毎日頭をよぎる単語でしたが、この3年目は比較にならないくらいの「無理か?」です。
約1年前、2周年を迎える辺りは度重なる台風の襲来後に消費税の増税と、これらの影響からか「無理か?」から「無理だな?」になっておりました。
そこでなんとかならんかと11月よりクラウドファンディングを活用し、今年の2月に古本を中心とした本屋さん「もふり書房」を立ち上げてみました。
お陰様で思い付いてから短期間ながら、なんとか形にする事ができました。
そして通称『ニッパチ』と呼ばれる、一年のうち最も売上の下がると言われる2月と8月ですが、この「もふり書房」開業でなんとか回復の兆しも見えました。
なんとかなるかな?と思っていた矢先、今度は疫病の流行です。
…とまぁ、この一年は試練の連続のような気がします。
今でも「無理か?」な日々ですが、少なくとも現時点で無理がなんとかなりました。しかしやはりこれは自分の実力ではなく、皆様のお陰でございます。
重ね重ねありがとうございます。
店主は皆様の善意と経費と税金(←NEW!)で生きております。
それにしてもこの半年の間で、社会の仕組みは大きく変わってしまいました。もちろん収束すれば、ある部分は元に戻るかも知れません。しかしそんな確証もない現時点では、この状況はまだまだ続くと覚悟しておかなければなりません。
願望や希望的観測で計画を立てるわけにもいきませんし、将来同じような事態になった場合の対策も、今のうちに考えなければならなくなりました。
以前のブログにも書いたのですが、当店に於いては店内で飲食できなくてもなんとかなる仕組み、人を集めない営業等々、運用方法を再構築しなければなりません。
それはテイクアウトや通販部門の強化だったり、物販をより充実させたり…
しかし当店の場合は飲食以外の部分、音楽や絵画、先生の存在など、空間込みで勝負しているところが多分にあり、それらの空間を取っ払われると、いくらテイクアウトや通販を強化してもなかなか厳しい戦いになるのは目に見えております。
新しい(金の匂いがする)何かを…
ということを春先からずっと考えていたのですが、もふり書房を思い付いた時から頭の片隅にあった、いつかやりたいなぁと思っていた企画を始動することを思い立ちました。
出版社です。
(いや、金の匂いするか…?
という突っ込みはともかく、本屋である「もふり書房」が、本を販売するだけでなく出版も手掛けよう、ということです。
「ちょっと出版社やろうと思うんだけど…」
ある日嫁にそう切り出してみたら、そんな思い立って簡単に出来るもんなの??と聞かれたので、日本は言論と表現と出版の自由が認められているので大丈夫だと返すと、
「ふーん」
と呟かれて終わりました。
一般的に出版社とは、書籍や雑誌などを発行し、広く読まれるために書店などの販売者に働きかけたり、広告宣伝を行い、国会図書館などの図書館に書誌的なデータを送り、知識などをパッケージ化して社会に届ける会社のことを指します。(Wikipediaより)
乱暴な言い方をしてしまえば、名乗ったもん勝ちみたいなところもありますね?大丈夫ですね?
以前、もふり書房開業の為にクラウドファンディングに挑戦した際、このようなことを書きました。
…
現在当店では委託販売で本も取り扱っているのですが、出版社がなくなった為に絶版になってしまった本も販売しております。
せっかく書き上げて沢山の人が関わってようやく世に放たれたものが、出版社がなくなると作家の買取か裁断処理になってしまうという話を聞きました。
少しでもそんな本に脚光を当て、本業界を盛り上げられないものか…とここ最近考えるようになりました。
また多くのイラストレーターや画家、漫画家さんと関わるにつれ、
「この人の画集を出してもっとみんなに見てもらいたいなあ」
「この人の作風は絵本や詩集に合うんじゃないかなあ」
等々思える作家さんもいらっしゃいます。
なのでゆくゆくは出版社を立ち上げ、絶版になった本を生き返らせたり、世に出ていない作品を発掘したい…という思いが、お店を始めてから湧き上がってきております。
…
…
だいぶいいこと言ってますが、嘘偽りなく本心で書きました。
勿論、自分の考えや情報を発信する手段として、というのもありますが、なにより一人でカフェやって本屋やって出版社やるなんて、面白そうじゃないですか?
この『面白そう』というのが一番の根っこだったりします。
…とは申せです。色々カッコイイこと言ってますが、出版社と言っても法人格ではなく、取次もなく、年に出せても初めのうちはおそらく1冊くらいなものです。
本屋さんの知己も特にないのが現状です。
実際に出版社を興したり勤めている人からすればお遊び程度にしか見えないかも知れません。
個人的には筏で荒波躍る海に乗り出すような心境ですが、本業の方から見ればプールサイドでビート板片手に遊んでるようにしか見えないかも知れません。
しかし仮にそう見えたとしても、そんなことはどうでもいいのです。
なにより大事なのは、踏み出す第一歩なのです。
…まぁ、こんなに早く出版社をやるとは想像しておりませんでしたが、そこは人生、何があるか分かりません。
月毎に展示が替わるcafe Mo.freeですが、来たる2021年3月、この月は満を持して店主が直々に展示を致します。
今まで頂いた絵や写真、店主自身が購入したものなどを展示し、販売が可能な物はチャリティー販売する予定です。経費を差っ引いた全額を猫の保護団体に寄付しようと考えております。
そしてその展示に合わせて、もふり書房の2年目という事もあり、当店のアンソロジーを中心とした内容の本を出版しようと考えております。
その名も、『About a cafe Mo.free』
表紙はこちらでございます。
そう、表紙は既に出来ております。
この表紙だけで、もう読みたくなりません?どう??
『カフェモフリーについて』
この素敵な表紙をデザインして頂いたのは、以前当店でも展示して頂いたこともある漫画家の薩美祐さんです。
こういった様々な芸術家が、当店には時々来店されます。そんな方々が描く先生やお店のイラストや文章を贅沢にまとめました。
ゴミみたいなイラスト代や原稿料で快く引き受けて頂いた皆さまには、申し訳なさと感謝の気持ちしかありません。
また、アンソロジー以外の特集もございます。
当店に集まる漫画家やイラストレーター、小説家、音楽家…そういった職業は、しばしば憧れの対象になったりもします。
そこで店主自ら、「どうやったらその職業になれるの?」とインタビューを敢行、忌憚のない本音を聞くコーナーもあります。
何人かインタビュー済みですが、それぞれめちゃくちゃ面白い人生です。才能も勿論ですが、それよりも努力によって技術を伸ばしてきた方々で、時々の運や縁、何より行動力によって人生が切り拓かれている印象です。
これらの面白さを損なわずに正確に伝えられるか、正直言って不安です。
しかしそれよりも、一人でカフェや本屋をやりながら更に出版社やるなんて果たして出来るかしら…という不安の方が大きいですが、お得意の背水の陣、「出版するぞ」と宣言してしまえばやらざるを得ません。
申請していたISBNコードは、つい昨日ですが取得しました。
この文章を書いているのは2020年10/30ですが(4年目初日も相変わらずヒマです)、レイアウトやどんな構成にするのかも決まっておらず、インタビュー済みの記事が4本中1本がようやく纏まるかな?というところです。そしてあと1人インタビューが控えております。
それから、どうやら雑誌作りには欠かせないらしい、という結論により悩みに悩んで購入したソフト「Adobe InDesign」の入門書を今まさに読んでいる最中です。
こんな感じで、8月くらいからちょっとずつですがコソコソと動いております。
ほんとに大丈夫なのか?間に合う?間に合わなくない??
…まぁ、間に合わなかったその時は男らしく言い訳をしながら謝ろうと思います。
しかし思い立ってから2年半で未経験ながらカフェを開業、そして思い付きで3ヶ月でこちらも未経験な本屋さんを開業です。6ヶ月で出版社もなんとかなる気も致します(他人事
そして、おそらくブログを書く暇がなくなるだろう…という事で、気付けば書き始めて2年に及んだ店主の公式ブログ、突然ですが今回でラストとなります。
読んだところで人生に於いてなんの役にも立たない駄文でしたが、思いの外多くの方に読んで頂き、更には楽しみにしているという声も頂戴しました。本当にありがとうございます。
公式ハッシュタグランキングで最高2位にもなるとは想定外でした。1位を取らずに辞めるのか…との思いも頭を過ぎりましたが、店主の人生はいつも及第点以上取れれば残りの力は他に回す、を信条としてきました。全く後悔はありません。出来過ぎなくらいです。
当店の情報を伝える為に始めましたが、エッセイ形式で馴れ馴れしすぎず、かと言って固くなりすぎず、そして読み物として仮に本なっても通用するように…という考えでやってきたのも事実です。
そんなブログを書き、また反応を頂くにつけ、自分の文章もそれほど捨てたもんじゃないのかな、という手応えを得られたのは非常に大きかったです。(お世辞も入ってるのは重々承知しておりますが
限定メニューはTwitterやInstagram等、SNSで引き続き企画していきます。
今後の文章での発信はnoteに軸足を移していきます。そして現在noteでは有料に設定している記事もありますが、今後は無料で公開していきます。購入して頂いた方、本当に申し訳ありません…
文章で少しでも収益化できないか、という考えでnoteを始めましたが、当店の成り立ちや取り組み、はたまたレシピ等は、いつか何かを始める誰かの為のヒントとして、少しでも役に立って頂けたら…と考えました。
ほんの僅かではありますが、ちょっとした還元の意味もあります。cafe Mo.freeは多くの方によって成立しているお店です。
また、今までのブログの代わりとして、引き続き楽しんで頂けたらと思います。
noteにはサポート機能があるので、店主が書いた文章を少しでも「いいな」と感じて頂いたら、その時は投げ銭感覚でサポートの程を是非お願いします。このnoteで得た収益を全額出版に係る費用に充てていく予定です。
考えてみればカフェ開業時には出版社をやろうなんて想像もしておらず、文章を書こうとも考えておりませんでした。人生はほんとに何が起こるか分かりません。
なんなら5年後には映画を撮ってるかも知れません。
なかなか苦しいご時世で、未来は暗澹としておりますが、こんな時こそ大人が率先してやりたいことをやり、夢や希望の旗を掲げて生きていこうじゃありませんか。
という訳で
本日もご来店頂きありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
今までブログを読んで頂き、本当にありがとうございました。
引き続きnoteにて、何卒よろしくお願い致します。
4年目も先生共々、よろしくお願い致します。
それでは。