今年は辰年ですね。日本には龍神を祀る神社も少なくない。

数年前に訪れた東京都品川区北品川区に鎮座する「荏原神社(えばらじんじゃ)」も、「品川の龍神様」と呼ばれている。

和銅2年(709年)9月9日、奈良の丹生川上神社より高龗神(龍神・水神)を勧請して、南品川に創建したのが始まりとされる。

長元2年(1029年)に伊勢神宮より豊受大神、天照大神を勧請、宝治元年(1274年)6月19日に京都祇園社(八坂神社)より牛頭天王を勧請した。

もともとは「品川貴船社」と呼ばれていた。また貴布彌大明神、品川大明神、天王社、南の天王などの別称がある。

源氏、上杉家、徳川家などの武家から信仰を受け、「南品川の総鎮守」として崇敬された。

後に現在地に遷座された。現在の社殿は弘化元年(1844年)に建てられたものである。旧鎮座地には、水神を祀る「貴布彌神社」がある。

明治8年(1875年)、荏原郡の名をつけて「荏原神社」に改称された。

神殿に掲げられている「荏原神社」の扁額は、内大臣三条実美公、貴布彌大明神の扁額は徳川譜代大名源昌高によるものだという。

現在の祭神は、豊受姫之神、天照皇大神、須佐男之尊、高龗神、手力雄之尊で、勝運、学問、商売繁盛、交通安全、病気平癒、家内安全の御利益があるとされるが、古来より叶わないものはない、といわれている。

私が訪れた時もたくさんの人が参拝していた。目黒川にかかる赤い橋を渡ると、鳥居が見える。

拝殿にて参拝をしたが、その彫刻の美しさに圧倒された。特に屋根の上からのぞいている龍の頭は見事だった。

「荏原神社」の境内では恵比寿様も祀られていて、東海七福神の中の1社に数えられている。

「荏原神社」では、牛頭天王を祀っていたこともあり(現在は須佐男)、例祭として「天王祭」が催される。

「荏原神社」では牛頭天王(須佐男)を水神とし、カッパは水神の使いとされ、例祭に参加する崇敬者たちを「かっぱ」になぞらえ、「天王祭」のことを「かっぱ祭り」と呼ぶ。