今年は辰年なので、龍神に関わる神社が何かと注目を集めている。

東京都西東京市にある「田無神社(たなしじんじゃ)」も、今年はネットニュース等でよく紹介されている。

「田無神社」では「級津彦命(しなつひこのみこと)」「級戸辺命(しなとべのみこと)」と「大国主命」を主祭神として祀っている。

級津彦命と級戸辺命は、雨と水と風を司る神で、元寇の際に神風を吹かせたとされる。

創建は鎌倉時代後期の正応年間(1288〜1293年)で、もともとは田無北部の宮山にあった。「尉殿大権現」と呼ばれていた。

1603年、徳川家康が江戸城の建築や城下町を造営するにあたって、青梅から大量の資材を運ぶためのルートとして青梅街道が開かれた。

その運搬の中継地として宿場町、田無村が生まれ、宮山に暮らしていた人々は青梅街道沿いに移住してきた。

人々の移住に伴い、「尉殿大権現」も上保谷を経て、1670年(寛文10年)に現在の場所に遷された。

1872年(明治5年)に「田無神社」に改称した。

1900年(明治39年)から1910年(明治43年)にかけて、神社合祀が行われれ、「田無神社」も1910年(明治43年)に町内の5つの小社を合祀した。

上向台鎮座の八衢比古神(やちまたひこのかみ)、八衢比売神(やちまたひめのかみ)を主祭神とする八幡神社、下向台鎮座の須佐之男命を主祭神とする八坂神社、北芝久保鎮座の倉稲魂命を主祭神とする稲荷神社、上宿鎮座の応神天皇を主祭神とする八幡神社、谷戸に鎮座する猿田彦命を主祭神とする熊野神社の5社を合祀した。

現在の「田無神社」では、自然の全ては「水・火・金・木・土」で成り立っているという五行思想に基づいて「五龍神」が祀られ、それぞれ異なる御神徳が得られる。

金龍は運気向上、幸福招来、赤龍は勝運向上、成績向上、白龍は金運向上、良縁成就、青龍は技芸向上、就業成就、黒龍は健康増進、家内安全となっている。

数年前、私が訪れた時は屋台も出ていて、参拝客が大勢いた。社殿には立派な龍の彫刻が見られた。

境内には龍神池の獅子頭、道祖神、神心の碑、楠木正成公像、撫で龍などがあった。

境内にある恵比寿大黒社では、少し変わったお参りの仕方をする。社の前に恵比寿天の持ち物である鯛と、大黒天の持ち物である小槌がぶら下がっている。

まずこの小槌で鯛を一回叩く。その後、社に祀られている恵比寿天像と大黒天像を撫でると御利益が得られるという。

私は参拝の思い出にと社務所でおみくじをひいた。何種類かのおみくじがあったが、せっかくなので龍神みくじを選んだ。その結果は……さてなんでしょう。