6月27日、テレ東 《午後のロードショー》 枠で放映した 「ダンテズ・ピーク」 を観ました。
オリジナルは1997年2月公開の 「DANTE’S PEAK」。主演のピアース・ブロスナンは自分は知りませんでしたが、「007」 5代目ェームズ・ボンド役で超有名らしい。
もう27年も前ながら、タイトルは知ってましたし、火山災害を描いたパニックアクション映画の傑作というので、おっかなびっくり観てみた次第です。
レイチェルとハリー(左) ダンテズ・ピーク噴火!(右)
アメリカとカナダの国境ノーザンカスケードに位置するダンテズ・ピーク。ここは人口2万人以下でもっとも住みやすい全米の街2位に認定され、来年は1位だと盛り上がっていました。
全米地質調査所はこの地で異常な地震データを観測。派遣されたハリー・ダルトン(ピアース・ブロスナン)は湖水の酸性化、温泉の温度上昇などを捕捉し不安を募らせます。
おりしも、街には大手企業が支社を建設するプランが進行中。万一の事態への過剰な警告はいたずらに不安をあおるだけ、とハリーの上司も街の有力者も耳を貸しません。
町長レイチェル(リンダ・ハミルトン)はグレアム、ローレンの幼い兄妹をひとりで育てながらカフェを切り盛りしているアクティヴな女性。ハリーがうろつくことに当初迷惑がりますが、学者としての真摯な態度を徐々に信じるようになります。
ついに起こってしまったダンテズ・ピーク噴火。人々が逃げ惑うなか、レイチェルは子どもたちが山腹に別居している祖母ルースを助けに行ってしまったことに愕然。ハリーは同行し、レイチェルの家族を救うため火砕流迫るなか車を走らせるのでした......
阿鼻叫喚!(左) レイチェル一家の運命は(右)
素晴らしい! 期待以上のおもしろさでした。配収2億ドル近い大ヒットだったというのも納得です。
火山噴火の火砕流は怪獣と違って(?)、人間が立ち向かうことなど不可能な圧倒的自然の脅威なので、人々は逃げるしかない。そこにどうやって対応策を織り込むのかと思ったら、まず政治的な事情で警報発出をためらう描写にリアリティを感じました。
そして、メインがレイチェルの家族を救い、自らも助かろうと苦闘するハリーにフォーカスしているので、ダイナミックな画でありながら散漫なところがない。ハリーはレイチェルと微温的に惹かれ合っていき、子どもたちを励まし続ける人間味豊かなキャラクター。けっして超人的な体力や機知があるわけでないところがまたヨイ。
容赦ないピンチの連続の果て、絶体絶命のハリーたちの奥の手は、なんと当時NASAの最先端技術、現在のわれわれが当たり前に使っている 「とある通信システム」 でした。なんだか感動。
またヒロインのレイチェルも、町長としての威厳と母子家庭のプライベートを使い分け、陰陽ある演技が素晴らしい。リンダ・ハミルトンってこれまた自分は初見の女優さんでしたが、「ターミネーター」 のサラ役が超有名らしい。
加えて、当初はハリーに非協力的だった調査所の上司や同僚、街の保安官たちが、いざ災害が起こるや住民避難にフル回転し、必死にハリーたちの行方を捜索するあたり、人間捨てたもんじゃないな~、と爽快な余韻がありました。カメマル。