6月2日と9日、BS日テレで連続放映したブルース・ウィリス主演のスパイアクション映画 「RED」 2作を観ました。

 

 

追われるサラとフランク(左)  ヴィクトリアとマーヴィン(右)

 

 

 「RED/レッド」 は2010年10月公開。

 元CIAエージェント、フランク・モーゼズ(ブルース・ウィリス)は気ままな隠居生活。年金事務所の電話担当サラ(メアリー・ルイーズ=パーカー)とのテレフォンデートが唯一の楽しみでした。

 

 ある晩、武装した集団に自宅が襲撃されます。いまだ腕は衰えていないフランクは返り討ちにするも、その相手や目的がまったくわからない。電話が盗聴されていたならサラにも危険が及ぶ、とじっさいに会うのが初めてにも関わらず、サラはフランクに連れ出され、危険な逃避行をするハメに。

 

 フランクのかつての仲間、ジョー(モーガン・フリーマン)、マーヴィン(ジョン・マルコビッチ)、ヴィクトリア(ヘレン・ミレン)は人呼んで ‟RED(Reiered Extremely Dangerous(引退した超ヤバい連中)” の異名を取る危険人物たち。

 

 発端はどうやら彼らが過去に関わった事件。今それが明るみに出ると都合の悪い現職政治家が背後にいるらしいとにらんだREDは、CIA本部、そしてその政治家の膝元へ強行突破を図ります...

 

 当時55歳のブルース・ウィリスはおよそ隠居生活とは思えぬ若々しさ。共演者はみんなもっと年上の大物俳優らしい。自分は詳しくないのですが、ヘレン・ミレンが殺し屋とは、と驚かれたほど上品な女優だそうで、意外なキャスティングもヒットの理由なのでしょう。

 

 カッコいい中高年が大活躍するアクション映画、との売り文句を越えるストーリーのおもしろさ。会話は軽妙だしシリアスに決めるところは決める、との緩急の巧みさはさすが名優揃いという感じ。

 

カチンコ 映画

 

 「RED/レッド・リターンズ」 は3年後の2013年7月公開、原題は 「RED 2」。

 

 静かな暮らしに戻り、仲良く暮らすフランクとサラ。

 しかしマーヴィンがふたたび厄介な事件に引き込んできます。今度は冷戦時代のモスクワで極秘に進められていた小型核爆弾開発プロジェクトにまつわる関係者抹殺。

 

 いまやその核爆弾が行方不明。フランクとマーヴィンがそれを盗んだテロリストということになっており、核保有国は秘密裡にヒットマンを送り込み、ふたりの抹殺と小型爆弾の奪還を企てます。またしてもわけのわからぬままの逃避行...

 

 

カーチャもフランクと馴染み(左)  ハンは敵から味方へ(右)

 

 

 フランク、マーヴィン、ヴィクトリアに加え、今度はロシアの工作員カーチャとしてキャサリン・ゼタ=ジョーンズが出演。さらに大物感が増しました。

 

 そしてイギリスのMI6に雇われた最強の韓国人諜報員ハンとして、イ・ビョンホンが出ておりました。冬ソナブームのころ、ヨン様、ウォンビン、チャン・ドンゴンと韓流四天王なんて呼ばれてましたね、もう20年近くなるのかぁ。

 格闘アクションを自前でこなしていて、さすがのカッコよさです。敵として登場しながら、最後は核爆発阻止のためフランクと協力するオイシい役どころ。

 

 テイストは同じ、会話が軽妙なコミカル風味なのですが、肉弾戦、銃撃戦、カーチェイスはもちろん、敵も味方も容赦なく殺傷するので画はけっこう残酷でした。今作は黒幕的存在にどんでん返し的な仕掛けで結末も凝っており、内容は1作目より上をいってました。どちらもおもしろかった~。

 

 なお、ブルース・ウィリスは認知症に伴う失語症で、2022年3月をもって俳優引退とのこと。ゆっくり養生されることを願います。