5月12日~26日、両国国技館開催の大相撲夏場所は、新小結・大の里関が12勝3敗で初優勝でした。

 

 

 

 

 入門7場所目。去年3月まで日体大4年生だったのに、今や幕内最高優勝です。ザンバラからやっとちょんまげが結えたという。

 

 192cmの体格にモノを言わせ、今は突き押しが主ですから、四つ相撲を覚えたら敵なしでしょう。横綱間違いナシの超逸材、これから20回以上手にするであろう賜杯の1回目という感じです。

 

 大の里のおかげで大団円の場所ではありましたが、初日から1横綱4大関が全敗という波乱でした。照ノ富士、貴景勝は2日目から早くも休場。

 

 カド番の霧島は1勝5敗と元気なく、7日目から休場。これで大関陥落です。来場所10勝できるかどうか。.実力的には確かなはずなんですけど、頚椎を痛めてるとか。首は厄介ですからね......

 

 そういえば、定年となった師匠(先代霧島)の陸奥部屋が閉鎖になり、この4月から元鶴竜の音羽山部屋に転籍となっていました。もともと鶴竜の内弟子でしたから、親方も心配なことでしょう。

 

 大関2場所目、祖父の四股名を継いだ琴櫻は11勝4敗と健闘も、14日目に阿炎(あび)に敗れたのが痛かった。それでも連続ふたケタ勝利は立派です。安定した大関どころか、その上のチャンスもありそう。

 

 もうひとりの大関・豊昇龍は大の里に勝つなど10勝5敗。4場所連続ふたケタと面目を保ったとはいえ、いつも序盤から負けが込むのがもったいない限り。立ち合いのやたら遅いときがあるうえ、ムリに投げに行ってバタバタすることも多いので、強いんだからどっしりした取り口を見たいものです。

 

 先場所で新入幕優勝の尊富士は、千秋楽で痛めた右足首がやはり治らず全休。小結朝乃山は、大関陥落から丸3年、やっと三役小結までリバイヴしてきたというのに、右ヒザ靭帯を痛め休場と、注目力士ふたりが不在だったのは残念すぎでした。

 

 関脇・若元春と前頭3枚目高安にも中抜けがあり、横綱大関を含めこれほど休場が多いのでは、広報部長の芝田山親方(大乃国)の 「店の陳列棚に商品がない」 と嘆いたのが言い得て妙、という感じがします。

 

 それでも動員は連日大入り。石川県出身の新星大の里の優勝と、世間的にも大きな話題になっただけに、来場所は上位勢揃いでの激しい優勝争いを期待したいところです。

 

 

 毎度とりとめなし、夏場所の感想でした。