本日は、「MSI=みつまめスケプティック委員会」 からの活動報告です本

 

 古今東西あまた世上をにぎわせたフェイク科学系の話題を総ざらいし、信頼に足る真相に迫りますサーチ

 

 今回は、アイス・フェイシャル ですあせる

 

 

 美容のため、毎朝冷たい氷水で洗顔するアイス・フェイシャル。

 

 最近でも欧米のインフルエンサーがSNSで発信しております。自分が最初に聞いたのは、歌手の奥村チヨさん(1947~ 『ごめんネ…ジロー』 『恋の奴隷』 『終着駅』 など) が実践してるとテレビで話してた、もう30年くらい前です。

 

 冷水が肌を引き締め、若々しさを保つと言われれば、そういうものかな、芸能人ってたいへんだなと思ったものですが、今般、アメリカ皮膚科学会の見解として、美容効果については根拠なしとの公表がありました。

 

 氷水で顔を洗うわけですから、考えられる効能は冷却療法ということになります。

 

 人体はケガをすると、血小板や免疫細胞が出血を止め、表皮の修復を始めます。そのとき、炎症(腫れ)を起こすことで血流を増やし、繊維芽細胞をその部位に送り届けます。急いで流れてきた血液は温かいため、患部には痛みが起こり、熱を持つわけです。

 

 痛みを抑えるためには血管を縮める必要があり、手っ取り早い方法は冷やすこと。にしても凍傷になっては元も子もないため、冷やす時間はごく短く、直に氷を当てるのはNGです。

 

 朝、目の下が腫れぼったくなるのはケガではないにせよ、血管が開いて血流が増えたという意味では同じ。氷水で冷やせば縮む効果は期待できます。もちろん角質が落ちればキレイになりますけど、それはお湯や常温水を用いた洗顔でも一緒。

 

 とはいえ、乾燥肌や敏感肌、酒皶(しゅさ=赤ら顔)の人が毎朝顔を冷やし続けるのは、かえって皮膚へのダメージになってしまい、逆に赤くなる場合があるのだとか。

 

 冷却美容については、正式な臨床研究はどこにもないため主観のものでしかなく、専門の皮膚科医としてはそれが気持ちよくリラックスでき、癒しになるのなら止めることはしない、と言います。

 

 

1回じゃダメなんですってw

 

 

 一方で欧米では、氷水洗顔どころか 《クライオ・フェイシャル(冷凍美容)》 という、気化させた液体窒素を皮膚に当てる高額なエステサロンのサービスがあり、今や日本にも入ってきています。

 

 シミソバカス、肝斑、小皺が消え、ハリ、透明感ある肌になると謳っておりますが、やってることは氷水洗顔と同じうえ、お値段が1回2万円以上、それを継続しなければ効果はないとのことなので、リラックスにしては高くつきそうです。

 

 液体窒素はイボや皮膚がんの除去に使われているレッキとした機器だけに、皮膚科医でないと扱えない医療行為。エステの領域とは言えませんので、高額の勧誘にはご用心、ご用心。

 

 

 それではまた、次回の報告会でお会いしましょうMSI