*今回の設定は完全にフィクションです。

 

 

 東京都新宿区のとある雑居ビルには 「月刊スイーツスポーツ」 のオフィスが入っています。

 

 看板雑誌(?)のひとつ 「月刊スイーツベースボール」 の編集部では、プロ野球キャンプ終盤、オープン戦の時季というのに、いつものようにダラダラとランチタイムを摂りながら、雑誌に書かない本音トークに興じているようです...

 

 

座談会出席者:

あかふく😾 … 「月刊スイーツベースボール」 編集長

くずきり🐨 … スポーツライター,MLBを中心に取材

やつはし🐶 … 記者,現場担当

うぐいす🐔 … 記者,フロント担当

 

 

  

 

カレー スマホ タバコ

 

 あかふく😾 「2月1日のキャンプインから、早いもんでオープン戦が始まった。といっても、話題は9日にアリゾナ州グレンデールでドジャースキャンプに初帯同した大谷翔平一色だったな。それこそ一挙手一踏足って感じで。まぁ、華があるから俺も観てて飽きないけど(笑)」

 

 くずきり🐨 「13日にスプリント器具の腰ワイヤーが外れて転倒したときはドキっとしましたけどね。あれでケガでもしたらトレーナーやメーカーの責任問題ですよ。賠償金いくらになるか(笑)。大谷がシャレで済ませたのにホッとしたのと、ほんとに度量の大きい人だなと感心しました」

 

 うぐいす🐔 「開幕は3月21日、韓国でのパドレス戦。JTBが組んだ日本からの観戦ツアーの倍率が200倍だったそうで、2試合観戦で73万、1試合観戦で50万のプラチナチケットです。正直、いいホテルとか食事とか要らないからもっと安くしてほしい(一同・笑)」

 

 あかふく😾 「こんなオイシイ商売そうそうないんだから、そうはいかないだろ。ていうか、ほんとに大谷が出場するんだろうな?(一同・爆笑)。ここまで盛り上げておいて欠場だったらどんだけ世間がガッカリするか。右ひじ手術のリハビリ途中なんだから、むしろぜったい出る保証はないと思うべきだろ」

 

 やつはし🐶 「にしても、あまりに大谷と山本由伸しかスポーツニュースでやらないから、日本球界のカゲの薄いこと(笑)。まぁ、トレーニングキャンプなんですから話題づくりする必要もないかも知れませんが。巨人なんて、10日から5日間、松井秀喜さんが6年ぶりに臨時コーチを務めたことが唯一の話題でした」

 

 あかふく😾 「巨人の新監督が松井の現役時代の同僚阿部慎之助になったんてんでの快諾らしいな。そういえば6年前も高橋由伸が監督だった。阿部にしてもソフトバンクの小久保裕紀にしても、その世代が監督やる年廻りなんだなぁ。ドラフトで逆指名制度があり、各チーム囲い込みのため学生に多額の小遣い銭を渡すのが横行してた、ハッキリ言ってロクデナシ世代だ(笑)」

 

 うぐいす🐔 「その小久保監督のソフトバンクでは、西武からFA移籍してきた山川穂高へのファンからの拒否反応がすごくて。球団会長の王貞治さんは、自分が認めれば世間は鎮まると思ってたフシがありますけど、なんだかあの人も傲慢になりましたねぇ」

 

 やつはし🐶 「王さんは、西武が山川の人的補償としてソフトバンクのプロテクト漏れしてた和田 毅を指名したときも、球界の信義に反するとかで西武を罵倒してましたからね。結局、甲斐野 央が西武に行くことになりましたけど、チームの人気選手ならリストから外しても指名しないだろってのは、イヤな暗黙ルールです」

 

 うぐいす🐔 「でも、43歳になる和田より、若い甲斐野のほうがぜったい西部にとって期待できますよ。新天地で活躍してほしいものです。ロッテでは、早く新天地に行きたい(一同・笑)佐々木朗希の動向が少々風当たり強いですねぇ」

 

 くずきり🐨 「あぁ、今季オフにポスティングシステムを利用してのMLB移籍を求めた佐々木に、球団が難色を示したことで契約更改が越年したんです。球界OBを中心に、まだプロ5年目で一年通じてローテーションを経験しておらず、いくらなんでもチームに対して腰掛け意識が露骨すぎやしないか、という批判ですね」

 

 あかふく😾 「ダルビッシュにしても田中将大にしても大谷にしても山本由伸にしても、チームを日本一に導いて恩返ししていったんだから、ということだろ。佐々木の場合は将来MLBでプレーすることが最優先で、甲子園出場だって二の次にした。意志徹底してて俺はいいんじゃないかと思うがね。他人がどうこう言う話じゃない」

 

 うぐいす🐔 「MLB第一ということでいえば、佐々木が2022年の段階でNPBの労組である選手会を脱退していたことが報じられました。その後、山本由伸も過去に脱退しており、MLB指向の選手には選手会にいる意味がないと認識されてるということで、役員会からはため息が漏れてます」

 

 やつはし🐶 「フリーエージェントにしてもポスティングシステムにしても、過去に選手会としての要望がオーナーサイドに通ったということで、恩恵だけ受けておいて足かせと思われるのは心外、とのトーンですよね。言いたいことはわかりますけど、そもそもトッププレーヤーがことごとく海を渡り、それをファンが期待し応援する今の流れが異常と言えば異常なんです」

 

 うぐいす🐔 「その流れの新手が、花巻東高、佐々木麟太郎のスタンフォード大進学ですよね。高校野球の目玉がNPBを頭越しにアメリカ留学、直にMLBを目指すってんですから。しかもアメリカ国民じゃないのに、名門大から奨学金待遇とはほんとに驚き」

 

 あかふく😾 「佐々木なぁ~...オヤジの佐々木 洋監督は菊池雄星、大谷翔平のとき、高校から直接アメリカ挑戦したいってのは妨害しておいて、てめーのセガレはスタンフォードかよ(一同・爆笑)。ふざけてるよなぁ。大谷が、記者から麟太郎にアドバイスしたか聞かれて、『アドバイスはしてないけどがんばってほしい』 って、いつになく吐き捨てるような言い草だったろ」

 

 やつはし🐶 「まぁ、大成功者になった今、佐々木監督なんて頭の隅にも置いてないでしょうからね。あのときは、監督が日本球界から鼻薬をかがされて、出さなければドラフト指名から除外されたはずのプロ志望届を勝手に送って、菊池や大谷をドラフト対象者扱いにしたんでした。このたび、麟太郎の志望届はしっかり出してません(一同・笑)」

 

 あかふく😾 「スタンフォードにふつうに通うと4年間で5000万円かかるという。でも佐々木家には余裕だろ。菊池と大谷を売ったカネでさぁ~...もっともこれはあくまで俺の邪推だけど(一同・爆笑)」

 

 くずきり🐨 「う~ん、実はスタンフォード大はエンダウメントといって、アメリカの私立大では運営に占める寄付金とその基金の割合がダントツに多いんです。前もって相当の寄付をしておいて、麟太郎を奨学待遇にしてもらったセンはなくもないかも?!(笑)」

 

 あかふく😾 「まぁ、麟太郎に含みはねぇから。語学を第一に修めて、野球に限らず国際人になりたいって抱負は諒とするよ。なんだかんだ十代で故郷を離れて米国留学なんて大した度胸だしな。とにかく開幕までひと月、韓国でのドジャース-パドレスが楽しみでしょうがない。それじゃそろそろ仕事に戻ろうか~」