本日は、「MSI=みつまめスケプティック委員会」 からの活動報告です本

 

 古今東西あまた世上をにぎわせたフェイク科学系の話題を総ざらいし、信頼に足る真相に迫りますサーチ

 

 今回は、目のサプリ・ルテイン ですパンチ!

 

 

 近年、機能性表示食品として目のぼやけ解消、はっきり見える力の改善をうたうサプリメント、ルテイン。

 

 ロートV5、大正ブルーベリーヒトミクリア、めぐみのルテイン30、小林製薬ルテインa など商品は枚挙にいとまなし。

 目のサプリといえば、かつてブルーベリーに含まれる <アントシアニン> を売りにしておりましたが、それが単なる色素成分に過ぎないことがようやく知られ渡ってきたので(→ブルーベリー解析)、おニューの洋服を着たのでしょう。

 

 ルテインもやはり天然色素のひとつ。キサントフィルという黄色を形成し、ラテン語で黄色を意味する <LUTEUS(ルテウス)> が語源です。緑黄色野菜に多く含まれており、トウモロコシの粒や卵の黄身もそうです。

 

 人体には眼球の黄斑部に存在し、これが減少すると <加齢黄斑変性症> による機能低下、つまり目のぼやけ、かすみ、視力低下を招くと言われれば、補給せねば、と焦る気持ちになりましょう。

 

 ルテインの成分については米欧、中国ですでに広範なコホート研究が成されており、脳神経や臓器への影響は認められないとの結果が出ています。

 

 肝心の目への作用では、実験によるバラツキが異常に多いことがわかりました。なぜなら主に研究するのがサプリ業者なので、都合の良いデータを積極的に採用したからです。

 

 無作為化プラセボ対照試験、つまり複数のデータベースからランダムに結果をコホート分析したところ、たしかにルテインの大量摂取を長期間続けた場合、黄斑部の色素光学密度の増加が認められました。

 

 だからといって視力が改善したわけではなく、一度変性してしまった黄斑部をルテインで治癒させることは不可能です。

 

 さらに早期加齢黄斑変性症、白内障といった目の病気を予防、進行抑止する効果も認められなかったので、ルテインサプリ摂取に意味はないと断じて良いでしょう。

 

 なお、ルテインにはフリー体とエステル体があり、黄斑部を成すのはフリー体。ところがサプリメントの中には廉価で原価率のいいエステル体を使ってるものがあります。これだと体内に吸収すらされず、すべて尿になってしまうという。

 

 そもそも、われわれはふだんの食生活でじゅうぶんルテインを摂取しているので、わざわざサプリを服むまでもありません。

 

 パソコンやスマホの画面から発せられるブルーライトから目を保護する、とも言われますが、それよりは日中、屋外で太陽光線にさらされるほうが圧倒的に目に悪い。肌が日焼けするのに、目が無事なわけはないでしょう。

 

 目を大切にするなら、晴れた日には必ずサングラスをするべき。いわゆる老眼は、積もり積もった太陽光線からのダメージによるものなのですから。

 

 

 それではまた、次回の報告会でお会いしましょうMSI