先日、消防署と教育委員会主催の 《緊急救命講習》 に参加してきました。

 

 市民対象の一般公募で年数回行われている講座、かねてから習いたいと希望していたところ、年明けにちょうどホームページで受け付けていたので、申し込むことが出来ました。

 

 新規の普通講習でも3時間の長丁場。さいわい時間の都合がついた日時だったので、こりゃ~行ってこいということだな、と確信しまして(笑)。

 

 当日、分署のコミュニティースペースに通され、学校の教室ほどの会場に募集人員18人と講師役4人。習うのは 《心肺蘇生法》 と 《AEDの使い方》 などです。

 

 

久しぶりにテキストでお勉強...

 

 

 心肺蘇生法といえば、心臓マッサージと人工呼吸。現在では ‟マッサージ” の語感がソフトで暢気だというので、《胸骨圧迫》 に名称変更。心マとは言わないそうです。

 

 訓練用の人形を使って実技を習うのですが、これがなかなかリアルな手触り。両手を使ってヒジを伸ばし、分速120回のリズムで胸部中央を5センチ押し続けるのでかなりな疲労度です。肋骨が折れても構わない、文字どおり骨も折れよの覚悟が要るという次第。なるほどマッサージどころじゃないハードさです。

 

 人工呼吸は、むやみに呼気を吹き込んでも肺に入るものじゃない。《頭部後屈・あご先挙上法》 といって、気道を開かせるため頭をのけぞらせる必要があると知り新鮮でした。

 

 AED(自動体外式除細動器)は、心室細動(VF)が原因で心停止になりかけたとき、電気ショックを与えて心電を正常に戻す器械。最近はお店にも設置されてますから、いざというとき使い方がわからず、救えたものが救えなかったりしたら後悔の元になるなと、ぜひとも習いたかったのです。

 

 といっても、器械の自動音声ナビが手順を教えてくれるので、まったく手も足も出ないということはなさそう。文字どおり一分一秒を争う現場では、ナビに頼らず手早くやれるに越したことはありません。けたたましく鳴るアラームは、このテンポで胸骨圧迫を続けてという合図なのでした。

 

 問題はふたつの電極パッドを右胸、左脇腹に貼り付ける作業で、このパッドが使い捨て式なので、剥離シートから剝がしにくいのなんの(笑)。実演させてもらえたのは良い経験になりました。

 

 あとは気道異物、つまりノドに食べ物がつかえたときに吐き出させるための 《背部叩打法》 と 《腹部突き上げ法》、大量出血時の 《直接圧迫止血法》、救急車を待つまでの回復体位の取り方をざっと教わって終了です。

 

 3人ずつの小グループで通しリハというか、傷病者確認から助けを呼び、呼吸を確認、胸骨圧迫の実演をやったのですが、けっこう細かい手順を忘れる。患者に近づくのに安全確認が要るというのは、むかーし運転免許の技能試験で、終わったのに安心して無造作にドアを開けたら減点になったのを思い出した(笑)。

 

 帰る前、《普通救命講習修了証》 という名刺サイズのカードをもらえました。「救命技能を有することを認定します」 という文言の、別になんの資格でもない記念品なんですけど、消防長のご朱印つきだし、なにか形に残ったようですんごくうれしい。

 

 長年の念願叶い、やりたかったことをやれた満足感で幸せな気分の一日でした。緊急救命の現場に居合わせることがないことを願いますけど、もし際会したらお役に立ちたいものです。