12月21日、テレ東 《午後のロードショー》 枠で放送した 「大脱走」 を観ました映画

 

 1963年7月公開のアメリカ映画。原題は 「THE GREAT ESCAPE」。テーマ曲は有名だし、「キン肉マン」 の漫画家、ゆでたまご先生が大好きと言ってた洋画なので、良い機会と思い。

 

 

 

 

 第二次大戦下のドイツ北部、捕虜収容所。連合軍の捕虜たちは厳重な警備体制からなんとか脱走を試みようと、計画を練っては失敗し連れ戻される日々。

 

 スティーブ・マックイーン演じるアメリカ航空大尉ヒルツは17回の脱走失敗で独房送りの常連。イギリス空軍バートレット大佐が捕虜となり収容所に送られてくると、捕虜の集団脱走を指揮し、捜索任務に敵の兵員を割かせ後方攪乱を図る一大作戦を計画します。

 

 計画参加者は250人。トンネル掘り、資材調達、測量、情報、偵察、衣料の仕立て、書類の偽造などあらゆる準備に奔走し、団結する同志たちの熱意に、一匹狼だったヒルツも協力することになり、ついに決行の夜を迎えます...

 

 

 

 

 172分と上映時間の長い映画なのに、引き込まれて一気に観てしまいました。なるほどこれはすごいグッド!

 脱走は刑務所じゃなく、捕虜収容所からなんですね。それすら知りませんでした。戦時下のドイツという陰鬱とした舞台ながら、テーマ曲が軽快なマーチなので救いになっています。

 

 収容所はドイツ空軍ルーゲル大佐の管理下。戦争捕虜が脱走を図るのは当然の人情、と物分かりがよく、連れ戻して独房入り処分にするだけの穏健な人物です。それが気に入らず、捕虜など人でなし、脱走者はさっさと処刑せよと考えるゲシュタポやSSとは相容れないのがひとつの伏線。

 

 冒頭で言明されるのが、これは実話に基づく映画だということ。当時オーストラリア空軍捕虜だったポール・ブリックヒル(1916~1991)が1950年に出版した体験記 「THE GREAT ESCAPE」 が原作。もちろん大いに脚色されているでしょうけど、ルーゲル大佐こと実在のヴィルダウ所長(1880~1963)が人格者だったのは事実だそうで、おかげで連合国の戦後裁判では赦免されています。

 

 感動したのは、計画準備の途中で目を病み、足手まといになるからと参加辞退しようとした男を命がけで守るジェームズ・ガーナ―演じるヘンドリーの優しさとか、チャールズ・ブロンソン演じるダニーがトンネル崩落で生き埋めになったとき、総出で必死に助ける連帯感。極限状態だからこそ人間性の大切さを裏テーマにしてるのかも知れません。

 

 あと、収容所の警備兵は威圧的でありながらも、反抗的な捕虜に対しても銃を突き付けて面罵するくらいで手を出すことがない。平気で人の顔を殴るアジア圏はやはり蛮風のようです叫び