みつまめ保管のビデオカセットテープから、過去の 「NHK紅白歌合戦」 を振り返る、当ブログ年末の風物詩。しれっと2016年以来7年ぶりに帰ってきました。
今年のセレクトは、70年代ラストとなる昭和54年。紅白がちょうど30回目の節目にあたり、歌謡界にとっては奇跡のような名曲目白押し、まさに ‟神回” と呼べるラインナップです。
それでは44年前のNHKホールにタイムトリップしましょう
「第30回NHK紅白歌合戦」
昭和54年(1979)12月31日・NHKホール
総合司会:中江陽三(NHK)
紅組司会:水前寺清子
白組司会:山川静夫(NHK)
放送時間 21:00~23:45/視聴率 77.0%
司会者によるオープニングの選手宣誓。
「正々堂々闘うことを誓います」 的な古色ゆかしさです。
水前寺清子さんは当時34歳、4度目の司会。愛称はチーターではなくチータ(小さい民子の意)。山川静夫さんは90歳になった現在も元気元気です。
トップバッターは石野真子 『ジュリーがライバル』。
当時18歳、緊張アリアリで息使いが小刻み。ヨシッと気合入れの口が動くのがわかりました。作曲は現在、純烈のプロデューサーとして多忙な元トランザムの幸(みゆき)耕平。
♪ジュリーがライバル~ のブリッジ部分では、渋い顔のジュリーがどアップに。
白組トップ 郷 ひろみ 『マイ・レディー』。
この年は 「ムー一族」 「家路」 とTBSのホームドラマに出演しました。郷さんの歌では上位の知名度でしょう。オリコン最高8位、「ザ・ベストテン」 では5週間1位。石野真子さんと同じ 《バーニングプロダクション》 です
渥美二郎 『夢追い酒』。
流しの演歌師で下積みし、27歳の初出場。ロングセラーを続け、実売100万枚越えの演歌史上屈指のビッグヒットになりました。
ギターの応援は五木ひろしさん。中継係の金子辰雄アナは 「五木寛之さん」 と紹介。そりゃ作家さんでしょ(笑)。
紅組の応援に駆け付けた朝ドラ 「マー姉ちゃん」 の磯野一家。長谷川町子さんの姉マリ子を熊谷真美さんが演じました。2021年秋にNHK-BSで再放送され、藤田弓子さん演じる母はるの強烈キャラクターぶりがSNSでプチバズり。
渡辺真知子 『たとえば…たとえば』。
前年の 『迷い道』 に続き2回目の出場。オリコン13位とイマイチながら、翌年早々 『唇よ、熱く君を語れ』 が大ヒットします。今年がデビュー45周年。
角川 博 『大阪ものがたり』。
当時26歳で2度目の出場。西城秀樹・岩崎宏美と同じ 《芸映》 所属なのでバーター枠かも(笑)。甲子園球児だったことから芸能人野球大会とか、美空ひばりさんのモノマネとか、歌手以外のイメージが強い。のちにモノマネ封印宣言してました。
桜田淳子 『サンタモニカの風』。
♪来て来て来て来て~ と、この方の歌では超有名でしょう。この年、かの長谷川一夫と舞台で共演して評判が良く、アイドル歌手から女優業にシフトしていきます。タモリさんがファンと公言していたとか。実姉に誘われ、このころすでに統一教会の信者だったらしい。
野口五郎 『青春の一冊』。
『私鉄沿線』 を書いた実兄・佐藤 寛さんが作曲。日本歌謡大賞・放送音楽賞を受賞しています。良い曲だけど、五郎さんのシングル曲ってバラードばっかりなんですよねぇ。『真夏の夜の夢』 とか 『女になって出直せよ』 みたいな得意のギター付きのアップテンポがもっと欲しかった。
岩崎宏美 『万華鏡』。
オリコン最高10位、TBSレコード大賞・金賞受賞。
例の ‟イントロにオバケの声が入ってる” 都市伝説で有名。コーラス男性の低音がラフミックスのせいでうめき声に聴こえるんだとの謎解きに落ち着きましたが、たぶん話題づくりの確信犯じゃないですかねぇ。70年代はオカルト大好き世相でしたから。
ツイスト 『燃えろいい女』。
資生堂サマーキャンペーン ‟ナツコの夏” CMソング。ナツコ役は小野みゆきさんでした。オリコン最高3位。
世良公則(Vo)・松浦善博(G)・神本宗幸(Key)・鮫島秀樹(B)・ふとがね金太(Dr) の演奏力高い5人バンドです。神本さんは現在でも世良さんのソロバンドに在籍。
審査員席からコメントタイム。
菅原文太さんをはじめ、若山富三郎、大原麗子、ミヤコ蝶々、多岐川裕美と俳優陣に加え、文化人は 「銀河鉄道999」 の松本零士、芥川賞作家・重兼芳子、プロ野球日本一の広島カープ・古葉竹識監督が呼ばれていました。
ツイストのようなロックに好意的な文太さんは、年明けの大河ドラマ 「獅子の時代」 の主演。その脚本は11月29日に89歳でお亡くなりの山田太一さんでした。
本日はここまでです。
続きは次回(@^^)/~~~