7月23日、BS日テレで放映した 「リオの男」 を観ました。

 

 ‟スピルバーグが劇場で9回観た映画” という、実にそそるラテ欄で興味を持った次第。お宝をめぐるアクション冒険活劇ということは、この夏公開になった 「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」 にちなんでの放映なのでしょう。

 

 オリジナルは1964年2月公開のフランス/イタリア合作映画で、 「L’HOMME DE RIO」 が原題。シリアスでなく軽妙な会話やコミカルなアクションのコメディータッチです。110分。

 

 

アニエスとアドリアン(左) 物語の鍵になる古代像(右)

 

 

 見習い軍人のアドリアンは休暇を取って、パリに住む婚約者アニエスに会いにやってきます。

 ところがアニエスはアドリアンの目の前で何者かに拉致され、同時にアニエスの亡父の親友だったカタラン教授も失踪。教授がパリの人類博物館に寄贈したアマゾン古代文明の像も盗まれたため、どうやら犯行の目的は像の秘密に?

 

 アドリアンはアニエスを追ってブラジルのリオまで飛ぶと、パリとまったく違う風土と人情に触れながら、冒険の旅に出るのでした...

 

 

カタラン教授が秘密を語る(左) ピンチの連続(右)

 

 

 主演はジャン・ポール・ベルモンド(1933~2021)。自分は知りませんでしたが、アラン・ドロンと並び称されたフランス映画界のレジェンドとのこと。スタントなしのアクションを得意とし、トム・クルーズは彼の影響大なんだとか。そりゃすごい。

 

 しかも声の吹き替えが山田康雄さんということもあり、完全にルパン三世のノリというか、おそらくこの映画がモデルなんだなと観始めて10分でわかりました。「ア~二エ~ス」 とか 「あららら~」 って感じの。

 

 おそらくシティーハンターの冴羽 獠もそうなのでしょう。実写では若き日の水谷 豊さんの演技も影響を受けてるかも。ヒロインのアニエス演じるフランソワーズ・ドルレアックはかのカトリーヌ・ドヌーヴの実姉で、事故により惜しくも早逝してしまったんだそうです。

 

 カーチェイスはもちろん、ボートを操りセスナを飛ばし、海へ空への冒険活劇。クライマックスは像の謎を解くためブラジリア森林の洞窟へと、アドベンチャーぜんぶ盛りの超娯楽映画です。中だるみなしのテンポ感が素晴らしい。文句なしにおもしろかった。60年も前の映画ってのを忘れるほど。

 

 劇中のパリの街並みは第二次大戦後たった20年足らずとは思えぬ復興ぶりで、しかも旧敵イタリアと合作映画を作るまでに和親、それがこんなモダンな画と内容とは本当に感服でした。