11月13日~27日開催の大相撲九州場所は、前頭九枚目の阿炎(あび)が12勝3敗、三つ巴の決定戦で連勝しての初優勝でした。

 

 横綱・照ノ富士休場で混戦が予想されてたとはいえ、最後の最後まで誰が勝つかわからないもつれっぷり。

 

 

1994年春以来、28年ぶりの巴戦

 

 

 11日目まで10勝1敗と独走していた関脇・豊昇龍が3連敗で脱落。そのあと14日目まで12勝2敗でトップに立っていた前頭筆頭・高安が千秋楽で阿炎に負け、3敗から終盤6連勝の大関・貴景勝、終盤5連勝の阿炎が追いついたかたちです。

 

 それにしても高安...春場所、秋場所ともあと1勝のところで優勝を逃し、今場所はと思った千秋楽でも負けてV逸。2019年11月の大関陥落からここまで立て直してきたのは立派と思うのですが、なんだか賜杯に嫌われてるような。杜このみさんとの結婚で運を使い果たしたわけでもあるまいに。。。

 

 阿炎は繰り言になりますが、2020年7月場所中、新型コロナ予防対策で外出禁止のところ、キャバクラ遊びをやらかして3場所出場停止。幕下まで番付を落としてから復活してきました。秋場所は右ひじと左足首を手術して全休。復帰早々の初優勝です。

 

 師匠の錣山(しころやま)親方は元の寺尾。現役時代は井筒三兄弟として有名でしたが、お父さんの鶴ヶ嶺ともども、幕内最高優勝は家族の誰もしていないので、親方にとって人生初の経験を弟子がやってくれました。不祥事からの復帰をサポートしてくれただけに、阿炎には師匠への良い恩返しになったことでしょう。

 

 

高安、貴景勝と連破して阿炎初V

 

 

 そんで...触れずにはおられない大関・正代と関脇・御嶽海の相変わらずな不振。

 先場所で大関から陥落し、今場所10勝すれば大関に戻れた御嶽海ですが、10日目に6敗目。結局6勝9敗で復活どころかイチから出直しになりました。大関昇進は初場所で優勝したあとなので、年末まで持たずじまい。どうしてだろう。。。

 

 正代はカド番から6勝9敗で大関陥落。来年の初場所は10勝すれば戻れますが、このぶんではキビしそうです。どうしてだろう。。。

 

 貴景勝は三つ巴戦まで優勝争いにからみ面目を保ちましたが、初場所は大関ひとりということになりました。これほど上位の迫力不足では、今年の6場所すべて優勝力士が違い、3場所続けて平幕優勝になったのもむべなるかな。

 

 十両以下では、自分の注目している21歳、200cmの北青鵬(宮城野)が6枚目で10勝5敗と大勝ち。宮城野といえば、炎鵬も11枚目で10勝5敗と健闘しました。ふたりとも幕内で観たい力士です。

 

 そして、元大関で6場所出場停止から復帰3場所目、朝乃山が幕下4枚目で6勝1敗、初場所での関取復帰となりました。幕下で1敗は余計な気がしますが、早く幕内で観たいもの。

 

 土俵外のことでいえば、福岡開催とはいえ観客動員が悪かった。テレビで映ってもガラガラなのがわかるほど。横綱不在で大関が弱いこともあるにせよ、世間的に大相撲の注目度がダダ下がりなのが理由でしょう。

 

 思うに、やっぱり良きにつけ悪きにつけ、コントラバーシャルな存在だった白鵬が引退して一年経ったというのに、その域を継ぐスターがいないから。ワイドショーなどで相撲が話題になる機会がついぞなくなり、このままでは宝塚とか落語とか歌舞伎のような、好事家だけのジャンルになってしまう危機を感じてます。

 

 毎度とりとめなし、九州場所の感想でした。