9月11日~9月25日開催の大相撲秋場所は、前頭三枚目の玉鷲関が13勝2敗で、2019年初場所以来2度目の優勝でした。

 

 1984年11月生まれ、37歳10ヶ月での幕内最高優勝は昭和以降最年長とのこと。玉鷲といえば2004年1月の初土俵から満19年、一度も休場がない鉄人ぶりですが、今場所も実に強かった。

 

 189cmの大柄からの押し相撲は必勝パターンなので、逆にこれまで大関になれなかったのが不思議なくらいですが、四つ相撲が苦手らしいので好不調が出るんでしょうか。ときどき優勝争いに絡んでくる不思議な人ながら、今場所は千秋楽まで圧倒的でした。四股名の下の名前は一朗っていうんですね。

 

 

千秋楽も玉鷲押しまくり

 

 

 惜しいところでまたも優勝を逃した高安。千秋楽で玉鷲との直接対決に勝てば決定戦にもつれ込むところでしたが、完敗で11勝4敗。春場所に続きあと一歩でした。この人、つかみかけた優勝を逃すパターンが多すぎで気の毒です。今年は1月と7月に新型コロナで休場となったり、ふたり目の子どもが生まれたり良いこと悪いこといろいろありましたけど、いまだ優勝だけがないという...

 

 どうしても触れないわけにいかないのは大関3人。

 カド番の先場所、新型コロナ感染で途中休場し、大関据え置きの救済措置だった御嶽海はその甲斐なく4勝11敗の大崩れ。たった4場所で大関陥落となりました。どうしちゃったんだろ。

 

 同じくカド番の先場所、後半7連勝で復活と思われた正代は、二日目にして元に戻ってしまい4勝11敗の大崩れ。今年3回目の負け越しです。どうしちゃったんだろパートⅡ。

 

 貴景勝は10勝5敗で2場所連続ふたケタと帳尻は良いですが、乱暴な張り手とか引き相撲が多く、次代の横綱と言われたのも今は昔。12日目の北勝富士戦で立ち合い変化で勝ち、翌日の若隆景戦で逆に変化で負けたのは何をかいわんや、でした。

 

 9日目まで5勝4敗、10日目から休場した横綱・照ノ富士はいよいよ両ヒザの状態が悪いようで手術に踏み切るようです。痛み止めの打ちすぎで慢性的に浮腫があり、思いどおりに動かせないそうなのでやむを得ないですね。序二段から大復活してきた苦労人なので、協会も長期離脱を許してくれるのが幸いです。

 

 前頭筆頭の翔猿は10勝5敗で来場所三役確定。小兵なのに実に立派なもの。この人、趣味が美容だそうで、お肌ツルッツルなのが目立ちすぎです。

 

 また、六枚目の若元春、関脇の若隆景の兄弟がそろってふたケタの大勝ち。先場所優勝の逸ノ城は6勝9敗で元に戻ってしまいましたが、豊昇龍、霧馬山、琴ノ若、宇良の期待の若手が上位で勝ち越しました。いかに大関が白星配給したかわかります。

 

 あと、場所前に魁聖が引退して友綱親方を襲名しました。2014年6月のテレ東で、故郷ブラジルからお母さんと妹さんを東京観光に招待する番組を観ましたので印象深い。そのあと関脇まで登って長く現役を続けられたので家族も喜んでることでしょう。お疲れさまでした。

 

 毎度取り止めがない大相撲の感想でした。