6月23日、テレ東 《CINEMA STREET 午後のロードショー》 枠で放送した 「レッド・サン」 を観ました映画

 

 1971年公開、かの西部劇のスター、チャールズ・ブロンソンと ‟世紀の二枚目” アラン・ドロンに、当時51歳の三船敏郎が共演というので思わず録画予約ボタンを押してしまいました。

 

 

 

 

 フランス・イタリア・スペイン・アメリカ共同制作。「007」 シリーズのテレンス・ヤング監督で、日本のサムライが主役のひとりに登場するのですから、‟世界のミフネ” と呼ばれたのも納得です笑ううさぎ

 

 しかもタイトルは日本ぽい。内容を観ると太陽照りつける西部の灼熱とのダブルミーニングかなという感じも受けました。

 

 西暦1870年のアメリカ西部、ブロンソンのリンクとドロンのゴーシュは、強盗団の仲間。

 襲撃した金貨を輸送する列車には、合衆国大統領との条約調印に向かう日本国全権一行が乗っており、強盗団は日本のミカドが大統領に贈るはずの黄金の日本刀をも奪いました。

 

 ゴーシュはリンクを裏切って列車を爆破しますが、リンクは間一髪逃れて大激怒。黄金刀を奪還しなければならない三船の黒田重兵衛と組み、ゴーシュを追って西部の荒野を旅するのです...

 

 当初、お互いを信用しないリンクと黒田は旅をしながら言い争ってばかり。しかし共通の敵と共に戦ううち、打ち解けあっていくのはまあ王道のストーリーでしょう。

 

 驚いたのは、サムライの描き方が実に丁重で、鉄の意志と信念を持ち、筋目のためなら命を惜しまないうえ、剣術の腕も超人的。なんせ、野宿のときヤブ蚊を斬り落としてから寝てましたびっくり。まるで日本の映像作家が海外向けのプロモにするようなサムライ像は、黒澤映画の影響が残っていたんでしょうか。

 

 アラン・ドロンは意外にも極悪役で、当時35歳。これは人気があるのは当然というカッコよさで、なんだかジュリーに似た印象を受けました。ジュリーが意識してたのかも知れませんが...

 

 じゅうぶん三船の剣技の見せ場を作りつつ、いちおう主役は当時49歳のチャールズ・ブロンソン。「う~ん、マンダム」 ってこの方だったんですね。アウトローがヒーロー的活躍なんですから、西部劇って不思議な世界です。

 

 不思議といえば、本邦では ‟武士道精神” というのがやたら好きで、これこそ日本人の美学のように言われますけど、全人口の約7%しかいなかった武士の徳目をダレが受け継いでるのでしょう。われわれの御先祖のほとんどはお百姓なのに凝視

 

 劇中、三船の黒田には 「いずれ我が国は貴国に追いつくかも知れないが、そのときにはわれわれ侍はいない」 と言わせており、得る代わりに失われていく価値観をにじませているのは、すでにスパイアクションが人気で、斜陽気味の西部劇というジャンルにも重ね合わせているのかな、とも思いました。

 

 ともあれ、往年の大スター3人の共演作は、内容そっちのけの楽しさがありました。映画はスターあってのものだなぁ、とは映画体験の極めて乏しいわたくし みつまめのビギナー見解ですので悪しからず~<m(__)m>