本日は、「MSI=みつまめスケプティック委員会」 からの活動報告です
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古今東西あまた世情をにぎわせたフェイク科学系の話題を総ざらいし、信頼に足る真相に迫ります
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今回は、「ホントにあった陰謀」
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2020年10月の話ですが、ボストン出身でオランダに住み、環境科学を研究する大学院生アビー・リチャーズさんが、現代にあふれるさまざまな陰謀論を分類する逆ピラミッド型のチャート表を作成し、話題になりました。
人はなぜ陰謀を信じるのか。
世の中に起こる、人が理解できず、許容できない不条理な現実に接したとき、脳内で納得するため 「これは世界を裏から操る黒幕の仕業」 と思い込みたい認知不協和のせい。
そしてもうひとつ、「たま~にホンモノの陰謀があるから」。
アビー女史が作ったチャートでは、下の段階1において 《本当にあったこと》 を挙げています。有害・妄想の陰謀論に比べてあまり有名ではないと思いますので、下からひとつずつ見てみましょう。
・ボヘミアン倶楽部
世界各地にある紳士社交クラブで、とくにサンフランシスコにある 《BOHEMIAN CLUB OF SAN FRANCISCO》 は19世紀後葉に誕生し、現在も2000人規模の政財界、学者芸術家の会員を擁する最大組織。よそのクラブとの連帯関係はありません。
毎年7月に行われる会合は晩餐会、音楽会を伴う盛大なもので、なんらの怪しい活動はないのですが、なぜか秘密結社扱いされているらしい。
・FBIのジョン・レノン監視
共和党のリチャード・ニクソン大統領時代、世界的人気を誇るビートルズが若者に影響を与えるとして、1972年に帰化移民局に働きかけて、アメリカから国外追放命令を出そうとまで憎悪しました。
同時にFBI初代長官にして在職40年余、バリバリの保守肌だったジョン・エドガー・フーヴァーが部下に命じて “反政府活動家” ジョン・レノンの身辺を嗅ぎまわっていたことがレノン歿後に発覚。市民団体による法廷闘争でその全貌が明らかになったのは、なんと1997年のことです。
・ナイラ証言
1990年8月、サダム・フセイン大統領のイラクはクウェートを侵攻。退去できなかった外国人を連行して人質としたため国連安保理は武力行使容認決議を採択、1991年1月にアメリカと34ヵ国から成る多国籍軍が湾岸戦争に踏み切ります。
当初、アメリカ世論は軍事介入に消極的。しかし1990年10月に下院の聴聞会でクウェートから逃れてきたという15歳の少女・ナイラが証言。クウェートの病院でイラク兵士が保育器の赤ちゃんを惨殺していると涙ながらに訴える映像がテレビで流れると世論はフセイン許すまじと沸騰したのです。
しかし、ABCとニューヨーク・タイムズ紙の調査報道で、ナイラは駐米クウェート大使サウード・アル・サバ氏の娘ニジラで、アメリカ生まれ。クウェートに行ったことのない人でした。
軍事支援を求めるクウェートと、参戦に世論を誘導したいブッシュ政権の利害が一致、オイルマネーを原資に広告代理店 《ヒル&ノウルトン》 が台本演出を手がけたヤラセだったのです...
「モッキンバード作戦」 から 「コインテルプロ」 の5項は、引き続きの後編で。
