8月28日、NHK BSプレミアムで放送した 「MICHAEL JACKSON’S THIS IS IT」 を観ました。

 

 2009年6月のマイケル・ジャクソンの急逝からもう12年経つんですね。あのときの驚きは昨日のことのような生々しさが残っているので、年月の早さを痛感します。

 

 2009年3月、ロンドンで全50公演のコンサートを行うとの記者会見があり、実に12年ぶりのステージ復帰と、これがファイナルライブになるとのアナウンスがあったのでした。

 

 7月のコンサートを目前にした急逝のあと、直前まで行われていたリハーサル映像を素材に映画が作られ、10月に公開。世界中で大ヒットしたのも記憶に新しい。自分が映画自体を観るのは今回が初めてです。

 

 

MISS YOU...

 

 

 おそらくコンサートが実現し、それが映像ソフトになった際に収録されたと思われるメイキング風景、という趣きで、ずいぶん丹念にカメラを回してたんだなと感心する内容でした。

 

 当時のマイケルは、スキャンダル方面の裁判沙汰のほか、健康面での不安も指摘されてたと記憶してます。プレスに 「まだムーンウォークは出来るの?」 と失敬な質問をされても、あながちおかしくないほど痩せ細っていましたから。

 

 しかしリハーサルのマイケルはダンスキレッキレで歌声もよく出ている。50歳ですから全盛期と比べるわけにはいかないでしょうけど、これほど動けてたとは思いませんでした。改めてコンサートが実現しなかったことが残念です。ほんとに “これがファイナル” になるとは誰も信じてなかったでしょうし。

 

 そして、リハーサルで細かく舞台監督ケニー・オルテガとディスカッションし、アイディアを口にする様子も興味深い。演奏での抽象的なダメ出しに 「具体的に言ってくれるか」 と軽くキレるキーボード奏者モー・プレジャーが可笑しかった(笑)。

 

 また、イヤーモニターを付けては歌いにくいとダダをこねるマイケル。「生音を聴いて歌うよう鍛えられた世代なんだ」

 これに対し、「わかるよ、じゃあミキサーはどうすればいい? ボリュームを下げようか、何でも言ってくれ」 というオルテガ監督は、まるで子どもをあやす父親のようでした。

 

 バンドでは、当時24歳の女性ギタリスト・オリアンティが話題になり、一気に知名度を上げましたが、映っているのはほんとにわずかな時間。これで注目されたんですから、映画がいかにヒットしたかわかります。

 

 上映時間の111分ずっとリハーサル風景に終始しますが、有名曲が多く通しで演奏されるので、ホンモノのライブのような臨場感と満足感がありました。何度でも観られる感じ。『今夜はビートイット』 『ビリー・ジーン』 『スリラー』 『スムース・クリミナル』 『ブラック&ホワイト』 は永遠の名曲だなぁ、としみじみ。

 

 マイケル・ジャクソンってどこか異次元感というか特別感というか、いわゆるスーパースターとはまた違う存在でしたね。度重なるスキャンダル報道によって晩年のかなりの年月、表舞台に出られなかったことを惜しく思うところです。