大相撲名古屋場所、7月18日の千秋楽は、全勝優勝をかけた結びの一番で横綱・白鵬関が大関・照ノ富士関に勝利し、45回目の賜杯となりました。

 

 

全勝対決を制し咆哮

 

 

 昨年の7月場所は13日目から休場、秋場所、11月場所を全休。今年初場所はコロナ感染、春場所3日目から休場して右ヒザを手術し、夏場所全休と丸一年土俵に上がることができなかったため、今場所で 「進退をかける」 というかたちでした。

 

 進退といっても、白鵬が相撲で勝てなくなるなど考えられないので、あくまで健康状態というか、場所を完走できるコンディションを保てるかどうかの問題。またしても場所中に故障してしまったら、そのときは引退なのかなと想像しておりました。

 

 いざ土俵に上がれば負けそうな相手などいない、とはいえ、まさか本当に全勝優勝とは感服の至り。やはりヒザの状態はギリギリだったとのことなので、どれだけコンディション管理に傾注したか、そのメンタルでも超人なのでしょう。

 

 コンディションといえば、照ノ富士関もヒザを壊したのと糖尿病で2017年九州から大関を陥落し、2019年春には序二段48枚目。2020年7月に幕内に復帰すると、白鵬関のいない直近6場所で3度の優勝を果たしました。今場所の14勝1敗で、横綱昇進が確実。実力とともに、このメンタルも想像を越えます。照ノ富士もまたヒザの状態はギリギリだそうで、よくぞ持ち堪えました。

 

 白鵬が引退するのを待っていたら、今に三役は誰もいなくなるんじゃないかと、5年ほど前に冗談として思ったのですが、日馬富士、稀勢の里、鶴竜、豪栄道、琴奨菊、みんな先に引退しました。

 

 現在の大関、朝乃山は6場所出場停止で、正代はなんだか覇気がない。いちばん若い貴景勝は首をやってしまい、カド番どころかキャリアの危機です。

 

 してみると、現在の角界はけっこうなピンチなんじゃと思う次第。白鵬と照ノ富士が出られなくなったら、場所に横綱大関全員不在、なんて事態まである。

 

 平幕も案外と年齢が高く、ほとんどが30代。スポーツ科学の進歩でアスリート寿命が飛躍的に伸びたとはいえ、若者ちゃんが少ないと未来が心配なのはどのジャンルも同じ。琴ノ若と豊昇龍に期待です。琴勝峰どうした~。

 

 とはいえ今場所は、白鵬・照ノ富士のマッチレースで大いに堪能しました。ひとつ、NHK解説の北の富士勝昭さんがシケシケ、ボヤキ、クサシばかりでシラケました。あんな小山田圭吾レベルの発言に終始するなら、ネットテレビにでも行ってほしい。来場所からは荒磯親方とか、若い親方衆に解説をやっていただきたいです。