11月21日、NHK BSプレミアムで放映の 「ローリング・ストーンズ ライブ・イン・ハバナ」 を観ました。

 

 2016年3月25日、キューバ・ハバナで開催されたローリング・ストーンズのライブがドキュメンタリー映画になったもので、2016年9月23日に一日限定の世界公開。10月28日にDVD化されたそうです。

 

 キューバの雪解け...オバマ大統領が2016年3月20日、アメリカ大統領として88年ぶりにキューバを訪問し、国交回復。帰国のわずか3日後に実現したストーンズのライブは入場無料で、50万人とも言われるすごい観衆が詰め掛けました。

 

 

ハバナ50万人の超観衆

 

 

 実はオバマ大統領の訪問とは無関係に企画されていたそうですが、結果として雪解けを象徴するかのような歴史的ライブになりました。「大統領が前座になってくれた」 とはミックの言。

 

 今でもフィデル・カストロ議長やエルネスト・チェ・ゲバラがキューバ革命の英雄であり、反米感情が強いのかと思いきや、自由に聴くことの出来なかった欧米のロックを、ハバナの人たちはみんな知っていました。音楽は偉大なものです。

 

 劇中で演奏されたのはストーンズ鉄板の名曲オンパレード。ミック・ジャガーは当時にして72歳なのにいつまでも若々しい。キース、ロニー、チャーリーは年相応ですが(笑)、ステージに立ち続ける気力と体力には頭が下がります。サポート奏者のベース、ダリル・ジョーンズとキーボードのチャック・ラーヴェルも在籍が長いです。

 

 驚いたのは、ライブMCのほとんどをミックがスペイン語で話したこと。もちろんハバナの観衆は大歓迎で、ライブの盛り上がりはひとしおでした。ホンモノのスーパースターというのは、こういう努力を惜しまないようです。

 

 キューバ危機以来の緊張が緩和される時代になったのか、と感慨があった当時から4年、期待は嘆息に変わった観がありました。

 

 しかし、来年からバイデン大統領になり、「あのときの続き」 が見られそうな気がします。やっと一般調達局(GSA)が政権移行にGOを出したとのこと。

 

 「歴史は正義へと弧を描く(Bends towad justice)」 とはオバマ大統領の言。

 短期的には反動、逆コースの流れが起きたとしても、長期的には正義に向かって進むというキング牧師の言葉を受け継いだもので、実はわたくし みつまめ個人としても、やるせない世事に対して、この格言を心の支えにしているところがあります。

 

 ストーンズのライブを観た人の思い出がぜったい消えないように、いったん壊れた壁は、もう建て直されない世界であってほしいものです。