みつまめの「このレコード聴いてみた」
「DIARY OF A MADMAN」
OZZY OSBOURNE
古今東西あまり関係なく、みつまめのお気に入りレコードを披露している 「このレコ!」、今回はこのバンドのアルバムです。
OZZY OSBOURNE(1981)
Vo:オジー・オズボーン
G:ランディ・ローズ
B:ボブ・デイズリー
Dr:リー・カースレイク
「DIARY OF A MADMAN」(1981年11月7日発売)
1.OVER THE MOUNTAIN 2.FLYING HIGH AGAIN
3.YOU CAN’T KILL ROCK AND ROLL
4.BELIEVER 5.LITTLE DOLLS 6.TONIGHT
7.S.A.T.O. 8.DIARY OF A MADMAN
2月21日発売のオジー新作 「THE ORDINARY MAN」 に合わせ、前回 「BLIZZARD OF OZZ」 をセレクトしましたので、引き続いてセカンドを取り上げたいと思います。
1st 「BLIZZARD OF OZZ」 から丸一年後の発売になりますが、レコーディングはずっと早く、ソロ初の全英ツアーを終えた1981年の初頭。
この時点ではまだアメリカでレーベル契約がなかったため、1stも出ていませんでした(1981年3月にやっと全米発売)。この年は長い全米プロモーションツアーに出るべく、事前に2作目のアルバムを準備したらしい。シャロンの先見おそるべし。
本作もランディのリフとメロディーを元に曲を完成させ、ボブ・デイズリーがほとんどの歌詞を書いています。
しかしアルバム完成後の全米ツアーにはデイズリーとカースレイクは参加せず...というか、曲だけ書かせて追い出した体になったので、のちのち厄介なことになりますが、それはずっと後年。
ツアーには QUIET RIOT でランディと組んでいたルディ・サーゾと、PAT TRAVERS BAND のトミー・アルドリッジが参加。オジー初期の最強メンバーが揃いました。
アルバムは1stから一年足らずしか経っていないにも関わらず、ランディのギターワークが異次元の進歩を遂げています。
それはソロパートをダブル・トラッキングにしたことでサウンドのスケール感が増大したこともあるでしょうし、キーボードをあまり使わずギターの多彩な音色を最大に生かしたアレンジ。きっとわからないテクニックや録音技術もたくさん使っているからでしょう。
『OVER THE MOUNTAIN』 のソロは息が止まりそうな迫力で、とくに ギュインギュイン の部分。のちのライブ盤でブラッド・ギルスがアーミングで処理してたのを聴いたときは固まりましたが。
『FLYING HIGH AGAIN』 はドラッグの意味でしょう(笑)。歌いだしの Oh NO~Oh NO~ の響きはオジー本人お気に入りだそうです。これとベースイントロの印象的な 『BELIEVER』 の2曲は、ランディ在世時のツアーレパートリーでした。
当ブログがタイトルをいただいている 『LITTLE DOLLS』 はビートルズ風の多重コーラスが出てくる大サビが聴きどころ。ギターソロについては、ランディは少々練り不足と後悔してたとか。
自分はとくにこれが大好きでタイトルにしたわけではないですが、たとえば 「みつまめのDIARY OF A MADMAN」 だったら気味悪くて誰も見てくださらないだろう、ということです(笑)。
アルバム後半はさらに 『GOODBYE TO ROMANCE』 をも越えた名バラード 『TONIGHT』 も出色。オジーの歌が張りまくって冴えてるし、ギターソロも緊張感たっぷりです。
『S.A.T.O.』 は2拍3連のシャッフルリズム。“SHIP AT THE OSEAN” の略だそうですが、当時オジーと三角関係にあった シャロン・アーデン&テルマ・オズボーン の略だという都市伝説があるらしい(笑)。
ラストを飾るのはランディいわく 「カルミナ・ブラーナそのまんま」 というカンタータ風イントロで始まる 『DIARY OF A MADMAN』。
なんだこのリズムは、と何度も数えたら、なんと 7/8拍子。「ウエストサイド物語」 に 6/8拍子 というのを見たことはありますが、7拍子なんてプログレみたい。ランディの音楽的進歩とチャレンジ心、それを許容するオジーとの信頼関係の極み、という感じです。
アルバムのチャート最高位は全英14位、全米16位。
現在に至るまで新しいリスナーを獲得して売り上げを伸ばし、累計300万枚を超えていますが、永遠のロングセラーになっても驚くことではないでしょう。それほどの超名作です。
それでは最後に 「DIARY OF A MADMAN」 から、『OVER THE MOUNTAIN』 をご紹介です。