本日は、みつまめお気に入りの特撮ヒーロー作品を観たまんま放談する、「みつまめスーパーヒーロータイム映画」。

 さて、第4弾の今回は...


       「忍者戦隊カクレンジャー」(1994)


 東映スーパー戦隊シリーズ第18作目で、1994年2月から1995年2月のオンエア。
 自分が観たのはけっこう最近で、ツタヤでDVDをレンタルして観たのでした。

 

 


 現在オンエア中の 「手裏剣戦隊ニンニンジャー」 と同じく、“忍者” モチーフの戦隊第一号です。
 変身する5人は ニンジャホワイト/鶴姫、ニンジャレッド/サスケ、ニンジャブルー/サイゾウ、ニンジャイエロー/セイカイ、ニンジャブラック/ジライヤと、講談の世界の忍者の子孫という設定でした。

 史上初の女性リーダーだった鶴姫を演じる広瀬仁美さんは当時14歳で、史上最年少のキャスティング。気が強くて人使いの荒いリーダーと、責任感がなくいい加減な部下4人、というユルい戦隊。

 秘密基地的なものはなく、ネコマルというバスに乗って旅をしながら敵と戦う放浪型です。たぶん 「となりのトトロ」 の猫バスから着想を拝借したと思われます。

 カクレンジャーが戦うのは、封印されていたはずの妖怪たち。うっかりその封印を開けてしまったのはサスケとセイカイなんで、序盤のストーリーのユルさがわかろうというもの(笑)。

 ところが、コメディーチックに進んできた物語が、途中でいきなりハードタッチに変貌します。テコ入れだったのかは不明ながら、そのきっかけになったのは、ハンパない悪役・貴公子ジュニアの登場。

 演じるのは現在引っ張りだこの遠藤憲一さんで、当時はまだ売れてはいなかったはず。しかしへヴィーメタルルックにオネエ言葉、やることは極悪という強烈キャラで物語世界を一変させた存在感は、さすがのひと言でした。

 

 


 特筆は現在、ハリウッド映画 「DOA」 「TEKKEN2」 「ニンジャ・アベンジャーズ」 にどんどん主演するなど活躍中のケイン・コスギさん(当時20歳)がジライヤ役で出ていたこと。

 まだ日本語が上手くなく、英語まじりのセリフは異様な少なさですが、アクションはさすが。父親ショー・コスギさんがゲスト出演した回では、ハードなストーリーとすさまじいアクションを披露しており、一見の価値ありです(第28・29回)。
 なお、一時親子断絶がウワサになっていましたが、幸い現在はそんなことないみたいです。

 終盤、鶴姫の父親・義輝が敵幹部・白面郎として立ちはだかったり、頼りなくも不思議な影の助力者・三太夫が貴公子ジュニアに惨殺されるなどのドン引きシーンが随所にありながら、鶴姫役の広瀬さんがこの前に出演していた 「有言実行三姉妹シュシュトリアン」 のオマージュ回など、硬軟取り混ぜたストーリーが並びます。

 

 


 ラスボスの妖怪大魔王の正体は、「人間が持つ憎しみの心」 だったため、封印に成功しながらも、いずれ復活するのは間違いない、という100%大団円とはいかないエンディングも、また趣きがありました。

 最後にこの話。
 サスケを演じた小川輝晃さんは、あの東日本大震災が起きた直後、被災した子どもたちを少しでも励まそうと、ツイッター上でふたたびニンジャレッド/サスケに扮し、「今までヒーロー番組を演じた俳優すべて」 に呼びかけ、応援メッセージを送る企画を立ち上げました。
 主旨に賛同し、ツイッターにメッセージをよせた俳優さんはものすごい人数でした。

 それは4年半経った現在も継続中です → tokusatsuhero