みつまめの「このレコード聴いてみたビックリマーク
        「BORN AGAIN」
             BLACK SABBATH


 古今東西あまり関係なく、みつまめのお気に入りレコードを披露している 「このレコ!」、今回はこのバンドのアルバムです。

           BLACK SABBATH (1983)

               Vo:イアン・ギラン
               G:トニー・アイオミ
               B:ギーザー・バトラー
               Dr:ビル・ワード

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                   イギリス

 今年11月、「OZZFEST」 が再び日本で開催されます。
 前回は2013年5月でしたから、2年半ぶり2度目。ヘッドライナーの BLACK SABBATH はもう1作だけアルバムを作り、それに伴うツアーを廻ったのち完全終了することを明言しているため、これが最後の来日公演になるでしょう。

 そこで今回は、BLACK SABBATH のカタログから、“埋もれ気味の傑作” 「BORN AGAIN」 をセレクトしてみました。

 BLACK SABBATH といえば、オジー・オズボーン(1970~1978)。そしてロニー・ジェイムス・ディオ(1979~1982) の時代が有名ですが、なんとわずか1年ながら DEEP PURPLE の イアン・ギラン がシンガーを務めていた時期がありました。

 1982年の秋、ディオが当時のドラマー、ヴィニー・アピスと共にサバスを脱退すると、バンドにはアイオミとギーザーだけが残され、存続の危機を迎えました。
 そこでソロバンド GILLAN を解散しており、体が空いていたイアン・ギランに目をつけた当時のサバスのマネージャー ドン・アーデン(シャロン・オズボーンのお父さん) は、ギランをシンガーに据えてサバスを再建することを提案します。

 ギランはアルバム1枚とツアー1回きり、を条件に快諾。それは実はギランの本当の希望は DEEP PURPLE の再結成であったことと(1984年4月に実現)、サバス側がいずれオジーにカムバックしてほしがっているムードがあったため 「面倒に巻き込まれないように」 との配慮からでした。

 アルバム制作では、「出来るだけ波風を立てないように」 アイオミやギーザーと顔を合わせないようにしたというギラン。彼らがスタジオにいない時間を見計らってボーカルパートをレコーディングしたのだとか・・・さすが奇人として知られるギラン(笑)。 

 「BORN AGAIN(邦題:悪魔の落とし子)」 は1983年8月に発売され、米39位・英4位 と意外に好セールスをマーク。
 それは “サバスにギラン!?” という話題性と興味が世間にまだあったからでしょう。

 アルバムも、非常にクオリティの高い出来栄え。

 『TRASHED』、『DEGITAL BITCH』、『HOT LINE』 のアップテンポなナンバーはサバスのダークなリフにギランのハイトーンスクリームが冴え渡る、期待どおりのドッキングぶり。
 タイトル曲 『BORN AGAIN』 はサバスの暗黒リフが地獄のように響くロックブルースで、陽性のギランの声がなんとも不気味にマッチした、隠れ名曲と言えましょう。

 現在のギランは声がだいぶ衰えているし、サバス側もその気はないでしょうからディオと組んだような再結成はありえないですが、まさに1回かぎり のレアな共演作として、今後も伝説に残るであろうアルバムです。

 なお、本作は音質が良くないことで有名です。なんでもギーザーがベースを重ね録りしすぎたせいで、他のパートの音輪郭がボヤけたのだとか。ギーザーも奇人ですから・・・奇人ばっかですね、サバスって(笑)。

 それでは最後に、タイトル曲 『BORN AGAIN』 をご紹介音譜