*今回の設定は、完全にフィクションです。


 

 

 東京都新宿区の、とあるビルのいちフロアには、(株)スイーツスポーツの編集部が並んでいます。

 

 看板雑誌(?)のひとつ、「月刊スイーツベースボール」 では、プロ野球の開幕を迎え、序盤戦特集号の編集におおわらわ・・・かと思ったら、やはりいつものように暢んびりとランチタイムをとりながら、雑誌に書かない本音トークを駄弁っているようです・・・。


 

   座談会出席者:

 

  あかふく ・・・ 「月刊スイーツベースボール」 編集長。

 

  くずきり ・・・ 専属スポーツライター。プロ野球を中心に取材。

 

  やつはし ・・・ 記者。現場担当。

  

  うぐいす ・・・ 記者。フロント担当。


 

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                新聞  喫煙

 

 あかふく 「プロ野球も開幕して早半月、各チーム対戦が一巡したわけだけど、さっそく話題豊富で喜ばしいかぎりだよ。まずは日曜日、阪神の藤浪晋太郎が、昨年甲子園大会、春夏連覇を達成した思い出の甲子園でプロ入り初勝利だ。堂々としたマウンドさばきだし、長身から投げ下ろす速球のキレもバツグンだ。阪神に待望久しい本格エース候補の誕生じゃないか!?」

 

 やつはし 「前回のプロ初登板初先発だって、勝ちに値するじゅうぶんな投球内容でしたしね・・・やっぱりきちんと春キャンプを乗り切ったから、一軍でも通用するための準備ができてましたよね。高卒新人だからこのまま一年通して活躍できるとは思わないですけど、まずは上々のデビューではないでしょうか」

 

 くずきり 「きちんとキャンプやってないで一軍デビューした人って誰ですか(一同・爆笑)・・・まぁ、いちおう触れておかないといけないですけど、日ハムの大谷翔平外野手が(笑)、13日のオリックス戦で、外野飛球を追った際、右足首を捻挫して登録抹消になりました」

 

 あかふく 「投手としては二軍での登板に止まり、一軍では外野手として8番打者で起用(.278)される変則二刀流だが・・・もうそろそろ、どちらか一本に専念する決断をするべきだな、おれとしては投手で(笑)」

 

 くずきり 「専門的な技術論は、もちろん我々にはわかりようがないですけど・・・かつての安打製造機・篠塚和典さんが解説していたところによると、大谷はリーチがあるから、真ん中から外角の、バットの回転を大きく取れるゾーンでは、そこそこヒットが打てるんですって。しかし内角の変化球を打つには、脇をたたんでシャープに振らなきゃいけないわけですけど、そのためには練習で振り込むしかない、と・・・大谷は練習量が極端に足りないから、今のままでは、まー無理だろう、と言ってましたねぇ」

 

 うぐいす 「なるほどぉ・・・。実は栗山監督も、いい加減二刀流を辞めさせたくて仕方ないらしいんですけどね・・・入団交渉の際、二刀流で使うことを口説き文句の切札にした手前、フロント側から大谷に、あきらめるようとは言い出しにくいみたいです。ほんとを言えば、大谷の方からどっちかに専念します、と申し出てくれないかなぁって」

 

 あかふく 「・・・結局、本人に丸投げかよ(笑)。意外だったのは、大谷本人が二刀流でいく意識まんまんなことだよ。よっぽど練習がラクなんだろうな(笑)。打ち込みと投げ込みの、楽しい部類の練習しかしないし、絶対量は少ないし・・・長い目でみれば選手としての将来に、致命的な立ち遅れとしか思えないが」

 

 くずきり 「藤浪のように甲子園で活躍した実績がないですからね・・・それでも周囲の誰もが才能を認めて一目擱いてただろうから、昨秋の大リーグ挑戦宣言にしても、今回の二刀流にしても、つまりは “他の人と違う道をいってる” ことの自己満足に酔ってしまってるのではないでしょうか・・・」

 

 やつはし 「まぁ、大谷の話はそこまでにして・・・他のチームの新人選手も、続々とデビューしてますねぇ。ボクのイチオシは、ヤクルトの “ライアン小川” こと小川泰弘投手なんですけど」

 

 うぐいす 「なに?ライアンって」

 

 やつはし 「ニックネームなんですけどね(笑)。かつてのノーラン・ライアンにそっくりの投球フォームなんですよ。足をグイっと伸ばして、体全体で投げ込む感じが・・・171cmの小柄な投手なんですが、もうすでに先発で2勝を挙げてます」

 

 うぐいす 「へぇ、小柄なのにライアンばりの剛速球なんだ?!」

 

 やつはし 「いえ、それがそれほど速くないんです(笑)。でもボールの出どころが見にくいみたいで、ソフトバンクの攝津 正投手のように、負けない投手になれる素質じゅうぶんだと思いますよ」

 

 あかふく 「あ~、攝津は中継ぎとして新人からメチャ使いされたのに、先発に転向して沢村賞投手までに登りつめた、中継ぎ投手の希望の星だな。近年目立つ、先発100球降板のあおりで、中継ぎ投手の負担が増すばかりだが・・・おれとしては新人投手を中継ぎで過剰登板させてほしくないんだよ」

 

 やつはし 「う~ん、中日の小熊凌祐はさっそく、そのメチャ使いをされてますねぇ・・・本人は新人だから、出番があればうれしい感覚なのかも知れませんが、14試合中9試合登板は多すぎですよね(苦笑)」

 

 うぐいす 「昨年、同じく中日で新人ながら大車輪だった田島慎二は、今季あきらかにボールが走ってないです。監督なんか選手の将来なんて気にしてくれないですからね、中継ぎ投手は今や年間60試合以上が当たり前、みたいに登板過多になってますけど、球界のこのトレンドは、どうみても良くないです」

 

 くずきり 「エースと言われる先発は、なるべく完投してリリーフ陣を休ませてあげてほしいものですよね・・・あっ、編集長、そういえば土曜日に、西武の菊池雄星が楽天戦でプロ初完封ですよ!」

 

 あかふく 「そうなんだよ~、それはほんっとにうれしい。ずっと言ってるように、もうとっくにその力はあるんだよ。単に干されてただけでさ・・・でもこれで、菊地をローテーションで使わざるを得ないだろうよ。本音を言えば、球団身売りでもして首脳陣を総入れ替えしてくれれば菊地のためにはいいんだけどさ(一同・爆笑)。さっ、そろそろ作業に戻ろうか・・・」


 

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