当ブログ、年末の風物詩(化に向かってまっしぐら)、「紅白プレイバック」 企画、2012年の第4弾です。
「NHK紅白歌合戦」 を振り返るこの企画も、いよいよこれで本年ラスト。そして、思いつくままやってきました年内すべてのブログ企画の大トリでございます。
今回、1978(昭和53)年の 「第29回NHK紅白歌合戦」 をセレクトしました。
この年の歌謡界の人気の頂点であり、レコードセールス上位3曲を独占した、ピンク・レディーの “出場辞退” に揺れた出場歌手の選考。
また、この時代にしては珍しく、演歌界にヒットが出ず(放送中でも言及)、代わりに台頭してきた “ニューミュージック” の歌謡界席捲。
従来有り得なかった、“テレビに出ない大物アーティスト” が認知され始めた時期でもあり、歌謡界のひとつの転換点を窺わせる一年、と位置づけることが出来ましょう。
そんな中でも、やはり中心は、テレビを彩るスターたち。
異例ずくめの極めつけに、紅白両チームのトリには、例年の演歌の大御所に代わり、歌謡ポップス界のメガスター “あの方” と “あの方” が務めることになりました。
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第29回 NHK紅白歌合戦
1978(昭和五十三)年12月31日・NHKホール
午後9:00~11:45 ・・・ 72.2%
紅組司会 森 光子
白組司会 山川静夫(NHK)
山川アナは、1974~1982年まで9年連続で白組司会。NHKらしからぬ軽妙なトーク・・・というか、ダジャレが多い(笑)。
森 光子さんは、「放浪記」 が大当たりした1962年、一度司会に抜擢されておりました。「帰り新参」(本人のセリフ)での再登板。のちに、1984年にも3度目の司会を務めました。
今年11月、大往生されましたね。本当に、お疲れさまでした。。。
審査員には、八千草 薫さん、岩下志麻さん、北の湖関、森下洋子さん、山本浩二さん(広島カープ) に並び、こんな方も。
登山家・植村直己さん。マッキンリー登頂の、3年前でした。
紅組トップは初出場、榊原郁恵 『夏のお嬢さん』。
この人の扱いは、グラマーというか “ふくよか過ぎ” のようで、「郷(ひろみ)くんの足の長さは、郁恵ちゃんの胸囲と同じです」 ・・・今だったら民放でもNGであろう、山川アナの失礼な言い草。
白組トップは、これがすでに6回目の出場となる、郷 ひろみ 『バイブレーション(胸から胸へ)』。
この年は、TBSの久世光彦ドラマ 「ムー一族」 でも人気爆発。樹木希林さんとのデュエット 『林檎殺人事件』 も大ヒット。
岩崎宏美 『シンデレラ・ハネムーン』。
コロッケのモノマネで、おなじみの曲と振り付け。デフォルメなしに、まさしくソックリ・・・というか、たぶんコロッケさん、この映像をモデルにしてると思われます。
♪ いつでも~ふたりは~シンデレラ ハネムーン~
コンサートでこの歌を歌うと客席が爆笑する、と頭を抱えた宏美さん、いっとき、コロッケさんに 「もうこの歌、あげる」 と言ったらしい(笑)。
デュエットの超定番 『カナダからの手紙』。歌うは、平尾昌晃 大先生と、門下生・畑中葉子。
♪ ラブレター フロム カナダ~(←ねとつくようにww)
ロカビリーのスターから、作曲家の転身して、数々の名曲を生んだ平尾先生、現在でも氷川きよしさんに曲を提供するなど大活躍。畑中さんは・・・このあと、いろいろたいへんでした(笑)。
それにしても、この衣装のセンスたるや。’80年代以前の歌謡界って、意外に衣装の面ではダサ・・・いや、無頓着ですね(笑)。
石川さゆり 『火の国へ』。
『津軽海峡冬景色』 での初出場は前年でした。
この頃の演歌歌手は、ドレス姿が多いように見受けますが、いつから全員、着物姿で歌うようになったんでしょうかね。
デビュー当時は、桜田淳子さんの二番煎じ的売出しだったそうです。今もって、息長く活躍中。
2度目の出場、狩人 『国道ささめ雪』。加藤邦彦・加藤高道さんの兄弟デュオ。
NHK 「レッツゴーヤング」 内のオリジナルグループ “サンデーズ” からデビューした、都倉俊一門下生。
『あずさ2号』、『コスモス街道』 のイメージが強烈ですが、良い曲をたくさん持ってるデュオです。この歌も実にイイ。現在、また兄弟での活動を再開した様子です。
紅白両チームの応援団長を務めたのは、浅茅陽子と西田敏行。
浅茅陽子さんは、NHK朝の連続テレビ小説 「雲のじゅうたん」 のヒロイン。西田さんは、この年 「西遊記」 の猪八戒役で人気爆発でした。
ふたりとも、全歌手の応援に八面六臂の活躍。たぶん、この日の出演者でいちばん労働量が多かったことでしょう(笑)。
研 ナオコ 『かもめはかもめ』。
1976年の 『あばよ』 がチャート1位に立つ大ヒットになったものの、大麻所持法違反で、芸能活動自粛。これが復活の年になりました。
「いろいろあったけれども、見事に舞い上がったかもめさん」 と森さん。以後、歌手としてもタレントとしても絶頂期を迎えます。
♪ かもめはかもめ 孔雀や鳩や まして女にはなれない
・・・中島みゆき節、全開。
野口五郎 『グッドラック』。
新御三家のなかでは最も早く紅白に出場したので、これが7回目。この年は 『愛よ甦れ』 『泣き上手』 と併せ、すべてヒット。TBS日本レコード大賞・金賞を受賞しました。
♪ 男は心に オーデコロンをつけちゃいけない わかってくれよ
いい歌詞だ~・・・・・・でも、どういう意味??笑
芹 洋子 『坊がつる賛歌』。
「NHKみんなのうた」 の常連で、実にあたたかい歌唱の方です。『四季の歌』 や 『思い出のアルバム』 が有名でしょうかね。’90年代に交通事故で記憶喪失になるも、見事復活。
角川 博 『許してください』。
美空ひばりさんのモノマネが得意で、バラエティ番組でまず人気に。その後は歌手に専念したい、といってモノマネは封印してしまいました。
’90年代は、津山登志子さんとの泥沼離婚劇がワイドショーで話題に。本業以外で、芸能史を飾ることの多い方です(笑)。
桜田淳子 『しあわせ芝居』。
“花の中三トリオ” も、それぞれ方向性が散らばっていったなか、中島みゆきさんが書いたこの曲で、大人な雰囲気が出ました。
♪ わたしみんな気づいてしまった しあわせ芝居の舞台裏 電話するのはいつもわたし あの人から来ることはない
・・・中島みゆき節、またしても全開(笑)。
西城秀樹 『ブルースカイブルー』。
『ヤングマン』 の前年ですが、このスケール大きいバラードも名曲。現在、二度の脳梗塞に襲われるも、カムバックを果たしました。
♪ あの人の指にからんでいた ゴールドの指輪をひきぬき この僕とともに歩いてと 無茶をいったあの日
この時代、なんと素晴らしい歌詞の歌が多いことでしょうねぇ。稀代の名作詞家・阿久 悠さん、おそるべし。
まだまだご紹介したい歌が多いですが、ひとまず今日はこの辺で。次回が、今年最後の紅白プレイバック企画でございます。
1978年編の後半、ご期待ください(*^o^*)/~。