当ブログ、年末の風物詩(になったらいいなぁ)、「紅白プレイバック」、2012年の第2弾でございます。
先日、今年の 「第63回NHK紅白歌合戦」 の出場者が発表になりました。
これからだんだんと、当日に向けて2012年の歌謡界総決算ムードが高まっていくことでしょう。
今回は、1973年(昭和48年)をセレクトしました。
なお、自分の生まれていない年ですが、すべて伝聞調にする煩瑣を厭い、“さも見てきたような” 書き方にします段、平にご了承ください。
昭和48年の暮れ、列島を覆うは、未曾有の “オイルショック”。
原油価格の高騰は、諸色物価の上昇を招き、中でもトイレットペーパーに代表される、石油製品の買占め騒ぎも相俟って、消費生活は不穏の度を増していました。
同時に土壌汚染・光化学スモッグなどの “公害” 問題も噴出し、折からのエネルギー不足に見舞われた煽りで、この冬は電力供給に不安を残し、“節電” “省エネ” が合言葉に。
中でも電力不足は深刻で、翌年のプロ野球は、ナイターを廃し、すべてデイゲームにする発表が一時、されたらしい(結局、実施はされず)。
言い様のない社会不安は、“世紀末ムード” を漂わせ、ノストラダムスの大予言、UFO、UMAもろもろのオカルトブームに結びつきます。
大晦日、紅白のステージは、そんな社会現象が実によく反映された、興味深い演出がなされる一方、時のスターも多士済々、現在にまで伝説を残す数々のヒット曲が披露されていました・・・。
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第24回 NHK紅白歌合戦
1973(昭和四十八)年12月31日・NHKホール
午後9:00~11:45 ・・・・・・ 視聴率 75.8%
紅組司会 水前寺清子
白組司会 宮田 輝 (NHK)
チータこと水前寺清子さんは、昭和43年以来二度目の司会。伝説の名アナウンサー宮田 輝さんは、昭和37年から連続の大役。
結果的にこの年が最後の司会になり、翌年から山川静夫アナにバトンタッチ。その山川アナも今紅白で、総合司会的なポジションを務めました。会場のNHKホールは、この年落成。
審査員には、関脇・北の湖、バレーボールの生沼スミエさん、漫画家サトウサンペイさん などに混じって、こんな方も。もはや歴史上の偉人、版画家の棟方志功さん。
両チーム、応援団長には、和田アキ子さんと、三波伸介さん。三波さんは、当時 「笑点」 の司会者でした。
紅組トップは、小柳ルミ子 『漁火恋唄』。
この方、10代の頃はタレ目だったんですが、だんだん目がつり上がっていきました、理由は不明(笑)。
しかし・・・照明が抑え気味のため、画像が暗い暗い。。。
当時史上最年少、15歳の森 昌子 『せんせい』。
“たわし風ヘア” としておなじみの髪型(笑)。
野口五郎 『君が美しすぎて』。
♪僕の心を乱さないで 間違いが起こりそうさ
・・・なんと奥ゆかしい歌詞。西野カナにはぜったい書けまい(笑)。
沖縄出身アイドル 南 沙織 『色づく街』。
前年に沖縄県は、本土復帰。のちに写真家の篠山紀信さんと結婚して引退。
ということは、篠山輝信さんのお母さんですね。
宮田 輝さん、自転車に乗って登場。
「公害に明け、石油で終わる今年、自転車がずいぶん売れたそうです」 こんな何気ないワンシーンにも、時代の息吹を感じます。
“ムッシュ・マチャアキ ”こと 堺 正章 『街の灯り』。
「(節電のため)街の灯りはさびしいですけど、あったかい人のともしびは、いつまでも絶やしたくないですね」
との紹介コメントでした。
予言ブームということで、三波伸介さん、占い師の扮装。
「(昭和48年)12月1日に地震が起こるとかでだいぶ騒ぎましたけど、何事もなくて良かったですねぇ」 と宮田さん。
朱里エイコ 2回目の出場で 『ジェット最終便』。
羽田~那覇 の直通便 開通にちなんで、ハイビスカスの花を手に。ラスベガスを拠点に活躍した異色の歌手で、この時期だけ、日本の芸能界で活動しました。
久世光彦ドラマなどでもおなじみの、伝説の喜劇俳優 伴 淳三郎さん。神主に扮して、白組勝利を予言して言うには、
「砂糖は白、塩も白、トイレットペーパーも白、パンツのゴムヒモも白・・・」
これらぜんぶ、当時、買い占め騒動があった消費物らしい。それも、ほとんどがデマの域を出なかったとか。われわれは昨年、まったく同じことを繰り返しました。。。
美川憲一 『さそり座の女』。
この有名曲、この年なんですねぇ。まだ男らしい風貌です(笑)。
紅組応援リーダーとしても大活躍の和田アキ子は4回目。
1970(昭和45)年にヒットし、紅白初出場を果たした思い出の曲、『笑って許して』 を歌いました。
♪笑って~許して~ (アッコ!)
応援ゲスト、月の家円鏡(現・橘屋円蔵)。
「もう大変なんすから」 「よいしょっと」 のギャグが有名。あと 「うれしいと、メガネがくもるんです」 はCMでしたか(笑)。
元祖ジャニーズアイドルのフォーリーブス 『若いふたりに何が起る』。
ここのタレント、色違い衣装が好きですねぇ(笑)。北 公次さん、江木俊夫さん、青山 孝さん、おりも政夫さん。
パッパッパヤッパ♪ 金井克子 『他人の関係』。
「坊っちゃん、お嬢ちゃん、お待ちどうさま」 と紹介を受け、大流行の “フィンガーアクション” を披露。歌詞のドギツい内容のわりには、子どもウケが良かったようです。
由美かおるさん、奈美悦子さんも輩出した、西野バレエ団最大のスター。
長い下積みを経て、念願の初出場 八代亜紀 『なみだ恋』。
応援に駆けつけた新宿商工組合の人たちも大喜び。しかし応援団長和田アキ子、その人たちに向かって 「亜紀ちゃんの素顔、見たことある?」
・・・厚化粧キャラ、このころすでに(笑)。
チェリッシュ 『てんとう虫のサンバ』。
結婚式の超定番ソングは、この年のヒット曲でした。松崎好孝さん、松井悦子さんの夫婦デュオですが、この頃はまだ、結婚はしていませんでした。
この年は盛りだくさんなので、まだまだご紹介したいものばかり。本日はここまで。続きはまた次回です。
それではごきげんよう(^-^)ノ~~。