9月3日付記事に引き続き、8月30日 日本初回放送のWWE PPV 「SUMMERSLAM(サマースラム)」 の感想です。
PPVの結果・内容に触れております。
これからご覧になる予定の方はご注意ください。
現地8月19日、カリフォルニア州ロサンゼルス、ステイプルズ・センターでの開催です(観客17842人)。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
・WWEタッグ王座戦:コフィ・キングストン & R-トゥルース vs タイタス・オニール & ダレン・ヤング
若手育成番組 「NXT」 出身のタッグチーム、オニールとヤングの <プライムタイム・プレイヤーズ> が、敏腕エージェント、AW(エイブラハム・ワシントン)の後見を得て初のタッグ王座獲得に挑む・・・はずが。
・・・あれっ、入場からAWがいない?!
しかも実況でも、AWの不在について言及もしない。
さては何かあったな(爆)。
ドラッグチェックに引っかかって出場停止か、何かのトラブルで解雇か・・・。
WWEでは、いなくなった出演者は、最初から存在しなかったごとく “消去” されてしまうことから、毎週出てたはずの出役の不在に触れないのはどう考えてもおかしい(笑)。
何があったかは知りませんが、ふつうはビッグイベントまでは出しますよねぇ。
いきなり出役を消してしまう強引さ・・・さすがWWE、というべきか。
そんな挑戦者チーム、当然勝つわけがなく、王者チームの磐石防衛。
ことによったら今回、王座移動がありえた感じだっただけに、舞台裏事情だけが気になる試合でありました(笑)。
・WWE王座戦・トリプルスレットマッチ:CMパンク vs ビッグショー vs ジョン・シナ
RAWで行われたシナvsビッグショーの次期挑戦者決定戦で、CMパンクが試合を妨害し、勝負がつかなかったことで、番組新GM、AJ・リーが三つ巴戦を決定。
自身が敗れずとも王座転落の可能性がある不条理ルールに、自業自得のくせにパンク大激怒。
昨年11月から長期安定政権を誇る王者に敬意を示せ、と不満を爆発させる。
・・・という流れですが、このシリーズから、絶対的ヒーローだったCMパンクが、ヒールにシフト。
実は、たしかに昨年11月から9ヶ月に渡ってWWE王座を保持し続けるパンク(歴代のべ110人中、17位の長さらしい)ですが、PPVのトリを飾ったのはたった1回・・・レッスルマニアをはじめ、ほとんどのPPVで、丸腰のジョン・シナがメインイベントを闘っている事実。
団体のガチな評価で、まだそこまでの信頼がないのか・・・ノーTVの週末ライブショーでは、必ずメインイベントでタイトルマッチを闘っているパンク、「テレビ放送の最後の画面に映っているのは、王者であるべき」と、しごくもっともな主張を掲げるのも理由があるというものです。
おそらく、ソーシャルネットでも、毎回パンクがメインイベントでないことが囁かれていたはず・・・それを逆手に取ってのパンクのアジテーションだとしたら、したたかなストーリーです(笑)。
迎えたトリプルスレットマッチ、パワー全開のビッグショー、序盤からパンク、シナを圧倒する強さ発揮で試合の主導権を握る。
仕方なしにパンクとシナは共闘し、まずはビッグショーを崩すことに専念。
ハイライト、パンクの関節技・・・吉田万里子の<蜘蛛絡み>みたいなホールド技でビッグショーを締め上げると、シナがそれに乗じてSTF!
ふたりがかりのサブミッションに、たまらずタップアウトのビッグショー・・・勝利宣言のパンクとシナ、いったい勝者はどっちなんだ?!
当然ながら、互いに勝利を確信し、譲らぬ両者。
会場騒然、レフリーも収拾がつけられないなか、GM、AJがスキップを踏みながら登場し、たったひと言・・・「Continue!」
試合再開、復活したビッグショーがチョークスラムで二人まとめてKOし、とどめの特大パンチを放つも、間一髪かわしたシナが、必殺アティチュード・アジャストメント(デスバレーボム)で豪快にビッグショーを投げ捨てる!
そこへ! 疾風のごとく割り込み、シナを場外に放り投げたパンクがそのままビッグショーを押さえ込むと、カウント3!!
パンク、勝利を強奪する体で王座防衛!
頭脳プレーというべきか、王者らしからぬセコさというべきか・・・。
「王者に対する敬意」を要求し続けるパンク、まったく敬意を得られそうもない勝ち方で王座キープ、というパラドックスな結果でありました。
勝利をかっさらわれたことに呆然のシナ、軽蔑しきった視線の先には、必要以上に王座防衛を喜ぶパンク・・・こりゃ~、まだまだパンクの王者時代は終わりそうにないですねぇ。
しかし!
この試合は、やはりメインイベントではございませんでした(爆)。
・メインイベント トリプルH vs ブロック・レスナー
そして今年のサマースラムのトリは、4月に衝撃のWWE復帰を果たしたブロック・レスナーの、ジョン・シナ戦以来4ヶ月ぶりとなる復帰2戦目でした。
正直なところ、WWEはどこまでレスナーの商品価値を本気で評価しているものか、今もって量りがたい部分があります。
復帰したとはいえ、8年前の退団の直接の原因だった「ツアー疲れ」はそのまま・・・つまり、ライブショーフル参加はせず、あくまで “ときたま登場のゲスト” に過ぎないようです。
ということは、継続的なストーリーを組むことは不可能。
どうしても、対戦相手は今回のトリプルHのように、普段、番組でのストーリーに関わっていない大物レスラーしかありえない、ということです。
ともあれ、レスナーが以前在籍した2002~2004年当時、トリプルHとの対戦は実現しておらず・・・興味深い顔合わせであることは事実。
リアルファイターの雰囲気を纏うレスナーと、生粋のプロレスラー・トリプルH・・・いったいどんな試合になりますか?!
いよいよゴング・・・前週RAWで、トリプルHの親友ショーン・マイケルズの腕を折るなど、その威力を存分にアピールした必殺の関節技・キムラロック(実況でもそう言ってました)を執拗に狙うレスナーと、それをブロックしつつ、得意のラフファイトに引きずり込もうとするトリプルHの、緊迫感漂う序盤戦。
試合前、レフリーに反則裁定、カウントアウトを廃止するよう求めたトリプルH、言葉どおり場外での長い乱闘でレスナーの腹部にダメージを与え、反撃の糸口を得る(しかし場外カウントを数えないと、けっこうテンポがダレることがわかりました・笑)。
次第に丸め込みや、ロープワークなど、純プロレス的攻防に移行するも、試合の緊迫感は落ちず・・・。
トリプルHというレスラーは、試合運びやムーヴに関しては、特段優れてるようには見えませんが、こういった・・・“試合に緊張感を出す” ことにおいては卓越しています。それは表情だったり、もって生まれた “シャレが効かなそうな雰囲気” だったり・・・トップレスラーの資質とはこういうものか、と思わせるものがあります。
クライマックス、ついに炸裂した両雄の必殺技、ぺディグリーとF-5を、お互いカウント2でキックアウト!
レスナーが再三狙っていたキムラロックも、トリプルHがレスナーの痛めた腹部にパンチを入れて脱出。
そして、キレイに決まったトリプルH、二発目のぺディグリー・・・しかし体を入れ替えたレスナー、今度はガッチリと、キムラロックで締め上げる!!
尋常でない角度で捻じ曲げられた左腕に、トリプルH、無念のタップアウト!!
意外(?)にも、レスナー勝利・・・トリプルH、左腕のダメージは深いらしく、だら~んとさせたまま動かすことが出来ず・・・。
狂喜のポール・ヘイマンと、腹部を押さえつつさっさとリングを去るレスナー。
まさかの敗戦と、リングに横たわったまま動かないトリプルHに、満場し~ん・・・サマースラムには珍しいバッドエンディング・・・。
やがて、ようやく立ち上がると、万雷の拍手に送られて、周囲を見渡しつつ名残惜しそうにリングをあとにするトリプルH。
入場ゲートから会場を去る際、右手を振ってグッバイ、のサイン。
もしや、これがトリプルHのラストマッチだったのか・・・?!
もっとも、団体の重役であり、すでにレスラーとしては第一線を退いてるトリプルH、“引退” と言われても、あまりピンと来ない感はありますが・・・。
そして、勝利したとはいえ、今後の展開はまったく見えないレスナー・・・果たして次回の登場は、抗争相手は誰なのか・・・と思ったら、翌日RAWで、もう試合をする予定はない、と退団宣言(笑)。
それはたぶん、今後もライブショーには参加しないことを視聴者にさりげなく告げたものだと思われます。
しかし・・・観終わったあと、ぼぅっと固まってしまうようなバッドエンディングでありました。
WWEでは、わりとこういうPPVはありますが、勝ったレスナーの今後の展開が見えない分、???だらけ。
レスナーの株を上げさせ、“団体の顔“ トリプルHに大きな傷をつけたWWE、思い切ったことやるなぁ・・・。
長々お読みいただきありがとうございました。
それではこの辺で(・∀・)/。