日本初回放送4月12日、現地4月1日のアメリカン・プロレスの祭典 「レッスルマニア28」 の感想を書いています。
これからご覧になる予定の方は、ご注意願いますm(u_u)m。
4月16日付記事のつづきです。
フロリダ州マイアミ、サンライフ・スタジアム(観衆78363人)での開催です。
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・ヘル・イン・ア・セルマッチ:アンダーテイカー vs トリプルH
“THE END OF ERA” と銘打った、現役レジェンドレスラー同士の大勝負。
近年はリングに上がる期間が、欠場期間よりはるかに短くなったアンダーテイカー、今年はついに、昨年レッスルマニア27以来、丸1年ぶりの試合出場になりました。
祭典では過去19回出場して、すべて勝利。出場回数・連勝記録ともに前人未踏です。
トリプルHは、ビンス・マクマホン会長の娘、ステファニーと結婚後、団体を運営する側に参画し、これまた近年は現役レスラーとしては一線を引いた恰好。
この “普段の番組には出てこない” 大物レスラーの試合が、年に一度の大舞台の目玉カードになっていいものなのか・・・よその団体の大物レスラーの参戦に頼りきる “ビッグマッチ病” に陥り、日常の興行の集客力を低下させた日本の某団体の落日をみると、余計な心配をしてしまいます(笑)。
閑話休題。
昨年、勝利したとはいえ、完全KOされて担架で退場、試合に勝って勝負に負けた恰好のテイカー(そのせいで一年欠場・笑)、トリプルHと完全決着をつけるべく、再戦を要求。
しかしトリプルHは、「経営側の人間として、商品価値の高いテイカーを潰したくない」 と、上から目線で要求を却下。再戦したら自分が勝つに決まってる、と言わんばかり。
そこに登場した “HBK” ショーン・マイケルズ。2009年のレッスルマニア26でテイカーに敗れ、それが引退試合となったかつてのWWEのトップにして、トリプルHの師匠兼相棒。
HBKに再戦をうながされても、首を縦に振らないトリプルH。
それが一転、挑戦を受けるきっかけになったテイカーのひとことは、「おまえは永遠にショーンを越えられない」。
これが王者歴13回、WWEのCOOトリプルHのいちばんの泣きどころだったらしい。
HBKの果たせなかったテイカーの祭典連勝記録ストップを達成し、“一時代を終わらせる” べく、天井付き金網戦=ヘル・イン・ア・セルでテイカーに挑む!
特別レフリーはショーン・マイケルズ。
自らテイカーの連勝に終止符を打つカウントを叩く、と不敵な笑み。
それにしても、最初の登場時には穏やかな表情で、「引退後久しぶりにファンの前に出られてうれしい」と殊勝に涙ぐんでいたHBK、この頃にはすっかりしゃべりのトーンが変わり、顔つきも現役当時に戻っていました。すごい役者だ(笑)。
ついに迎えた決戦のとき。
テイカーは髪を切り、なんと五分刈りソフトモヒカン。
レザーのロングコート姿は、まるでロブ・ハルフォード(JUDAS PRIESTのVo)。
会場のリングは、椰子の木をあしらった太い円柱が四方に立てられ、その上に照明設備と金網がセッティングされていました。試合直前、不気味な低音とともに降りてくる金網は、それだけで立派なショータイム。
試合は、期待を遥かに上回る大激戦。
昨年の同一カードではやや展開が重ったるい気になりましたが、今回の方がふたりともいい動き。
この域のレスラーになると、試合勘、というものは関係ないようです(笑)。
動向が注目されたレフリーのショーン・マイケルズ、その役割りは・・・“表情”。
ふたりの潰しあいを、あるときは感嘆し、あるときは見ていられない、とばかりに目を伏せ、カウント2・9ギリギリのキックアウトに驚嘆し・・・約8万人の大会場なのに、スクリーンに映る “顔” で、衆目を引きつけていました。すごい役者だ(笑)。
近年、連勝のかかるテイカーの試合は、いかに “負けるかも知れない” と視聴者に思わせるか、に苦慮してきたWWE。
今年勝てば20連勝。さすれば、まず勝つだろうとは、誰でも思うところ。
しかし・・・今回はホントに、負けか!? と身を乗り出すシーンをいくつも用意しており、エキサイティングな展開でした。
極めつけは、試合中にテイカーの攻撃を受け、激昂したショーンが、テイカーにスウィート・チン・ミュージックを見舞い、続けざまにトリプルHの必殺ぺディグリー!
決まったかと思いきや、それでも返すテイカー!!
パイプ椅子で徹底的に痛めつけ、とどめにスレッジハンマーまで持ち出したトリプルH。
それでも魔人のごとくムクッと起き上がるテイカーに、吹っ飛ぶように後ずさりするトリプルHとショーン・・・・・・すごい役者だ(笑)。
終盤、大復活したテイカーは強かった。
過去22年で、いちばん強いアンダーテイカーだったかも。
キレのある怒涛の攻撃でトリプルHをKOし、反撃のハンマーも余裕で受け止め・・・それでも戦意を喪わないトリプルHに、無慈悲のハンマー一撃! そしてとどめのツームストーン・パイルドライバー!!
ついについに、長い熱戦が決着。
大観衆大興奮の、クライマックスでした。
試合後、テイカーはショーンとふたりで喪神したトリプルHを起こし、3人で抱き合うシーンは・・・感動的でしたが、テイカーのキャラじゃないので、ちょっと違和感(笑)。
“THE END OF ERA” を体現しきった、という意味でも、大会屈指の名シーンではありました。
今後、このふたりがまた番組に登場することはあるのか・・・また来年のレッスルマニアだったりして(笑)。
まぁ、テイカーのキャラクターでは、引退といってもピンとこないし、団体側の人間であるトリプルHにしても、引退という言葉に説得力なし。
しかし、あまりに他のレスラーとの絡みがなさすぎるこのふたりの試合が、大会のなかで異質にみえたのは事実。
プロレスの世界において、世代交代はかくもむずかしいものか、と思わずにいられません。
・・・たった1試合分なのに、長くなりすぎました・・。
今日はこの辺で。
あと3試合あるので、次回にサクサクと書き切ります(笑)。