ミュージカル「モーツァルト!」

@博多座

2024/11/28(木)17:30

2024/11/30(土)12:00



古川ヴォルフらの前楽と大千穐楽を、無事に見届けてきました!

遅ればせながら、感想です。




※キャストは2回とも同じ組合せ



紛うことなき集大成。
最高でした…!!!!!


古川ヴォルフの1期目は、2018年の2月に製作発表会見、5月に初日。
古川雄大くん演じる4代目ヴォルフガングが誕生してから6年、3期にわたって同役を演じてきた彼ですが、今回で(ほぼ)卒業だと最初からなんとなく話はあって、だけどまだ信じられない信じたくない気持ちがありました。

でも、11月28日。帝劇以来およそ2ヶ月ぶりに彼のヴォルフガングを目の当たりにして、ああこれは本当に卒業なんだろうな…と思わざる得ませんでした。
それくらいのところまで来ていた。
いや、帝劇のときから頭のどこかではわかっていたのかもしれません…

1期目を最初から観てきた人間としては…
たった3期で、誰がみても堂々と卒業できるような仕上がりに至るなんて……正直2018年にはとてもそんなことは思えなかったです。なんなら2期目の2021年もそう。
どれだけの努力や、奇跡の積み重ねで成り立っている今なのか……凡人には想像も及ばないけれど、舞台上の姿がすべての答え。
客席でダイレクトに感じるすべてが、私にとっても『すべて』です。

さて、
幕開けの『奇跡の子』から終始胸がいっぱいで、涙が止まらなくて大変でした。
歌詞が、思いのひとつひとつが、美しく一本筋が通って、こんなにも真っ直ぐに届くものなのかと身が震えた。

「子どものままなら!」というパパの叫びは、ある種の心底からの思いなんだろうけど、それでも成長はたまらなく嬉しいものというのもきっと事実で。
男爵夫人の奥で、アマデにピアノを教えながらセットごと捌けていく様子が切なくも愛おしい。大千穐楽では、市村パパの教えるジェスチャーがとびきり大きくて、それ何をしてるんや!?って感じだったなー(笑)

そして登場する在りし日のヴォルフガング。

胸筋は少し減ったもののフェイスラインがふくふくしてて、元気そうな古川くん。久しぶりの板の上の推し…しみじみ良いものですね……!


あまりにも無邪気で無敵の『僕こそ音楽』。


芝居だけど芝居じゃない。

どうみてもそこに生きているし、

喋るように、語りかけるように、鳥のさえずりのように鮮やかに滑らかに歌うんだからたまらないな…!

全体的に古川ヴォルフの体の動きはかなり減っていて、溌剌とした表情とは裏腹に、僕ミュのラストも片手すら広げてなかった、でもそれが自然だった。(大楽は少しだけ動きが大きくなったかな。大楽サービスって感じでしたね。ヴォルフだけじゃなくみんなそう)


一周まわって、削ぎ落とされて研ぎ澄まされて、ものすごい進化を遂げて『古川ヴォルフの初演の頃の原点』に戻ったかのような感覚をおぼえました。


帝劇後半では、影逃や混乱〜悔悟〜星金リプライズなどの随所で細かい手指の動きの表現や、不安定な精神をあらわすような仕草がありましたが、

ほとんど全部この博多座ではなくなっていました。

省エネになったとか、調子が悪かったとか、そういうことではまったくなく、ただありのままに生きて存在しているヴォルフガングの説得力が増したから、いつしか自然とそのような変化をしていったんじゃないかな。

そこに立っているだけで全部伝わるような雄弁さがありました。


ピアノソナタから『残酷な人生』のあの一連のシーンは改めて大好きでした。日常から地続きの転げ落ちるような絶望と美しい音楽。

星金の前。踊り子を追いかけるヴォルフは前楽ではまた階段を踏み外しかけてて、なんだかそれすら余裕で芝居に組み込んでてさすがだった。
大楽では、場面が変わったときからセットの上のほうで最初から腹這いにスッ転んでるかのような体勢でスタートしてて笑っちゃった。
借金のくだりで最後にヴォルフの首を締め上げようとするパパ…いやそれはやりすぎというか、首はちょっとその後の物語の展開とダブる部分があるからやめてほしかったかなー
涼風真世さんの男爵夫人が歌い上げる『星から降る金』は圧巻の一言。エゴイスティックでありながらも、周囲が思わず惹かれてしまうような魅力に溢れてました。利己を隠そうともしない感じは、なるほどパパや姉はヴォルフを守らなくてはと感じるだろうな…と思わされた。
「時が来たら〜ここから出ていくぞ」の古川ヴォルフが腹の底というか、全身を使ってグッと屈み込んでから伸び上がるようにしながら歌うところ、好きだったな…!

「観客の拍手が好き」で、大楽は過去イチの完璧な客席拍手の揃い具合でした。シカネーダーさんもそりゃあ「最ッ高…!!!」と言ってくれちゃうよね。
チョッピリ〜もすごい盛り上がるし拍手や手拍子のタイミングが揃いまくり。訓練されたおたくたちでした。
いつぞやには古川ヴォルフは少し戸惑ってた片手と片手を合わせてのハートもすんなり作れてたね。

プラター公園でコンスのスカートの中を覗くことへの執念がすごい古川ヴォルフに笑った。
大楽で、寝転んだ姿勢から引き上げてもらおうとしつつスカート見上げてるのはコラッて感じ(笑)
シンプルに削ぎ落とされていった古川ヴォルフと呼応するように、真彩コンスタンツェも純粋は思いがすべての原動力のようになってたな。
希帆さんのお芝居も歌も本当に大好き。古川くんと通じるところのあるような、瞬発力と生きた芝居の人だなと思います。歌もめっちゃうまい。ダンやめのラスト、大楽は羽にキスでしたね。

1幕ラストの『影を逃れて』が、帝劇から一番印象が変わったかもしれません。
アマデとの対峙というよりは、アマデを通して自分自身との対峙にシフトしていたというか…そのことがより明確になった印象でした。
「死ぬのは怖くない」という歌詞が、言葉と裏腹でした。明らかにそれを口にすることにためらいと恐れがあってハッとしました。
それでも音楽への愛と、自由を求める心は本物で、…「影から自由になりたい」の絶唱には涙が溢れてきちゃうよ…
普通に泣きながらロビーをヨロヨロ歩くおたくですみません。やはり私は幕間に食事は喉を通らん…

2幕。
『ここはウィーン』も大好き。きらびやかで、優雅に振る舞いながら対立する貴族たち。とりわけ朝隈さんがコミカルで良いお声で素敵でした。
彼のベルヒトルトも良かったな〜めちゃ神経質でモラハラ!って感じで。対する大塚ナンネールも素晴らしかった。
ウェーバー家のみなさんも大好きでした!
シングルキャストで長期公演を戦い抜いた皆様に心からの拍手を。本当に無事に終えられてよかったよね…だからこそ1幕だけになってしまったあの1回が悔やまれるところはあるけれど。


話を戻します。
愛していれば〜の前、駆け込んでくるコンスを招く窓…もとい扉。博多座では引き戸タイプになってた(笑) 横に開けて閉める動作をする古川ヴォルフ。あの場面、帝劇ではキスしたそうすぎない?って距離感と表情だったけど、博多座では少し落ち着いてたね。

『友だち甲斐』の場面で、古川ヴォルフがお金の入った袋をピアノの上に雑に放り投げるようになってました。(帝劇ではポン、と普通に置く感じだった)さっきまでの「姉さんに送るよ」が放り出されてあっという間に作曲に夢中になる様子がよく現れてた。
古川ヴォルフは今この瞬間の欲望に忠実で、それゆえの残酷な部分があって、だけど「このままの僕を愛して」という思いだけが昔から変わらない。でもその願いが叶わなそうだということは、たぶん早い段階で彼自身も察していたんだろうなと思います。

『何故愛せないの?』の最後、踵を返す葉奈アマデの勝ち誇ったような軽蔑を内包したような表情がやばすぎた前楽。最高。今期の推しアマデは彼女でした。9歳…すごすぎんか…!??(大楽カテコでの「お客様の拍手が大好きでした」の短い挨拶の間にブワっと涙が溢れてきてた彼女に、客席ももらい泣きでした。)
アマデに置かれた手を、振り払わないけど明らかに嫌そうというか…諦めというのかな、あの場面のヴォルフも本当に本当に最高だった…!

借金の手紙〜星金リプライズあたりも、削ぎ落とされた感じ。そこに生きて存在している人間としての確かな温度…一見シンプルにみえるけれど練度、精度、密度がグッとあがってた。

『破滅への道』は、この曲が新たに入った頃から考えると凄まじい進化を遂げた曲になったと思います。ショーストップまでいったもんねえ…

猊下はヴォルフの才能の特別さを心底から理解していた唯一の人だったかもしれなくて。

山口祐一郎さん演じるコロレドと古川ヴォルフの銀橋での対峙、めちゃめちゃ良かったですね。破滅への道であっても、彼の行く道を認めるしかないというような……ヴォルフの意志を尊重し讃え送り出すようなラスト。互いに浮かべる微笑みは、役を超えたところにある彼らが見えるようでした。


あずま屋での遠山シカネーダーがヴォルフガングにおくる「頑張れよ!」などの言葉も、とっくに意味が違って聞こえてくるというかダブルミーニングというか…でしたね。この舞台の最終盤へ向かう、最後のヴォルフガングを生き抜く古川くんへのエール。


レクイエムどころか、もう何も書けないことを察していて、M!M!でも全然書かない古川ヴォルフ。

演出的には、楽曲にのせて激しく葛藤しながら書くみたいな雰囲気がオーソドックスなんだと思うけど…前楽がとくに無って感じでした。だけど濃密で、何も足りないところがない、そんな凄み。

アマデから羽ペンを差し出されたときの古川ヴォルフの微笑みがあまりにも美しくて…あの瞬間に『彼』の人生が報われるようでした。

ラストの僕ミュは掠れ、途切れ途切れで声にならない。だけど、音が、思いが、全部キラキラと輝いて空間すべてを満たしていった。

大楽での、ヴォルフガングからアマデが羽ペンを手に取って、向き合う間。ひときわ長かったなと思います。永遠みたいだった……永遠になったんだよね、きっと。


ナンネールが箱を開けて溢れ出す音楽に、改めて「終わりのない音楽がこの世にあるかしら」を確認しました。
「ある」、という答えがそこに差し出される。
たどり着く。
だって、今、見えて、感じられていることがすべてだもの。

フィナーレの影を逃れて、最後の最後までオクターブ上げやフェイクのアレンジは一切ありませんでした。だろうな、という感じ。いくらでも歌えるようになって尚、古川くんが今期に目指すヴォルフガング像に沿ったものであることが何より優先…というかそれがすべてでしたね。
私の好きな芝居で、考え方で、しみじみ嬉しかった。
初めて出会ったあの瞬間にここまで予見できたわけでは勿論ないけれど、でもこの目に狂いはなかった…!と思うし、私は私自身が生で見た感じた空気を信じているので。誰かの感想、誰かの言葉じゃなく自分の言葉にしないと意味ないよね!という思いのもと、今もこのブログを書いてます。(なかなか書き終わらなくてめげそうです。あとちょっと!)

大楽カテコはボリュームたっぷりでした。
「この作品は僕にとって本当に特別で、もうこんな役には出会えないんじゃないかという不安さえある」って話が特に印象的で、古川くんが本当に本当に大好きな役で作品だったことを改めて感じました。帝劇の初日では「一番好き」と語った部分のカテコ映像がカットされてたけど、結局ライブ配信でそれ以上の言葉でお届けされちゃったね。(たぶん、確認とった上で喋ってる)(どうなるかなーと思ってたイケコも登場したし、彼への感謝の言葉も全部配信に乗っかった)
特別な役を超えて、また新たな旅に出る…そんな決意と頼もしさもありました。
祐様と突然はじまった闇広の動きに沸き立つ客席でオタクがあぶり出されるし、涼風さんの「昔妖精、今〜〜?」の謎C&Rで動揺するオタクたち。情緒がめちゃくちゃです。
千弘さんには「感謝してもしきれないことがある、ここでは言わないけど」とかも大変気になりました。
役でぶつかり合い続けてきて、いつの間にか「きいちゃん」呼びになってたのも良き。
「今日がくるのが楽しみでもあり、嫌でもあった」という小池先生の話には頷かざるを得なかった。
古川くんの初ヴォルフガングの頃の周囲の反応(いい意味ではない)の話を、謙遜だし盛っているよとイケコは言ってたけれど……
実際あの頃、どれだけ色々言われていたか…本人に完全に届いてしまっていて、それでも歯を食いしばって板の上に立ち続けてたこと……正直痛いほどわかる。見てきたから。


9/25帝劇マチソワのときの私の感想から抜粋すると、
『大我ヴォルフはアマデが一心同体のところからスタートしてるけど、古川ヴォルフはアマデが隣にいるところがスタートだったような。』とか、
『生きてる。人生。』とか、度々書いてきましたが…
FC内で古川くんが今期の役作りの話にも触れていて、ちゃんと受け取れてたなと確認できたのも嬉しかったです。
3期ぶんかけて、賭けて、彼が生き抜いたヴォルフガングは自然と古川雄大の人生にも重なってみえたし、それが本当に本当に良い効果を生んだ……というかマジで想像もしないところまできました。この軌跡に立ち会えたことに感謝しかありません。

そして、5代目ヴォルフガングの京本大我さん。
次代へと繋ぐべく、古川くんが彼なりにすべてを伝えたことを感じました。
まさか大我さんの初日と大楽の両方を袖で見守るなんてねえ……しみじみしちゃうね。あくまで袖から出ないのも彼らしい。
大我さんが自分の大千穐楽挨拶で、かつて古川くんにルドルフ役の緊急代打に入ってもらったことに触れ、今度は絶対そうならないようにとやってきたという話はさ…もうねえ…泣いちゃうってえ………(何度でも言いますが、私はあの日の帝劇にいた人間なので。あの日に古川くんに出会って落ちたので。)
Wキャストの二人にとっても、やっぱり本当に大きな出来事だったんだよね。
帝劇楽頃には、私は次期あるのかなー?というくらいの感じに思ってた大我ヴォルフですが、これは絶対に二期目もやってもらわなきゃ困ります。頑張ってまたチケット取って観に行くよ!!!


大千穐楽ならではのキャストの皆様の力が入っている感じには尊さも感じつつ、冷静に作品の出来だけで言えば前楽28日ソワレのほうが良かったかもしれません。
古川くんの歌唱も、大楽はもうほんのひと伸び欲しい…できるはずなのに…!みたいなところもあったかな。まあこれはマチネよりソワレのほうがみんな調子いい的なアレかもしれん。
配信があった日は勿論ですが、28日から同じカメラが入っていたのは確認できていたので、いやあ…円盤諦められない…!!!
どうにかならないでしょうか。
難しいんだろうな…と半ば以上感じていて、だからこそ現地で見届ける選択をしました。
でも、やっぱりあったら嬉しいです。予定になくたって考え直してくれていいんですよ!!いつでもお知らせ待ってます東宝さん!!!


最後に。
素敵な役を、作品をありがとうございました!!!
彼がまたいつか、これを超えるような何かにめぐり逢う未来を期待しています!!!




ここまで読んでくださった方、雑文にお付き合い感謝申し上げます。

やっと書けました。
また時々思い出してはこっそり書き足したりするかもしれませんがひとまずこのへんで。