休演日にもご尽力くださった皆様のおかげで、無事に公演再開!

東京最終クール、このままみんな揃って駆け抜けられますように!

というわけで感想です。




◆ミュージカル モーツァルト!

@帝国劇場

2024/9/25(水)12:30



2幕で急にヴォルフガングの解像度があがり、終演後はなかなか良かった〜面白かった〜という気持ちになるので

……すごーく不思議です。

すみません…ホント言葉を選ばず言うなら2幕だけ観たら面白いと思う。

1幕がだいぶ足を引っ張ってる。

かわいく若々しく瑞々しい魅力だけで押し通せるのは僕こそ音楽まで。ここまでは、歌唱力の物足りなさを差し引いてもアリだと思う。

ただ、それ以降は1幕ラストまでずっと解釈違いというか……(あ、星金のときは2幕とちゃんとリンクする芝居になるからか、ここは好き)

残酷な人生でほとんど何も伝わってこないのキツくてな………

影を逃れて、何を思って歌っていますか…???

(…ごめんて。何も考えてないなんてことないに決まってる、でも伝わってこないと私は感じるのです)

動きや流れを型に嵌めて、体が覚えた通りに動いてる印象。たしかにそうしていれば、大きく崩れるようなことはないかもしれない。(実際、大崩れした日があったとは聞こえてこないので、それも立派で大切なことだと思う)

で、その決まった型から少し外れる台詞回しや動きを入れることで「今日はこんな新しいことをやった、挑戦した」みたいな充足感を本人も日々得られているかもしれないし、彼のファンで足繁く通う人たちは「日替わり」が提供されて嬉しいと感じるのかもしれない。

でもなあ〜〜〜〜〜

2幕はね、ホント不思議なくらい良いんです。急に歌唱力が爆上がりするなんてことは勿論ないんだけど、それでも良いものに仕上がってるんです。

「心と身体 割かれようと」が急激に効いてくる感じで、一体感あってまるで半身のような才能アマデと、アマデを宿したからこそ…どこか子どもの頃のまま大人になってしまったようなヴォルフガング。

かわいくて、とても危うい。そりゃパパも姉さんも心配するという納得。明らかに大我さんのヴォルフガングは家族からも真っ直ぐに愛されているし、そりゃ真彩コンスも子どもみたいに無邪気に惹かれるわ…(だけどコンスはいつまでも子どもでいられなくて、彼の先に行ってしまうようなイメージ。最初は同年代の2人に見えるのに、いつの間にかコンスが年上になっているかのよう)

悔悟〜混乱の最後の大我ヴォルフは、なんだか人の道から外れてしまうような…神様に愛されすぎて、神の領域に触れて取り込まれてしまうような空恐ろしさがあってゾワゾワするし、この空気がコンスにも伝わっている感覚がめちゃめちゃいいよね…!芝居見てるーっていう喜びがある。(希帆さんの芝居力がえぐいんだよね……2幕の良さって彼女のおかげも確実にある)

「お前も しぬ」とアマデに告げる語調はいつもとても強くて、道連れの意味合いが濃く壮絶。その流れからのフィナーレの影を逃れては、1幕ラストより遥かに良くて、なんなら声量も突然上がった?みたいな感じ。なんでやねん。

カテコ3回目、赤いコートの刺繍?に髪の毛が引っ掛かって、アッえっあっ?!!となりながら「本番中じゃなくてよかった」とかモゴモゴ言ってたカワイイ。相変わらずアマデを袖で抱えながら喋らせるスタイル。普通に大変そうだし、小学生とはいえ、自立した女子やで…?その体勢けっこうギリでは…?とちょっと思ったりなどしている。

「僕はひまりと東京ではラストでした!ありがとうございました!」の一言がありました。

(…よく考えたら…考えなくても、この回からの公演再開だったんだよね。

ソワレで古川くんが全部背負って挨拶していたけど、大我さんはこの件にまるでノータッチなの…ちょっと気になってしまった。カンパニーの皆様はこの回にかける思いみたいなものはきっとあっただろうし。まあいいんだけどね古川雄大が立派になって…とニコニコするだけです。)

あ、そうだ、涼風さんがだいぶ喉がお疲れのようだったのですが、それでも力技でやりきっていてむしろ凄みが増していてさすがだったな…!表情豊かで、どこか利己的でもあるんだけど、己の正しいとする考えを切々と訴えかける訴求力がすごい。

パパも古川ヴォルフに対するときより当たりが弱く柔らかな印象で、反面、ナンネールはむしろくすぶるものを溜め込んでしまう感じ。

古川くんが初日に言っていましたが、周りのみんなに盛り上げてもらってより良く見せてもらっている主役なんだなあ…と、とても腑に落ちました。





◆ミュージカル モーツァルト!

@帝国劇場
2024/9/25(水)17:45


ソワレ。
冒頭から突然涙が溢れ出す己の情緒がだいぶアレだと自覚……でも止まらん……『人は忘れる』って曲も詩もめちゃめちゃいいな…としみじみ。古川ヴォルフが登場する頃には双眼鏡がちょっと水没してた。レンズ拭くタイミングがないやん…
1幕は、稽古場から色々試してきて本番を日々経てきた中で、もはやひとつの完成形まできたような感じがありますね。
強靭さと安定感、実力に裏打ちされたのびのびとした…まるで芝居じゃないみたいな『本物』の手触りのある芝居。
ここ最近は、なんだかずっと千穐楽のような仕上がりと客席の盛り上がりでちょっと怖いくらいです。
『残酷な人生』と『影を逃れて』、名曲だけどパフォーマンスも含めめちゃくちゃ難しい曲が、もうね、あまりにも最高で最高で…最高だよ…ありがとうありがとう…!!!ドラマチックだけど、芝居がかってるわけではなくあくまでもヴォルフガングの物語を体現するものになっていて痺れます。
プラター公園で膝ついて手を伸ばしてコンスに引っ張ってもらう古川ヴォルフがまーじで罪な男だったな〜 ボックス戻すときの「スリーツーワン!」もおもろだった。threeの発音がやたらいい。
公演中止の夜、希帆さんがインスタライブでコンスタンツェの話をしてくれていたんですがめちゃめちゃ最高すぎたのでみんな見てください。アーカイブ残ってます。
真彩コンスの解像度が更に爆上がりだし、『ダンスはやめられない』は自身の解説をすでにこの回で超えてきてるくらいの出色の出来でした。「ダンスをやめたい」けど「やめられない」コンスタンツェ。泣きながら、激しく苦しげに、ただヴォルフガングのことを思いながらひとり過ごす夜。
あずま屋で、古川ヴォルフは「違うんだ」とちゃんと伝えようとしているけれど、ここまでにコンスが拗らせてきた寂しさと鬱屈としたものが爆発してしまって彼との対話にならなくなってしまうの、つらいな…ヴォルフも途中で対話を諦めちゃうんだよね。「あなたが愛してるのは自分の才能だけだもの」は、たぶん究極的には事実で、図星だからこそヴォルフガングも声を荒らげるんだろうな
大切にしたいものはたくさんあるのに、音楽を前にすると他のものを差し置いてヴォルフは身を投じてしまうんだもんねえ……
いやいやホント、2幕は苦しいばっかりなんだけど、目が離せない。
悔悟〜混乱に至るまでの狂いを2幕では本当に丁寧に紡いでいて、プロローグから目が少し怖いしアマデに意思を先導されていくようだし、セシリアとトーアヴァルトを前にして爪を噛んだり目が泳いだり、首を締められてからはしきりに首元に手をやってさするような仕草をするようになる。…これ結局アマデにも首を絞められるところにまで繋がってるの怖いね……
大きな音に恐怖するコンスが、それでもヴォルフガングに向き合おうとする様子が切ない。なんとなく古川ヴォルフは外というよりも内側から…己の中のアンバランスさで身の破滅までいっているようなところがある気がします。アマデがいても、いなくても、破滅していたかもしれないなと思わせるような。…んー言語化が難しいな……大我ヴォルフはアマデが一心同体のところからスタートしてるけど、古川ヴォルフはアマデが隣にいるところがスタートだったような。んーーーーちがうかも、わからん、観ているときは全部わかったような気になるのに、文字におこすとなんかニュアンスがどうもズレるような感じだ…
香寿さんがヴォルフの「全部やってみたいです」の前の台詞をミスってて(でもサラリとリカバリーしてた)珍しかったな。優しげで柔和な表情と超然とした厳しさが同居する男爵夫人で大好きでした。キャスケの関係で、私は香寿さんの男爵夫人はこの回でおそらく見納めです。
レクイエムはここにきてWの両ヴォルフガングが全然書けてなくて、終盤の絶望感ったらない…。命を全部燃やし尽くしても足りないと悟るんだ……曲終わりに椅子にのけ反るような体勢になるのが基本形なんだと思うんだけど、最近の古川ヴォルフは静かにうなだれるような姿勢のことが多い。これで画が完璧にもつんだから流石だな……からの「僕の血はもうない」の画的な見せ方がすっごいうまいんだよねえ、まじ絵画かと思う…(っていうか大我さんは、1幕も2幕も羽ペン刺すときの袖のまくり方が足りてないので頑張ってほしい。あんな細いんだからキツくてめくれないなんてことはないと思うんだが)
話が散らかっててすみません。もはや感想なのかなんなのか。とりあえず色々記憶と私の思ったことを書き留めておきたいだけです…
えーと、で、カテコ3回目、ソワレだから1人で登場する古川くん。銀橋の真ん中で挨拶。「先日、中止を決断しました」という完全に自分を前に出した言い方をするんだからもう…泣けてくる…。彼が決定権をもってるわけでも最終決定をするわけでもないのは明らかだけど、それでも、「中止になってしまった」みたいな表現を安易にしない強い意志を感じた。本当に立派になって……!
謝罪と、そして無事に昼公演から再開できていること、感謝と、先日来ていたという方には地方にも…みたいな話も。いやまあ先日(ていうか一昨日)来ていて今日もマチソワしてるクレイジーなオタクがここにいますが…('ω')


そんなわけで、いよいよモーツァルト!帝劇クロージング公演も大詰めですね。
とにもかくにも無事を祈ります!!!