ミュージカル

ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド

@帝国劇場

2024/2/25(日)13:00





開幕までに前代未聞のすったもんだがあった作品ですが、開幕後の評判は上々のようで…なんとなくホッとしましたね。

東京公演終盤。1枚だけ取っていたB席チケットにて無事に観劇してきました。

今回のミュージカル化された部分の原作漫画は予習していきました。(無料公開たすかる〜)
独特のキャラクター造詣や世界観、思わず声に出したくなるような洒落たセリフや必殺技の数々が、これは舞台に向いていそうな気がするし、どんなふうに舞台化されるのか興味ある…!となりました。

実際見てみると、全体的な雰囲気は本当に良かったと思います。
音楽は1789みを感じる好きな感じだし、善と悪の対比と、その因縁や宿命も鮮やか。再現性とミュージカルらしさが良い塩梅になっていました。人間が演じることの良さがちゃんと伝わってくる。

残念なのは、事前のすったもんだを知らなくてもわかるほど 1幕と2幕で仕上がりに差があり、「え?1幕で演出が力尽きた…?」みたいな感じがあったことです。
2幕から急に照明も転換も物語の展開のさせ方も大味になってしまって、原作既読の客の想像力に頼りすぎてるような印象を受けました。
1ラスがめちゃめちゃカッコよくて、あのクオリティで全編できたらもっともっとすごいことになっていたと思うので勿体ないな……と思うし、時間が足りなかったことが原因ならぜひ再演でチャレンジしてほしい。

宮野真守さんのディオは存在感すごくて、これがシングルキャストなのはちょっとバグ。声色が自在すぎて本物だ…!すごい…!って感じ。
有澤くんから溢れる陽の気、主人公感が素敵でした。動きもスタイルも舞台映えする〜!
廣瀬くんは出てくるたびに「歌がうまい!!!好き!!!」ってなった。グラミュ寄りの歌唱じゃない人がわりと多い座組の中で安心感すらあった。登場シーンが2幕メインなので、演出はやり直してほしさはありますが…

個人的には、狂言回しは省いたほうがスッキリ整理できたかもしれないと思ったし、ディオの背景を念入りに掘り下げてたのももう少しやりようがありそう。
休憩込み3時間35分ほどあったので…さすがに長い。集中力もたない。
突然現れたねぷたはなんだったんだろうか…???
等々、荒削りな部分はありつつも面白かったです。

海外版権ものよりも、国内で新しい作品を立ち上げるほうがコストや権利面で利点があるから、最近増えているんだろうな〜とは思いますが、やっぱりゼロから新たな作品を完成までもっていくには並々ならぬ労力がかかるのでしょうね…
色々察しますが、どうか安全に、関わる皆様が健やかであられますことを願っております。