ブロードウェイミュージカル NEWSIES

@日生劇場

2021/10/09(土)18:00

2021/10/16(土)13:00

2021/10/22(金)13:00

2021/10/30(土)13:00



東京初日と楽のチケットが自力で取れてしまったのは偶然の奇跡であって、それ以外は他力だし勿論ダブりもゼロ。かなり頑張ってもこれが限界だったので、近年稀に見るチケ難公演でしたね…

それでも幸い、ほぼ週1回のペースで通えたので1回1回を大切に観劇しました。


昨年春、劇場がすべて閉じられたあの時期の影響を大きく被った作品のひとつがこれでした。

稽古半ばで、全公演中止が決まった悔しさ悲しさを乗り越えての復活。昨年チケットを取ってずっと楽しみにしていた客のひとりである私にとっても特別な作品でした。






京本大我さんの日生劇場0番。
あまりにも堂々としていて、キラキラしていて、ちょっと知らないひとみたいだ……!と初日の幕が開いたときに感じました。
大きくなったなあ……!!!
吹けば飛びそうな儚さとまだまだ細い歌声だった2015年の彼のルドルフを思い出すと、カテコで小池先生もおっしゃってましたが本当に…こんな日が来るなんて…!
ジャックという役は大我さんのパーソナルなところとは違うキャラクターのようでいて、近しいところもあるような。
パッと見には大胆だけど、繊細で臆病な一面ももっていて、それをなかなか他人にさらけ出せない…だけど周囲の仲間はそんなところも含め愛してくれている、大我さんならではのジャックになっていたんじゃないかと思います。
劇場を作品を背負って立つ姿、歌声の深さと伸びやかさ、圧巻でした。ダンスをすると華がすごい。

松岡広大くんのクラッチーも見事でした。カラッとした明るさが眩しくて、たのもしい。歌もうまくなった印象。片足が使えない設定でのダンスも素晴らしすぎた。
広大くんも大我さんも、観るたびに同じ台詞もニュアンスがまったく違うように聞こえることが多々あって、当然それに対応する芝居にも影響があって、色々試してるんだなー!楽しそうだなー!と感じました。もっと通えたら日々の違いを説明できるくらいになれたのになあ…チケットぉ…('ω')
東京楽、冒頭のシーンでジャックがクラッチーに歩けるようになるみたいなことを言うところ、完全に疑いなく肯定の響きで驚いたんだよねえ…うーん、わかるひとだれかいませんか…

加藤清史郎くんのデイヴィも良かった。
憲史郎くんのお兄さん。私は劇場では初めましてでした。他のニュージーズたちと比べてがむしゃらな動きやダンスはデイヴィの役作りとしてのものなのだと思います。たぶん。違ってたらごめん。後半のジャックを動かすキーのひとりで、回を重ねるほどに自然になっていった印象。

咲妃みゆさんのキャサリン。最高。もうね、観るたびに、咲妃さんのことが大好きになる。ディズニーヒロインすぎる。かわいくてかっこよくて一生懸命で応援したくなる……キャサリンであり、咲妃さんそのものでもあるみたいな素晴らしさ。タイプライターだけしかないような空間の中でソロを歌いきる力量も見事。東京楽のカテコでカンパニーや作品への愛を語り早くも感極まって泣いちゃう彼女を好きにならない人がこの世にいるだろうか。

大人キャストもバランスよく、年若いニュージーズたちの圧巻の熱量のダンスも素晴らしかった。
やっぱり石川新太くん好きだな~
新井くんと酒井くんに目が惹き付けられました。今後も楽しみな子たちがたくさん。


親のいない子供たちが劣悪な環境で働くという社会情勢……には、あまりスポットは当たらず、
どちらかというと、『団結する少年たちの熱さ。応援する大人。ラブロマンスを添えて』みたいなお話です。
ディズニーを語れるほど詳しくないのですが、なるほどディズニーミュージカルらしい作品だと思いましたね。
難しいことは抜きで楽しめて、夢のような世界で、気持ちよく劇場をあとにできます。
物語としては確かにフックが少ないのかもしれないな~とは思うけれど、私はエンターテイメントに説教臭さや作り手の思想の押し付けみたいなものを求めているわけではないので、NEWSIESというこの作品はこういうエンタメとして美しく完結しているのだと思います。

残りの大阪公演も最後まで無事に完走できますように祈っています!