[4833]番外編第百十四回「久しぶりのタッちゃんと南のむつみ合い」
南は大きく唾を飲み込み、覚悟した。その音がタッちゃんに聞こえたか、本格的にタッちゃんからの肌の触れ合いが始まる。初めは右のふくらみ、初々しい頂点への優しい一掃き。そして左のふくらみへのしっかりした圧迫。南は初々しい接触にはひきつきで応え、体温が感じられる鈍い痛みからは全身に広がるしびれを貪る。確かに南も恋焦がれる女の子、自分への慰めも習慣になってると言っていい。でもたったこれだけで生殖への欲求、タッちゃんの愛を注いで欲しいと思ってしまうとは意外だった。そんなに欲求不満だったんだと、南は自分に呆れてた。もちろん注がれるべき南の最後の砦も、さっきより凄いことになってる。でも南はもっと濃密な愛をタッちゃんから受けたく、我慢する。
そしたら気分が悪くなったかと心配したタッちゃんは声をかけてくれた。
「大丈夫か南?」
「うん続けて…」
そしたらタッちゃんの左手は南のふくらみを、正面から見えるラインに沿ってなぞる。右手の方は強弱を付けて掴んだかと思えば、将来の赤ん坊が咥えるであろう乳製品が染み出す器官を、しっかりと押しつぶす。弱い力から段々強めていったのは偶然らしい。どの程度の力加減がいいか分からなかったという。しかし南はそれを丁寧な攻め方と受け取り、時間をかけて自分の劣情を確かめることになったのです。
だから南は大声を出すことを恐れ、左手で口を覆う。でも右手はタッちゃんの後頭部に優しく添え、さらなる愛をせがむ。両家の親に聞かれるのを恐れた行動だけど、よく考えればタッちゃんのご両親も南のお父さんも分かってくれるはずだった。南もタッちゃんも思春期真っ盛りの女の子と男の子。南の大声が嬌声と分かっても嬉しがったり褒めてくれこそすれ、見下したりはしたなく思われることはないはずだった。それでも性欲ははしたないと思う気持ちが南にあり、タッちゃんからの愛を素直に受けたいと思う一方、結果としての歓喜の声は出来れば出したくないという気持ちに引き裂かれてた。
次にタッちゃんは頭を南のふくらみに残しつつ、両手を南の側面に移し、少しずつ移動していく。南のスカートにかかった手はホックを外すことはせず、まず下に潜り込む。そう、南の下の丸みをベットに挟んだ形で、タッちゃんの両手はしっかりくっつけたのです。これまでやられた中で最大の変態行為と南は思った。しかも挟まれてなお、タッちゃんの両手は窄まったり開いたりする。かと思えばその手を上下に左右に気の向くまま、堪能してるとしか思えない動きをする。
南は耐えられるわけがない。肩を付いて半端なブリッジのように腰を浮かし、反射的にタッちゃんのいたずらを止めるような動きをする。しかしそれは正にタッちゃんの思うつぼ。腰が浮いたためにタッちゃんの両手は自由に南の背面、ベルトラインの直下を責めることが出来る。それが分かっても南は腰を浮かすことを止められない。だから南はいつも使ってる枕で南の劣情を押し殺すしかなかった。それは苦しい愉悦だった。
ここでタッちゃんは予定を変更したという。あまりにも苦しんでる南を見かねて、タッちゃんは下半身を晒すことにした。その持っていき場所は南の顔。それを確認してタッちゃんは南のスカートのホックを外し、南の最終防衛ライン、濃い色が広く広がって突破されるのを待つばかりのそこと対面した。南の方は好きな男の子の愛しい部分に久しぶりに対面し、嬉しくなって南自身の姿格好に考えが及ばなかった。一回見て触って出させてしまったから免疫が付いてしまい、対面しても愛しい気持ちが先に出た。そして喜んでもらおうと、そこを愛したいと思ったのです。
でもその先端、柔らかい部分を口に入れたのは南自身の恥ずかしい表現を防ぐためだった。タッちゃんが南の最終防衛ラインを引き剝がし、南の神経の中枢を直接口撃したのです。しかも神経が丸裸になっている箇所、そこを吸い付きなぶり、舐めまわす。好きな人でなければ決してやらせてはいけない悪戯、南はタッちゃんからの愛を栄養として消化する態でそれを許したのです。タッちゃんの愛が南ののどをとおるにはまだ時間があった。そのあいだ南はタッちゃんの南への愛の動きを貪る。
タッちゃんから見て下になってる南の尖りを一通り味わったか、南は南の最後の砦が詳らかにされる感覚を知る。南は南のストッパーになっているタッちゃんの愛を口から離してしまい、小さく断続的にうめく。
「あ…う…い……」
「南、大丈夫か?」
南のうめきを狼狽と受け取ったタッちゃん、やっぱり優しい。事実、この時の南、ここまでやってもらえるとは思ってなかった。本当に嬉しく思えた半面、箍が外れたタッちゃんを恐れる気持ちも持ったのです。しかしそんな時でもタッちゃんは南を安心させてくれる言葉をかけてくれ、タッちゃんがしたいなら間違いないと思うことが出来たのです。
「いいよタッちゃん…」
その声に心細さを感じたか、タッちゃんは南にさらなる言葉を促す。だから南は強がりのやけで、ちょっと大きく空元気の言葉を吐く。
「覚悟するから」
タッちゃんは南の最後の扉を展開させたまま、自分の口の中にある軟体動物を潜り込ませる。それがタッちゃんが南を陥落させる最終兵器であるかのように。実際、それは見事な作戦だった。ざらつきは南のその両側面を鑢のように削り、刺々しさを無効化する液体を滲み出させる。しかもその侵入者は角張った箇所がないので、爆撃の後のような荒々しさが残ることがない。南はただ敗北と言う被虐/解放の喜びを貪れた。
南はそれでいい。でもタッちゃんは…。そう思った南は佐知子さんから内緒でもらった恋人たちにとっての必需品を、南の机の引き出しから取り出したのです。
「南、それ…」
保健体育の時間で習ったからタッちゃんも知ってるはずのゴム製品。南は実は怖かった。でもタッちゃんが南との愛を最後の段階まで望むなら応えてあげたいと、自己犠牲の気持ちになったのです。タッちゃんが喜ぶなら南にとっても歓喜になれると想像てきてた。でも南は敢えて、南の方が望む形をとる。
「タッちゃん、やろ?」
恋人なら当然という口ぶりで。でもタッちゃんは怖気づいてしまった。タッちゃんの男の子の分身からは血液が急速に消散し、たぶん普段の排泄の大きさと柔らかさになっていく。風船がしぼむ様を連想する変化を南は面白くも感じたけど、タッちゃんの気持ちを考えれば深刻な事態に違いなかった。
「タッちゃん…」
でも憐れんではいけない。タッちゃんと南の間に横たわる「カッちゃん問題」と即座に理解した南は、わが身を差し出すことにした。