『超常現象の科学』の著者のもう一冊の本『運のいい人の法則』 | 恋着、横着、漂着 遊び盛りゆるゆるのびのび60代

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2年早く退職して機能と効率のタガを外すことが出来ました。
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 ちょっと楽しみにしていた本である。今日、注文した古本が届いたのでざっと読みした。

 うむ・・・結論からすれば、いただけなかったなあ。

 でも、『超常現象の科学』の発行は2012年。本書はそれより前の2004年発行だから詰めの甘さは仕方ないか。

 多くの人々への聴き取りが8年にも及んでいて資料的裏付けがバッチリらしいから、統計的な分析がどんな風にされているか。期待していた一点は、そこにあったのだが、それは不明なまま、数値化はされていない。

 その代わり、「自分を幸運に恵まれた人間」と自認する人たちの共通点4つを挙げていて、最後には、それを読者にもおすすめしている。

 その4つを要約すれば以下の通り。

 1.人との接点を中心にしたチャンスを最大限に広げよう

 2.直感、虫の知らせに頼ろう。そのためにも瞑想がおすすめ。 

 3.将来に幸運を期待しよう

 4.不運の中に幸運の契機を見出そう

 

 

 いや、そんなに大した提言でもないし、『超常現象の科学』の著者なら、「虫の知らせ」そのものも科学の対象にすべきなんじゃないのかね。

 ただし、自分の境遇を不運続きと嘆く人たちに対して、具体的に上の4つを眼目にしながら、カウンセラーのような役割を著者はして行くんだよね。実践性という点ではすばらしいと思います。

 統計的分析が期待していたようなものとしてはなかっただけに、ね。期待していた・・・という意味では、例えばなんだけど、自分を幸運に恵まれていると思う人々と不運と思い込む人々のそれぞれの出身階層はどうなっているんだとか、つまり所得の違いはもしかしたら歴然としてるんじゃないか、とかね。学歴もあるでしょ。

 それからねえ、宝くじの例が多すぎる気がするんだよなあ。

 運不運という点では、宝くじは好例なのかも知れないけど、「幸運を自力に引き寄せる」のが人生なら、あんまり例に出してほしくないね。いや、「幸運を自力に引き寄せる」っていうのは私の好き勝手な見方ですけど。

 

 それにしても、と思うのは、アマゾンのレビュー見ると、やたらレビュアーが多いんですよ。『超常現象の科学』の方が多くていいんじゃないの?なんてのは余計なお世話なんですかね。

 なんだって、このテの「成功哲学」だか「自己啓発」モノに多くの人達が向かうのか。いや、とどのつまりは、本書も心理学というよりは、そちらに近いんですよ。だから、いただけないと私は思った次第で。

 

 カネはかからないカウンセリングみたいなものなのかも知れない。日本ってまだまだカウンセリングが一般化はしていないでしょ。期待しているのは、そこらへんであって、カネ払ってまでカウンセリング受けるほど迷ってもへこんでもいない。ましてやカネ払ってまで、根拠のあやしい占いにすがる・・・なんてことまではしない人たちのための「良書」の類いなんでしょうか。