秩父鉄道の駅舎をのんびり訪ねるというのんびりソロツーリングの企みは、我ながらドンピシャだと独り悦に入っている。
そもそも還暦過ぎの自分が走行距離だの、時にスピードだのを誇示して何になるのか.。
いや、今更ながら思い当たった。というのも、2020年の秋に群馬県妙義山の脇道で自損事故を起こすまでは、何度も長野県佐久市まですっ飛ばし、日帰りで往復400キロを走破したことを知人友人に誇示している自分がいた。
それって、いつのまにか数字を追いかけ、何某かの競争に参加しているんじゃねえの? 気ままソロツーリングで、そんなことを追求していたのかよ。愚かだよなあ。
いや、日常を吹っ切る、つまらないああだこうだのストレスを削ぎ落すのには充分、効果はあった。今でもある。まあ全否定しなくてもいいか。それはそれで楽しむ日があってもいいだろう。
一方で、秩父鉄道の駅舎を訪ねる小さな旅・・・とこう書きながら、あのNHKの休日朝の番組を当て込んでいるのだが、好き勝手トライク・ソロツーリング版の小さな旅とでも言えるだろうか、この旅は新しい何かに気づかせてくれるものになるんじゃなかろうかと思っている。
東秩父村の道の駅から140号線に乗り、1日せいぜい2駅を訪れるので充分だろう。1駅でもいいかも知れない。それぞれの駅は、すべてとは言えないのだろうが、おそらく朝夕、軽登山の老若男女で賑わうはずだが、昼日中は閑散としているに違いない。
波久礼駅を訪れた時にそう実感できた。
そこで、相棒トライクと駅舎というお決まりの記念写真を撮る。駅舎に入り、昼寝をさせてもらっても悪くない。辺りを少しばかり散策する。疎らだろうと思われる行きかう人のことなど好き勝手想像する。昼飯時で、近くに食堂でもあれば、そこに入る。
帰路の140号線は道とすれば面白くもないし、299に乗ってからはそこそこ混む。なので、東秩父村にとって返し、都幾川、小川、鳩山、毛呂山といういつもの往路で帰ってもいい。
秩父鉄道に乗るというのは、これからも日帰りのんびり一人旅でもくろんでもいいのだが、のんびりなどと言いつつ、実は気が短く、自分のペースで事が進まないと苛立って来るという自分の性癖が邪魔をしそうで、楽しくなくなるかも知れない。
トライクはその点、いい。
ただ、本は読めないよなあ。いや、そういう時は鉄道に乗りましょうかね。
今日、というより日付は変わってしまったのて、昨日のことだが、行き帰りの電車では、ツーリングマップルを天眼鏡で追いながら、秩父鉄道のいくつかの駅を確認した。終点は三峰口なんだな。
ひなびた駅舎と相棒トライクの取り合わせだけでかなり自分は満足するのだが、そもそも鉄道マニアの中に、駅舎に特化しての限定マニアなんているのだろうか。いや、別にいてもいなくてもいいんだが。