勉強にはなったが面白みに欠けた 澁澤幸子『だからイスタンブールはおもしろい』 | 恋着、横着、漂着 遊び盛りゆるゆるのびのび60代

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 『イスタンブールから船に乗って』から10数年後の2009年に書かれた本書は、トルコと大都市イスタンブールにおける多民族の現在を数々の事例を挙げながら歴史的背景含めて書き分け、紹介する。

 イスタンブールに住み、生きるほとんどのトルコ人は3代前になると、もう民族の血筋を知らないと言う事実。それだけ、多民族ミックス状態だからこそ、平和的共存が可能とのこと。

 そこそこ勉強になったし、本書で紹介された映画「タッチ・オブ・スパイス」は、アマゾンで検索してレンタ落ちDVDが安く買えるので、さっそく注文した。1950年代のトルコ・ギリシャ間事情とともに家族を描いた映画らしい。

 ただし、えらそうに言わせてもらえば、著者自身の新鮮な発見に読み手が惹かれ驚くような本ではない。前著には、それがあった。結論初めにありきの本なのだ。

 

 ついでに言えば、ジャンルも扱う問題もまるで違うが、「老後問題」「老人問題」うんぬんに関して、今、かなりの数の作家、評論家その他物書きの類いが本を出しているのだが、立ち読み段階で読むに値しないと判断できる本ばかりである。

 しかし、その中で、南伸坊の本だけは違った。だから買ったのだ。著者南伸坊が色んな事実、事態と自身を新たに発見してゆく過程が新鮮に描かれている。だから、立ち読みではもったいないとなる。

 ついでのついでに言わせてもらうが、老人たちの醜い自己肯定とお説教ばかりが書かれている本を買ってやる気にはならない。

 よくも、これだけ発見も何もない、書き手自身がワクワクもドキドキもしないモノを書き続けられるものだと呆れてしまう。

 ああそうか、だから、老人なのだ。

 ・・・という発見が、この駄文にもあるわけで、この駄文にも劣る本がズラズラと書店に並んでいるのだ。

 

 ところで、明日からいそいそと通勤電車に持ち込み、読める本がなくなった。

 なので、古本を注文した。

 

 ★橋本治『恋の花詩歌集 ― 歌謡曲が輝いていた時』

  ・・・ちょっと久しぶりに橋本治。期待したい。

 ★池谷裕二、中村うさぎ『脳はみんな病んでいる』

  ・・・ 中村うさぎに関しては、とにかくあの破天荒ぶりを尊敬している。自分にはあんな真似は出来ない。その中村うさぎが同世代?

    の医者と対談している本。

 ★山本佳代子 『イスタンブール 東西の歴史が鬼那須魅惑都市』

  ・・・ イスタンブールについては、まだもう少しこだわりたいので、直近に書かれた本を見つけた。

  の3冊である。