読みかけの本とこれから読む本 | 恋着、横着、漂着 遊び盛りゆるゆるのびのび60代

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 澁澤幸子の『イスタンブールから船に乗って』を読み始めた。

 元は、「アラビアのロレンス」がらみで、ロレンスへの最終評価を下すかのような『アラブが見た…』を読み、地中海世界もアラブも歴史と現在に全く不通の自分を改めて思い知り、その訳者である牟田口義郎の『地中海歴史回廊』を読んだ。いくらか光明は射したかどうかも怪しいが、その牟田口が推す澁澤の本に手を伸ばした・・・という次第である。

 まだ、とっかかりだが、面白い。

 いずれは行ってみたいと思わせる国、地域になるかどうかも期待して読んだマルタ共和国に関する旅行記を読んでも、行く気は起きなかった。しかし、トルコは行きたいと思わせてくれる。出来れば、イスタンブールから離れた、いくつかの町を。

 私がそんな気になるのは、自然の景観でもなく、有名な歴史的建造物でもなく、当地の食べ物でもない。景観や建造物は画像・映像で事足りるかも知れないし、食べ物は、日本に住んでいる限り、どんな国・地域のものでも探せば、外食店やら食品やらは、ほぼ当たることが出来るだろうとタカをくくっている ( 尚且つ、そもそも食べ物に対するそれほどまでの執着はない ) 。

 決定的に心を踊らされるのは、人である。

 とにかく優しく、おせっかい焼きなのである。「ウチに泊まりなさい」と著者が言われることはしょっちゅうである。ただし、本書はもう25年も前のものだから、今の今も変わらないとは言えないだろう。もう一冊、その後のトルコ、イスタンブールに関わって書かれているから、そちらにも手を伸ばそうか。

 速読や飛ばし読みはもったいないと感じさせてくれる旅行記である。人との関りが描かれる、その余韻を楽しむため、しばし本を閉じ、思いをめぐらす。こんな風に本を読むのは、黒澤映画つながりで読んだ俳優の土屋嘉男さんの本以来かも知れないな、と思った。

 そうそう、直近のトルコを知れそうな映画があった。「おじいちゃんの里帰り」という映画。

近くのレンタル店にあったから、観ておこうか。 

 

 

 

 気分に任せて、澁澤の本書と交互に読もうかと思っているのは、関川夏央の『人間晩年図鑑』の二分冊。

 関川の本は、しばらく読んでいなかったので読みたかった。鶴見俊輔との対談本でその気分が高まり、アマゾンで古本を買った。

 原作を担当した漫画も直近で数冊あったのだが、まだ一度も手を出していないkindle版のため、敬遠した。