なんと忙しい毎日なのか、このところちょっと疲れ気味です。
 やはり年のせいなのでしょうか?体が思うように動かなくて、それ以上に頭の回転がかなり鈍くなっているように感じられて仕方ありません。

 だからと言って、それほど疲れるほどのことはしていないのですが…

 先週は13日の火曜日は撮影、翌日は午後から会議、15日はこの25日に行われる相模原市での上映会の会場下見、16日は、ナヌムの家のハルモニ来日のDVDのスタジオでの作業、そして17日は筑波でおこなわれた専攻科を創る会主催の「仲間と学ぶ」の上映会に参加。18日の日曜日は藍工房後援会の総会に出させていただいた後、銀座で行われている書道家・近藤真千子さんの「文字絵の世界」展を鑑賞したのち、一緒に行った人たちとフランス料理のディナーをいただきながら歓談。土日がそんなことで予定が入ってしまったので母のところには2週も続けていくことができなくて、心はちょっと痛んでいます。

 その母から、今日の昼過ぎに珍しく電話がありました。
 日ごろは私の方からの一方通行で、母からはほとんど電話をしてくることがないので、何事かと、一瞬ヒヤッとしましたが、話の内容は、畑のいちごがいまを盛りと実をふくらませて、たくさんとれているとのこと。朝から摘み取ってバケツ一杯になって、部屋まで持ってくるのが大変だったという内容でした。
いちごは、数年前に10株程度を植えたのですが、どんどん子株を増やして今は畑のかなりの部分を占めています。
この前行ったときには花がいっぱいで、まだ実は見られませんでしたが、ちょうど今が最盛期なのでしょう。
スーパーで売られているような立派な実にはなりませんが、小さくても無農薬なので甘くて、感動ものです。

 母が電話をしてくるくらいだから、やはり母も嬉しかったのでしょう。

 でも、早く積まないと蟻にやられることが心配。案の定、半分は蟻さんが食べたとか。

 春先にいちごの周りに「蟻いらず」をまいておいたのですが、あまり効果はなかったようです。

 私なら、すぐにジャムにするのですが、母にはそんな気は毛頭なく、毎日大事に食べるとのこと。

 夏野菜はまだ収穫までには時間がかかるので、私が行かなくても、イチゴ摘みの楽しみができてよかったと、ホッと胸をなでおろしているところです。


 土日に母のところに行かないということは、私にとってはかなり時間に余裕ができるはずなのですが、行かなければいかないで夜遅くまで日頃遣り残している「仕事」をしたりして、それで疲れが出ているのかもしれません。

 体力的にはかなり楽なのですが、気が緩んでしまうのかもしれません。

 ずいぶん前置きが長くなりました。

 今夜書きたかったことは、昨日の朝の天声人語に載った塔さんのこと。

 天声人語は「2つの名前」ということで、昨年亡くなった塔和子さんとこの5月に亡くなった谺雄二さんのお二人の名前を巡って、本名と入所と同時に変えさせられたもう一つの名前の2つをもって生きなくてはならなかったハンセン病回復者の心のひだを、詩作とハンセン病運動に戦い抜いてこられたお二人の姿を重ね合わせて描いています。

 塔さんも谺さんも、お二人とも詩人で、ハンセン病強制隔離の過酷な環境の中でも、名を成し、多くの人に深い感銘と勇気を与えてくださった回復者。

 塔和子という名前は親からもらった名前ではなく、療養所の中で付けた名前。いわば世間から本人であることを隠すための名前。

 そんな塔さんは、生前、弟さんに、故郷のお墓に本名で入りたいと託して亡くなりました。
 
 谺雄二さんも、それは本名ではなく変名。
 しかし、谺さんは、それを抵抗の一つの証として、本名に変え、戸籍上も谺雄二とされたとか。

 ハンセン病回復者のみなさんは、人それぞれに名前にまつわるドラマがあって、それがそのまま強制隔離の歴史につながることを、天声人語を読みながらつくづく思いましたが、その結びに
「2つの名前のはざまを今も、多くの元患者の『怒と悲』が流れている」と書かれています。

 いまだに亡くなっても故郷のお墓に入ることが許されない圧倒的多数の元患者の方々の思いを考えると、本当に「怒と悲」が激しく交錯していると思います。

 塔さんの名前にまつわる記事は、ハンセン病問題を精力的に取材している朝日新聞大阪本社の高木記者がこれまでにも何度か記事にしてきましたが、残念ながら東京ではそれは記事として載りません。

 昨日の「天声人語」は、そうした記事を一つにまとめた感じで、塔さんもきっとうなずいているだろうなあと、そんなことを考えながら読みました。

 
 そういえば今日は、期せずして、日中も夜も、「風の舞」の上映の打合せがありました。

 日中の打合せは、私の友人で文京区で「映画館」というjazz喫茶をしているYさんが来宅して行いました。
 映画館はジャズ喫茶ですが、毎月定期的にドキュメンタリー映画の上映をやっていて、9月か10月に、「風の舞」をやることの打合せ。

 そして夜は、以前「世界一すてきな」の上映をしてくださった練馬の実行委員会がいまでも存続していて、11月ごろを目安に上映会の企画を考えていて、その実行委員会がありました。

 「風の舞」ができたのは2003年。10年以上もたっていますが、こうして多くの人が関心を持ってくださることは、本当にうれしいこと。

 6月には、新潟の発田市でも香川の高松市でも、上映を企画してくれています。

 ああ、それにしても、昨年の塔和子さんに続いて、この5月には全国ハンセン病療養所入所者協議会の神美知宏さん、そして1日おいて谺雄二さんと大切な方が亡くなって、本当に寂しい気がします。

 神さんと谺さんの偲ぶ会は6月21日の土曜日に行われるそうです。
 全生園での告別式には撮影と重なって参列できませんでしたが、21日は何としても参加したいと思っています。
 
 日時:6月21日(土)午後1時~午後4時
 場所:TOC有明

 です。

 先日、フェイスブックに、瀬戸内放送の知人のカメラマンから、何年か前に撮ってくださった神さんとのツーショットの写真が送られてきました。
 なんとも懐かしい写真に感謝感激。
 それから、神さんの告別式には行けませんでしたが、高松の市民の会の酒井さんから告別式のときの写真(CDロム)が送られてきました。

 改めて、仲間のありがたさを痛感しています。

 少し写真を載せます。

    昨日の朝日新聞の天声人語。
    お読みになっていない方は是非、読んでください。
 



    谺雄二さん死亡の記事、関西版。
    東京版とは紙面の内容が違って谺さんの人となりが詳しく書かれています。

 


  
     全生園で行われた神美知宏さんのお別れ会
   



     生前の神さんと、知人のカメラマンが送ってくださいました。

       



     銀座で行われている近藤真千子さんの文字絵展の案内はがき

     実際を拝見し目からうろこ。芸術性の高さに驚くと同時に、
     いっぺんに文字絵の魅力に取りつかれてしまいまし た。
     一見絵に見えるそのもとは、みんな文字なのです。
     日本では、文字絵の創作者は近藤さんただ一人とか。
     本当に素晴らしいです。
     近藤さんは徳島在住の書道家で、
     先日中西画伯の伊豆の国アートビレッジでお目にかかりました。

        



     近藤真千子(左の女性)さんと、一緒に行った藍工房のみなさん