旧作「シャイニング」2019《2》 | Mの映画カフェ♪

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映画の感想など



The Shining
1980年 アメリカ

監督 スタンリー・キューブリック
原作 スティーブン・キング
主演 ジャック・ニコルソン(ジャック)、シェリー・デュバル(ウェンディー)、ダニー・ロイド(ダニー)、スキャットマン・クローザース(ハロラン/料理人)、バリー・ネルソン(アルマン/支配人)、フィリップス・ストーン(グレイディ/ウェイター)、ジョー・ターケル(ロイド/バーテンダー)他

「ドクター・スリープ」の前に、「シャイニング」を観たのですが…
名作といわれていますが…
想像以上に、

怖い! 面白い!スタイリッシュ!

山道を走る車
ホテルのインテリア
怪しげな料理人

ダニーが見る双子
溢れだす血
巨大な迷路

シンメトリーな構図といい色づかいといい
何もかもが美しい。

(ニコラス・ウィンディング・レフンが「オンリー・ゴッド」でやりたかったのは、こういう事だったのかなと思ったり…)

トリコロールカラーが多用されていて、特に赤いジャケットや靴下や手袋の赤が印象的です。
ダニーのセーターのミッキーやアポロの柄も可愛い

音楽や効果音が実に効果的でドキッとします。

ウェンディが特に美人ではなく普通の人という感じなのですが
この普通の妻に追い詰められたと思い込む
夫の、被害妄想と狂気…
最初は整えられていた髪がだんだんだらしなくなり、その禿げ具合までが怖いんです。
(ギャグではない。多分。)

作家になりたいと切望しつつ、生活のために不本意な仕事をしなくてはならないジャックは
原作者スティーブン・キングのデビュー前の心境を映しているよう

アルコールに逃げて依存症になったのも。

キングの切実さと呪われたホテルという設定の組み合わせが、傑作を産んだのですね。

混乱したジャックの前に現れるウェイターやバーテンダーも不気味で良い!

・・・
原作者キングがこのキューブリック作品に批判的だったというのは有名な話で
キューブリックはこの作品を冷たいと語り
またウェンディの描き方について、女性蔑視と感じたらしい。
ウェンディが夫の原稿を盗み読みするシーンでは、読んでいる後ろにジャックが現れるべきだとキングは考えたそうで
確かに観ていて、来るぞ~と固唾を飲んでいたらカメラが移動して別の角度にジャックがいるという
あえてそういう演出だったと思いますが、正統派な怖さを(キングは)求めたのかな。
ハロランがもっと活躍するという、原作を読みたくなりました。

それにしてもジャックのラストカット、私は笑っちゃいました。笑っていいところだった?


タブレットの小さな画面でも充分に面白かったけれど、大きな画面で観たかったな。

「ドクター・スリープ」は監督も出演者も違うし、映画「シャイニング」の続編というよりは「原作の続編の映画化」という感じ?
楽しみです。



(Amazon Primeにて観賞)