心の準備が必要だった…「シシリアン・ゴースト・ストーリー」2019(1) | Mの映画カフェ♪

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映画の感想など


Sicilian Gost Story
2017年 イタリア・フランス・スイス

監督・脚本
アントニオ・ピアッツァ
ファビオ・グラッサドニア
主演 ユリア・イェドリコブスカ(ルナ)、ガエターノ・フェルナンデス(ジュゼッペ)他


いやぁ…新年早々…

なるべく事前の情報なしで、まっさらな状態で映画を観たい。
と常々考えているのだけれど

この作品は、心の準備が必要だった気が…

ポスターね、可愛らしいじゃないですか。
タイトルが似ている「A GOST STORY」 も面白かったし、なんて甘かった。

シチリアの自然豊かな街
ハンサムで優しいジュゼッペに惹かれるルナだが、なぜか母親は付き合うなと言い
ルナが手紙を渡したその日、彼は突然姿を消す

説明のほとんどない作風なので、しばらく訳がわからないのですが
じわじわと、なるほど…なるほど…

この先ネタバレです

純愛ものとして観ていると、これがなんと犯罪もの!
しかも相当にひどい、本当に辛い。

途中からもしかして、これ…と思ったらやっぱり

実話だそうです。

最後にその一文を読んで、悲しいというより呆然としてしまった。涙さえ出ない

館内に灯りがついて立ち上がろうとすると、手がすごく冷たくなっていました。

ロビーに展示された各種記事を読んでみると「実話」「誘拐」などかなりネタバレなことが書いてありました。
少し読んでおいたほうが、衝撃が緩和されたかも

映画としては、非情な犯罪を美しい映像と少年少女の純愛で語るという手法が斬新で、優れていると思います。ほのぼのとした初恋が残酷な事実を、マフィアの恐ろしさを際立たせている

イタリアでは有名な事件で、風化させたくない気持ちから製作したとありました。

周囲の大人たちは関わりたくないと目をそらし、子供まで冷たい態度を取る。大人の影響ですね

ルナや友人たちはフィクションですが
見ないふりはできない何とか助けたいと願うルナの存在が、監督の気持ちなのだと思いました。


ジュゼッペのカバンに入っていた人形はもしかして、ドラゴンボール?私には良くわからないけどたぶん。



ジュゼッペ役もルナ役も初めての映画出演だそうです。ジュゼッペを演じた男子はちょっとティモシー・シャラメに似たイケメン


シネマカリテ、
ロビーには「メアリーの総て」のメアリーがいるようなコーナーがあり
「A GOST STORY」も上映中です。タイトルが紛らわしいですね


(1月3日 新宿シネマカリテ)