監督 塩浜雅之
中国、成都のパンダ研究基地(パンダ繁殖のための広大な動物園のようなもの?)
2006年、小さなパンダが産まれた。わずか51gの、ウーイー(標準150g)。
母親に見捨てられ、飼育員に保護されたものの
翌日までもつかわからなかった小さな命。ウーイーは翌朝も、生きていた。
日本人監督の撮影した映像と中国側の記録フィルムで綴る、ウーイーと兄弟、母親、そこで暮らすたくさんのパンダの物語。
産まれたばかりのパンダは白っぽい膜でおおわれた肌色の、爬虫類のような生き物。
鳴き声はキーとかギーとかウィーとかそういう感じ。
少し成長すると…フワフワの白黒の縫いぐるみのよう!
子供のパンダはとても活発で、柵を登ったり木馬に乗ったり
重なって眠ったり
可愛いなんて言葉ではとても足りません!
映画というよりはドキュメンタリーといった感じのこの作品、
動物を擬人化したりリボンをつけたり無理になにかをさせないところがいい。
ただこの研究施設はパンダの繁殖を目的としており、善意ではなく経済政策的な側面がうかがえる。
そこには人間の身勝手さが見え隠れするが、
広い自然の遊び場と食事を与えられたパンダは幸せそう。
すっかり大人になり、一人で笹を食べるウーイー
産まれた頃の姿を重ね合わせる映像に
最後は不覚にも涙がボロボロ…!
評判の良くないナレーションは、なるほど、やや耳障りだけれど
最後に流れるミゲル君の「翼をください」には…
案外聞きいってしまった~
(新宿武蔵野館)