97.ルツ | 御言 missing link

御言 missing link

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 ダビデは、ユダ族の血筋であり、レアの子ユダの子孫でした。そして、タマルの血統転換で誕生したペレヅの子孫でもありました。タマルが生んだ双子がペレズとゼラでしたが、ペレズは、先に生まれようとした兄ゼラを押しのけて生まれた弟の方です。また、ダビデは、イスラエルの斥候をエリコの王から守ったラハブの子の子孫でもあります。
 マタイによる福音書1/2~5 によれば、タマルの子ペレズの子孫がラハブの夫サルモンであり、その子がルツの夫ボアズであり、その子孫がダビデだとのことです。共通しているのは、サルモンもボアズもユダ族であるということと、タマル、ラハブ、ルツという女性の信仰が関わっているということです。
 文先生はこの3人の女性にソロモンの母バテシバを加えて、「四大淫女」と表現しておられます。

「マタイによる福音書第一章に四大遊女が出てきます。そこにバテシバが出てくるでしょう。タマルが出てくるでしょう。その次に遊女ラハブが出てくるでしょう。次にはルツが出てくるでしょう。四大淫女が出てきます。彼女たちはみな淫女です。夫がいるのに他の男と関係をもったのですから淫女ではありませんか。聖書を一度読んでごらんなさい。よく読んでみなさいというのです。それゆえイエス様は正妻を通して生まれることができないのです。めかけを通して出てきたのです。 (罪と蕩減復帰)

 血統転換におけるタマルの立場の重要性は文先生の御言からよく知られていることです。ですから上の御言だけを取り上げて、四大淫女がいたためにイエス様が正妻から生まれることができなくなり、妾を通して生まれなければならなったととらえるのは適切ではありません。もっとも今更言うまでもないことだと思いますが。
 ユダの血統、そして、そこに関わる女性たちの信仰という基台の上で、ダビデが誕生したと言えるでしょう。
 サウルの失敗により、王位はダビデに移されたのですが、これはベニヤミン族からユダ族への移行でもありました。サウルにはヨナタンという息子がいたのですが、なぜ、神様は、王位を息子ヨナタンに継承させることで、二世の摂理に移行し、同時に父親の失敗を蕩減させるという形を取ることができなかったのでしょうか。過去のベニヤミン族の蕩減から、サウルの失敗をもってベニヤミン族がアベルの位置を失ったのでしょうか。そして、ユダ並びにユダ族の信仰と、上で述べたユダ族に関わる女性の信仰により、ベニヤミン族に代わってユダ族が立てられる条件となったのでしょうか。ただし、4人の女性たちのことを考えると、ダビデはもともと神様が準備して地上に送った人物のようにも見えます。様々な推測は可能ですが、はっきりとしたことはわかりません。いずれにせよ、ベニヤミン族はもともと一度は滅亡状態となった小部族でしたが、以降、完全に中心摂理からはずれるかのように、やがてユダ族に吸収される結果となり、一つの部族としての強勢を失っていったのでした。
 このダビデのことを語るには、ダビデの誕生に重要な役割を果たしたと言える一人の女性について知る必要があります。ルツです。
 ベツレヘムにユダ族のエリメレクという男性がいました。あるときその地方に飢饉があり、彼とその妻ナオミ、および二人の息子は、ベツレヘムを離れて、異邦人の地であるモアブという地に住むようになりました。その後、エリメレクは死に、二人の息子はそれぞれ妻を迎えました。一人がルツであり、もう一人をオルパといいました。まもなく、この二人の息子は、母であるナオミとそれぞれの妻を残したまま死んでしまいました。ナオミは故郷であるユダの地に帰ることを決め、そして寡婦となった二人の嫁にそれぞれ自分の実家に帰ることを勧めました。オルパは自分の実家に帰ったのですが、ルツは姑のナオミと共にベツレヘムへ行くと言ってきかず、とうとう二人でベツレヘムに帰ってきました。
 ベツレヘムで、ルツは落穂拾いをしながらナオミとの生活を助けました。義理の父エリメレクの遠い親戚にあたるボアズという人の畑で落穂拾いをするようになったのですが、ボアズは、不慣れな地にきて姑につくすルツに感心して、彼女に親切にしました。
 義理の母ナオミは、親戚であるボアズに亡き夫エリメレクの嗣業とその地所の権利を引き継がせることを計らい、嫁のルツにボアズのところに行き、その寝所に入るように勧めました。そしてルツは姑の言うとおりにしました。ところが、ボアズはナオミとルツの考えを悟って、親戚の中に、もう一人、権利、嗣業を受け継ぐことのできる者がおり、彼の承諾を得る必要があることをルツに伝え、その夜は彼女には一切触れず、翌朝、たくさんの大麦を贈り物として持たせてルツを家に帰らせました。
 その日、ボアズはその親族に掛け合い、権利を譲り受けることの承諾を得て、ルツを妻として迎えたのでした。妻となったルツは息子オベデを産みました。このオベデがダビデの祖父です。
 この話は、タマルの話と重なるところがあります。タマルはイスラエルの血統を残すために、生命をかけて舅であるユダと関係を結び、ペレヅとゼラを生みました。この二人の誕生の際になされたのが、腹中における長子権復帰でした。その勝利の背景には、リベカの影響もあったと考えられます。
 ボアズはユダの立場、ナオミはリベカの立場、 ルツがタマルの立場に対応すると言えます。このルツが、姑ナオミとともに、ダビデの誕生の道を開いたことになります。
 ところで、上でも触れましたが、文先生の御言から、私達食口はタマルの話を血統転換に関わる内容として重要視しています。しかしながら、タマルによって決着がついたことであるから、同様の使命をもつ女性は以降の摂理歴史に現れることはなかった、というわけではありませんでした。
 完全な相似形をなしているわけではありませんが、タマル以外にも、上の御言にあるように、タマルと似た行動をとった女性、あるいは同様の立場に立てられた女性として、ラハブ、ルツ、バテシバ、そしてマリヤがいたわけです。
 それでは、文先生のときに限っては、直接的・間接的を問わず、同様のことなど一切なかった、と言えるのでしょうか。原則論は見えるわけですが、文先生の御言の中に、より具体的な内容として、「ある」も「ない」もその根拠を見出すのは難しいようです。今後、他の内容から確認されることもあるのではないかという観点で、関心を残しておきたいと思います。
 ですが、二つほど御言を提示しておきます。どうとらえるかは、所説あるかと思いますので、説明は控えたいと思います。

「文龍明と言われる人は、父を知らずに育った。いつまで? 彼は4歳半になるまで父を知らずに育った。その年になれば人は韓国語を理解できる。それで、彼らの間にあったすべての秘密を知ることができた。」 (2012年7月19日 天和宮 安侍日訓読会) 

「私の母は双子の弟と妹を生んだ。そのような歴史があったのだ。私は、母に尋ねた。
『あなたの兄弟は結婚したのに、どうして、あなたのおじい様達は結婚しなかったのですか? 誰のためにですか?』
 お母さんは
『それはわからないね』
 と言って、目を閉じて向こうを向いてしまいました。それで、それはお母さんのためだったということがわかりました。
 もう少しはっきりさせましょう。
 私はお母さんに
『お母さんは間違ったことをしたね』
 と3~4回言いました。するとお母さんは私の方に向き直って、私に覆いかぶさるようにして言いました。
『私は間違いを犯したんだよ。私には秘密がある。』
 私はさらにそのことについて尋ねました。お母さんは、
『何のためにそれが知りたいのだい? 時がたてばわかるようになる。私は最後までこのことに対しての責任はとるつもりだからね。』
 私は、この女ともう一緒にいれない、彼女を追いだしてしまわなければならないと思ったものです。
 アダムとカインとアベルと全ての氏族たちが地平線の彼方に沈んでしまい、もうそこから出てこられないように鍵を閉めてしまうまで、私はこのことについて、これ以上のことを語る必要はないと思う。君たちはもっと知りたいかい? これ以上のことを知る必要はないんだよ。あなたが自分の責任を果たしえないのならば、あなた達はわたしについてくるしかないだろう。」
(2011年9月22日、訓読会での御言)

 なお、晩年の訓読会の御言は、日本語で正式に発表されたものはほとんどありません。上の二つの御言も正式なものではありませんので、引用等の際はご注意ください。

補足;旧約聖書から関連する部分を引用しておきます。

「時にしゅうとめナオミは彼女に言った、『娘よ、わたしはあなたの落ち着き所を求めて、あなたをしあわせにすべきではないでしょうか。あなたが一緒に働いた女たちの主人ボアズはわたしたちの親戚ではありませんか。彼は今夜、打ち場で大麦をあおぎ分けます。それであなたは身を洗って油をぬり、晴れ着をまとって打ち場に下って行きなさい。ただ、あなたはその人が飲み食いを終るまで、その人に知られてはなりません。そしてその人が寝る時、その寝る場所を見定め、はいって行って、その足の所をまくって、そこに寝なさい。彼はあなたのすべきことを知らせるでしょう』。ルツは しゅうとめに言った、『あなたのおっしゃることを皆いたしましょう』。
 こうして彼女は打ち場に下り、すべてしゅうとめが命じたとおりにした。ボアズは飲み食いして、心をたのしませたあとで、麦を積んである場所のかたわらへ行って寝た。そこで彼女はひそかに行き、ボアズの足の所をまくって、そこに寝た。夜中になって、その人は驚き、起きかえって見ると、ひとりの女が足のところに寝ていたので、『あなたはだれですか』と言うと、彼女は答えた、『わたしはあなたのはしためルツです。あなたのすそで、はしためをおおってください。あなたは最も近い親戚です』。ボアズは言った、『娘よ、どうぞ、主があなたを祝福されるように。あなたは貧富にかかわらず若い人に従い行くことはせず、あなたが最後に示したこの親切は、さきに示した親切にまさっています。それで、娘よ、あなたは恐れるにおよびません。あなたが求めることは皆、あなたのためにいたしましょう。わたしの町の人々は皆、あなたがりっぱな女であることを知っているからです。たしかにわたしは近い親戚ではありますが、わたしよりも、もっと近い親戚があります。今夜はここにとどまりなさい。朝になって、もしその人が、あなたのために親戚の義務をつくすならば、よろしい、その人にさせなさい。しかし主は生きておられます。その人が、あなたのために親戚の義務をつくすことを好まないならば、わたしはあなたのために親戚の義務をつくしましょう。朝までここにおやすみなさい』。
 ルツは朝まで彼の足のところに寝たが、だれかれの見分け難いころに起きあがった。それはボアズが『この女の打ち場にきたことが人に知られてはならない』と言ったからである。そしてボアズは言った、『あなたの着る外套を持ってきて、それを広げなさい』。彼女がそれを広げると、ボアズは大麦六オメルをはかって彼女に負わせた。彼女は町に帰り、しゅうとめのところへ行くと、しゅうとめは言った、『娘よ、どうでしたか』。そこでルツはその人が彼女にしたことをことごとく告げて、言った、『あのかたは わたしに向かって、から手で、しゅうとめのところへ帰ってはならないと言って、この大麦六オメルをわたしにくださいました』。しゅうとめは言った、『娘よ、この事がどうなるかわかるまでお待ちなさい。あの人は、きょう、その事を決定しなければ落ち着かないでしょう』。
ボアズは町の門のところへ上っていって、そこにすわった。するとさきにボアズが言った親戚の人が通り過ぎようとしたので、ボアズはその人に言った、『友よ、こちらへきて、ここにおすわりください』。彼らがすわった時、ボアズは親戚の人に言った、『モアブの地から帰ってきたナオミは、われわれの親族エリメレクの地所を売ろうとしています。それでわたしはそのことをあなたに知らせて、ここにすわっている人々と、民の長老たちの前で、それを買いなさいと、あなたに言おうと思いました。もし、あなたがそれをあがなおうと思われるならば、あがなってください。しかし、あなたがそれをあがなわないならば、わたしにそう言って知らせてください。それをあがなう人は、あなたのほかにはなく、わたしはあなたの次ですから』。彼は言った、『わたしがあがないましょう』。そこでボアズは言った、『あなたがナオミの手からその地所を買うときには、死んだ者の妻であったモアブの女ルツをも買って、死んだ者の名を起こしてその嗣業を伝えなければなりません。』その親戚の人は言った、『それでは、わたしにはあがなうことはできません。そんなことをすれば自分の嗣業をそこないます。あなたがわたしに代わって、自分であがなってください。わたしはあがなうことができませんから』。
むかしイスラエルでは、物をあがなう事と、権利の譲渡について、万事を決定する時のならわしはこうであった。すなわち、その人は、自分のくつを脱いで、相手の人に渡した。これがイスラエルの証明の方法であった。そこで親戚の人がボアズにむかい『あなたが自分であがないなさい』と言って、そのくつを脱いだので、ボアズは長老たちとすべての民に言った、『あなたがたは、きょう、わたしがエリメレクのすべての物およびキリオンとマロンのすべてのものをナオミの手から買いとったことの証人です。またわたしはマロンの妻であったモアブの女ルツをも買って、わたしの妻としました。これはあの死んだ者の名を起こしてその嗣業を伝え、死んだ者の名がその一族から、またその郷里の門から断絶しないようにするためです。きょうあなたがたは、その承認です』。すると門にいたすべての民と長老たちは言った、『わたしたちは承認です。どうぞ、主があなたの家にはいる女を、イスラエルの家をたてたラケルとレアのふたりのようにされますように。どうぞ、あなたがエフラタで富を得、ベツレヘムで名を揚げられますように。どうぞ、主がこの若い女によってあなたに賜る子供により、あなたの家が、かのタマルがユダに産んだペレズの家のようになりますように』。
 こうしてボアズはルツをめとって妻とし、彼女のところにはいった。主は彼女をみごもらせたので、彼女はひとりの男の子を産んだ。そのとき、女たちはナオミに言った、『主はほむべきかな、主はあなたを見捨てずに、きょう、あなたにひとりの近親をお授けになりました。どうぞ、その子の名がイスラエルのうちに高く揚げられますように。彼はあなたのいのちを新たにし、あなたの老年を養うものとなるでしょう。あなたを愛するあなたの嫁、七人のむすこにもまさる彼女が彼を産んだのですから』。そこでナオミはその子をとり、ふところに置いて、養い育てた。近所の女たちは『ナオミに男の子が生まれた』と言って、彼に名をつけ、その名をオべデと呼んだ。彼はダビデの父であるエッサイの父となった。」 (ルツ記3/1~4/17) 

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