大田区、蒲蒲線整備へ5億円で基金創設 今後も積み増し整備促進へ | 全国鉄道乗りつぶし日記&鉄道、航空ダイヤ・カープニュース

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 羽田空港を抱える東京都大田区は、京急空港線と東急多摩川線を接続する蒲蒲線建設を促進するため、5億円で基金を設けることを決定しました。


 羽田空港アクセス鉄道の1つとなっている京急の蒲田駅と、JR・東急の蒲田駅は約800m離れており、区の計画では、東急多摩川線の矢口渡~(東急)蒲田間と京急空港線の糀谷~大鳥居間に約3.1kmの路線を建設。1日あたり約42000人の利用を想定しています。


 同区間の建設には、約1080億円が必要になる見通し。区では基金を設けるほか、今後も積み増しを予定しています。


(当該報道 新空港線 整備へ基金 大田区が5億円で創設 :東京新聞)


 大田区は結構急いでいますが、ここまでの熱意が地元自治体にあるとすれば、鉄道整備は順調に進みそうですね。東急にもメリットは大きく、品川・日本橋といった山手線の東側方面、川崎・横浜といった神奈川県方面のみならず、渋谷・新宿・池袋と山手線西側の副都心エリアからも羽田へ直通できるようになることは大きなメリットでしょう。


 しかし、京急にとっては、これまで京急線を品川まで乗りとおしていた乗客の利用区間が蒲田止まりになってしまう他、現状で平日日中や土休日に12本/hを、平日夕ラッシュ時には15本/hをたった1面2線のホームで折り返して裁いている羽田空港国内線ターミナル駅の線路容量が不足してさらなる投資が必要となるなど、慎重にならざるを得ない状況。さらに根本的な問題として、京急と東急とでは線路の幅が1435mmと1067mmと異なる点をどうやって解消するのかも考えなければならず、かなり難しいことには変わりないでしょう。


 資金面での1歩前進は今回得られました。が、実際に羽田空港と東急多摩川線経由で副都心方面へと直通列車を走らせるのに必要な準備は、東急や京急の民間企業が行って採算の取れるものとは到底思えません。大田区のみならず、東京都、さらには国を挙げて、羽田空港、ひいては東京の都市機能を向上させる目的を明確にして事業を促進していかないと、なかなか進んで行かないでしょう。


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