2010/07/02(金)
LEONです。
浅田次郎の天切り松シリーズ全5巻を読み終えました。
第1巻 闇の花道 第2巻 残侠 第3巻 初湯千両



第4巻 昭和侠盗伝 第3巻 天切り松読本


警察署長、果ては警視総監からも一目置かれ、何故か拘置所に出入り自由な不思議な老人
村田松蔵。江戸の夜盗の華、屋根を切って館に忍び込む『天切り』の技を受け継いだ人物で
二つ名を『天切り松』という。
その天切り松が、気の向くままに留置場で留置人や看守、時には署長までを聴衆にして語る
全24の物語です。
明治時代に活躍した掏りの大親分富田銀蔵(仕立て屋に奉公していたことから、二つ名を
仕立て屋銀次という実在の人物)が網走の刑務所で、ある男に息子のことを頼まれるのです。
銀次の一番の手下である安吉親分がその子を引き受けることとなるんです。
その子が9歳であった松蔵なんです。
一家には寅弥、栄治、常次郎、それに紅一点のおこんがいて、闇語りで披露する物語はこの
人たちの活躍ぶりや、それぞれの人間性に触れながら成長していく松蔵自身のことも語られる
のです。
世間のはみ出し者には違いないのですが、意味のない『誰でもよかった殺人』やお金で腐り
きった政治の世界の醜さとは全く縁のない盗賊たちなんです。
痛快で、でもどうにもならない切ないお話もあって、ああまたまた浅田さんの思う壷にはめられた
なあと思います。
北方謙三さんの三国志にもあった読本が、この天切り松シリーズにもあって、より完成度の
高いシリーズとしています。