第34回 前(さきの)巷説百物語  その2 | ちょい悪爺LEONのブログ

ちょい悪爺LEONのブログ

大阪フィルハーモニー交響楽団のファンで、その演奏会を中心に投稿します。写真撮影は公共交通機関を利用して行ける所を中心に復活しましたが、写真はインスタにpostしています。
同時に当ブログにリンクを貼っていますので、そちらも見ていただければ嬉しいです。

2009/12/31(木)
LEONです。

京極夏彦『前巷説百物語』を読みました。

イメージ 1



巷説百物語・続巷説百物語で大活躍する御行小股潜りの又一が、上方大坂の
事件から逃れて江戸にきて御行になり裏の稼業に入り込む姿を描いています。

寝肥(ねぶとり)
周防大蟆(すおうおおがま)
二口女(ふたくちおんな)
かみなり
山地乳(やまちち)
旧鼠(きゅうそ)

以上の6話で構成されています。

江戸で『ゑんま屋』なる『損料屋』の手伝いをするところから物語りは始まります。
損料屋とは、今で言うレンタル屋といってもいいでしょう。貸し賃というよりは、
貸したものが返ってきたときの修理費をもらうという感覚なんでしょう。
『ゑんま屋』は表向きは主に寝具や衣装、小物などを貸すのを生業としています。
その一方で、口では言えないものも貸します。『大損まる損困り損、泣き損死に損
遣られ損、ありとあらゆる憂き世の損』を見合った額で肩代わりするのです。

上記の6つの事件は、いずれもあっちたてればこっちが立たず・・・という難題で、
その解決のために桃山人の『絵本百物語』にでてくる怪異を使うことを考え出し、
八方丸く収めるのです。
お手伝いから始まった損料屋の仕事・・・徐々に又市が指図(シナリオ)を描く様に
なっていくのです。

かみなりでは御燈の小右衛門(みあかしのこえもん)が登場し、旧鼠では
巷説百物語の語り部的な山岡百介が登場してきます。
またこのシリーズでずっと影を落とす稲荷坂の祇右衛門も登場してきます。
見事な構成力で・・・いつもながら京極さんのキレのよさに驚いてしまいます。

魅力的な『おりん』が殺され・・・本シリーズで『おぎん』に替わるのは残念だけど。

御行(おんぎょう)し、奉為(たてまつる)