第26回 陰摩羅鬼の瑕 | ちょい悪爺LEONのブログ

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大阪フィルハーモニー交響楽団のファンで、その演奏会を中心に投稿します。写真撮影は公共交通機関を利用して行ける所を中心に復活しましたが、写真はインスタにpostしています。
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2009/09/03(木)
LEONです。

京極夏彦陰摩羅鬼の瑕を読んでいます。
イメージ 1

二段目右寄りの分冊文庫本三冊です。右端は次に読む邪魅の雫

2度目です。
推理小説的に読めばなんとか事件の流れも理解もできたのですが、どうも
肝心な部分が十分理解できていないなあと思い、読み返している次第です。

2度目になると、最初の部分が物語の核心であって、難解なお話しのヒントに
なっているんだなと・・・やっと理解できました。

ちなみに本文の一部を引用継ぎ足してみると次のようになります。
これを読んでどんな話の展開を予想しますか?


引用開始

私は問うた。
『あなたの---伯爵の仰る、【なくなってしまうこと】と云うのは、一般に云う
ところの【死ぬ】と云う意味と同じだと考えて宜しいのですか』
『死ぬ?』
伯爵は一瞬、訝しさを瞳に宿した---ように見えた。
『死ぬ---と云うのは、所謂』
『死です』
『死---』
何と云う悲しげな貌(かお)だ。

中略

そう、死です。---と私は、私にしては珍しく冷淡に云い放った。
『あなたの奥様に訪れたモノです。そう、そう考えて宜しいのでしょうか、伯爵、
あたたは』
『おお---』
伯爵は嗚咽を上げるように私の言葉を遮った。
『将に妻は---私の愛する妻は、貴方が仰る通りに無くなってしまいました』
『そう。亡くなられてしまった』

中略

『お、お尋ねしたいのです。存在しないモノ---非存在とは、即ち死なのですか』
『ご質問の意図が私には能く理解出来ません』
伯爵は更に眉根を寄せて、こう云った。
『非存在【こそ】が死ではありませんか。死とは、【存在しなくなる】と云うことで
しょう。それならば』
『存在しなくなる?』
---【どこか変だ】

中略

伯爵は云う。
『【死ぬ】と云うのは、場所との交渉関係が断たれると云うことでしょう。つまり
此処から【無くなる】と云うことです。何故なら---そう、先ほど私が申し上げた
通りです。今、此処に在ることが生なのですから』
『だから非存在【こそ】が死だと?』
『そうでしょう。違いますか先生』
と、伯爵は問うた。

中略

【この人の論旨には瑕がある。】

そして、その瞬間、私は凡ての真相に到った。
何と仰いました関口先生---と伯爵は云った。

引用終わり