お久しぶりです。
突然ですが、短編です。
ふと深夜に思い立って書き殴りました。
守屋茜さん、渡辺梨加さんが卒業されて、1期生がまたさらに少なくなった昨今。
ふいに、1期生への想いが溢れまして。
(もちろん、2期生も大好きです)
気付けば欅坂46結成から約6年、皆成人したんだなぁ。あ、じゃあお酒とか飲めるのか。あ、じゃあ…
なんて思考から始まり、書いちゃいました。笑
ビックリするような展開も、オチもありません。
ただただ、久しぶりに集まった欅坂46の1期生21名が楽しくお酒飲んでて、遅れて参加した平手さんがちょっとだけ振り回されちゃう、そんなお話です。
21名もいるので読みづらいかもしれませんが、全員登場してます。あと、お酒飲んだらどうなるかは、作者の想像です。暖かい目で見てください…笑
最後に、2022年、OGも櫻坂46のメンバーも、皆が幸せでありますように。
そう願ってます。
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カオス。
カオスだ…。
仕事終わり、遅れて参加した忘年会。
普段は大勢での食事会とか苦手で参加しないんだけど、久しぶりに21人全員が集まるってことで、楽しみに来てみたら…。
「あ〜平手ぇ!遅いよ!早くこっち!!」
平手の存在にいち早く気づいた鈴本が、平手の腕を引っ張る。
鈴本の頬は紅潮し、やたらテンションが高い。
何より…
「ねぇ鈴本、お酒臭いよ。」
かなり酔っ払ってる。
いや、鈴本だけじゃない。
平手は鈴本に腕を引っ張られながら、部屋の状況を冷静に見渡す。
広いコテージを貸し切って、いつかのシングル特典で行ったKEYAKIHOUSEの再現かのような部屋。
皆が思い思いに食べたり飲んだりしてるその空間は、平手にとってまさに異空間だった。
「あ〜てち、来たんだね〜。おちゅかれさま〜。」
いつも以上にふわふわした菅井は、いつも以上に呂律が回っていない。
「ゆっかーまで…。」
普段は頼れる菅井も酔っ払っていて、平手は言いようのない不安に駆られた。
でも、空になったワイングラスにワインを注ぐ姿は、なんだかんだ大人なんだと実感させられる。
「てち〜〜〜待ってたよ〜〜ふはははは!あー面白い。ゆっかー待ってよ〜。」
ただでさえゲラな佐藤も、余計に笑いが止まらなくなったらしい。
「ねぇ、葵もそれ飲みたい!」
意外と酒に強いらしい原田は、ぴょこぴょこ飛びながら菅井のワインをねだる。
「え〜葵にはまだ早いよ。」
なんて菅井に言われ、原田は拗ねた。
ダイニングのテーブルでは、長濱が日本酒の入ったお猪口を勢いよく置き、
「ねるはぁ、どがんしたら良いか分からん!」
なんて長崎弁らしき言葉で喚いている。
向かいに座る齋藤は、
「ねるは頑張ってるよぉ!」
と泣きながら説得している。
その横で石森が全力で頷きながら、齋藤の背中をさすっていた。
キッチンでは梨加と長沢が2人でキャッキャ言いながらお菓子作りに勤しんでいる。
平手に気づいた梨加が「あ、友梨奈ちゃん〜。」なんて緩く手を振ってくれたから振り返す。
長沢は集中して平手に気付かず、怪しげな笑みを浮かべていた。
一体何を作っているのやら…。
部屋の隅では、白い肌がピンク色に染まった小池が、土生にべったりくっついていた。
土生はいつもと何ら変わらない表情で、小池をあやす。
土生の膝では、酔い潰れた尾関が寝ていた。
土生はきっとお酒の弱い2人を介抱してるのだろう。
ようやくまともな人がいた、と束の間の喜びに浸る平手。
だが、「おいで、かわい子ちゃん達…。」なんてイケボで、上村と今泉を誘って笑っているところを見て、土生も酔っているのだと察する。
誘われた上村と今泉も満更でもなさそうに「イケメン〜。」なんて言って土生の懐へ飛び込んでいく。
皆酔っ払ってるじゃん…
平手の不安は募るばかりだ。
「皆ぁー!平手来たよ〜!」
鈴本が、特に大盛り上がりしている集団に声をかける。
志田、織田、理佐、守屋はモッツァレラチーズゲームをして遊んでいる最中だったらしいが、一気に静まり返り、一斉に平手の方へ視線が集まる。
「てっちゃん遅かったねぇ。おつかれ〜。」
守屋が優しく声をかける。
「てちも何か飲む?無理しなくても良いけど。」
理佐がすかさずグラスを持ってきてくれて、平手に手渡した。
「えーっと…。」
20歳になって約半年…
実はまだお酒を飲んだことがなかった平手は戸惑う。
「ビール行っちゃう?それともレモンサワー?日本酒??まさかの焼酎???」
そんな平手の心境もつゆ知らず、織田がグイグイと酒を勧める。
すると志田が
「だには黙ってて。平手が困ってる。」
なんて織田を押し除ける。
すかさず鈴本が織田の元へと駆け寄った。
「だには私と一緒に飲もうよ。」
「え〜、じゃあゆいぽんも誘おうよ〜。」
「ねぇ、だに、ほんと酷いよね。」
傷心した鈴本。
織田は、米谷とともに静かに飲んでた小林の元へと突進しに行く。
「ねぇ〜オダナナまた来たの〜?酔っ払うとめんどくさいのよ…。」
織田に絡まれ鬱陶しそうな小林。
米谷が「ゆいぽん困ってるからぁ!」って、小林に絡まる織田を引き離す。
織田はシュンとし、こちらに戻ってきた。
「だに、だから言ったのに。ほら、こっち来て飲もう?」
優しく受け入れ体勢を整える鈴本。
なんやかんや仲のいい鈴本と織田は、2人で飲み始める。
「で、平手どうする?」
志田がキッチンに並べられた酒を指して問う。
「あー…、どうしよ…。」
「…もしかして、てっちゃんお酒初めて?」
平手の様子を察した守屋が問う。
「うん…実は飲んだことなくて…。」
「あー、そうだよね。20歳なったばっかだもんね。ごめんね、皆飲んでるから気まずいよね。」
「ううん。でも、ちょっと飲んでみたいかも…。」
平手は並んだ酒の瓶や缶を眺める。
酒に関して全く何の知識もない平手は、見ても何も分からない。
ただ、どんな味がするのか、酒を飲んだらどうなるのか、という興味は割とあった。
「何飲む?飲みやすいのは酎ハイとかかなぁ。」
守屋が親身になってくれて、平手は飲む酒を選ぶ。
結局、アルコール度数の低い酎ハイに決めると、理佐がグラスに注いでくれた。
平手は恐る恐る、人生初の酒を体に流し込む。
「…え、美味しい…。」
普通の炭酸ジュースのような味で、平手はゴクゴクと酎ハイを飲んでいく。
「てっちゃん、あんまり調子に乗ると…。」
守屋の心配をよそに、平手はグラスの酎ハイを一気に飲み干した。
そんな平手に、ふにゃふにゃになった長濱がくっ付く。
「あ〜てちも飲んどるとぉ?ねるの日本酒も飲んでみる?」
そう言ってお猪口を平手に渡す。
平手は受け取り、グイッと日本酒を流し込んだ。
「…うえええ、喉が焼ける〜〜。」
「あははは!てち意外と豪快ばい。」
笑う長濱に、平手もつられて笑う。
なんだか、楽しくなってきた。
「ねぇ愛佳、そのビールも飲ませて。」
ジョッキで豪快に飲む志田のビールを奪い、少量を口に含む。
しかし、予想とは裏腹に苦みが口に広がっていく。
「…苦い…美味しくない…。」
「平手には早かったんだねぇ。」
志田がおちょくるように言うと、理佐と守屋も悪い顔して次々に便乗する。
「てちぃ、可愛いねぇ。」
「てっちゃんばぶだね。キャロいね。」
「ねぇ〜!子ども扱いしないでよ!私だってもう成人なんだからさ!」
平手は抵抗するが、周りのお姉さん達はそれすらも愛しいと言いたげな表情で見守る。
成す術無しの平手は拗ねて、体育座りでソファにうずくまった。
「平手ぇ、拗ねてるの?可愛いねぇ!」
いつの間にかこちらに来ていた今泉が、赤ちゃん言葉でさらに猛追する。
「……。」
「平手ぇ、昔みたいに赤ちゃん言葉で乗ってきてよ〜。」
今泉がうずくまる平手の腕を揺らす。
「だからぁ、その声出せなくなっちゃったんだって…。」
「乗る気はあったんだ…。じゃあ〜コマネチ!!」
酔っ払い今泉は勢い良くコマネチする。
そのポーズのまま、数秒静止する今泉。
平手はジトーっと今泉の目を見つめる。
「…絶対やんないよ。」
「もぉ、ケチ!大人びちゃって!末っ子のくせに!」
「何何〜?喧嘩〜?」
唯一、あまり酔っ払ってなさそうな上村が間に入る。
平手は上村の懐に飛び込んだ。
「むーちゃん、今泉も、あかねんも志田も理佐も、皆虐めてくるんだよ…。」
「え〜、そうなの?よしよし。」
上村の母性に、平手は安心して体を預ける。
なんだか眠くなってきて、意識が遠のき始める。
「むーちゃん、眠くなってきた…。」
「寝てもいいよー?」
「んん……。」
上村が撫でる手の感触、周りの喧騒、全てが遠くなり、あっという間に消えていったのだった。
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平手が目を覚ますと、毛布がかけられていた。
いつの間にかソファで眠っていたらしい。
平手の隣では、小林が座って缶チューハイを飲んでいた。
「こば、今何時?」
「あ、平手起きた?今12時過ぎくらい。」
「ああ、結構寝てたんだ…。」
若干頭が痛くて、これが噂の二日酔いなのか…?と実感する。
「あれ、皆は?」
周りを見渡すと、あれだけ騒がしかった部屋には平手と小林だけしか居なかった。
散乱していた食べ物や飲み物も片付けられている。
「皆、別の部屋でDVD鑑賞してるよ。」
「こばは行かなくて良かったの?」
平手が訊ねると、小林は少し言いづらそうにしながら答える。
「…平手が1人になっちゃうからさ。」
「…ありがと、こば。」
「ううん。…よし、平手も起きたことだし、見に行こっか。」
そう言って小林は立ち上がり、平手の手を取る。
テレビの部屋に入ると、皆で昔の映像を見て盛り上がっていた。
平手と小林に気づいた小池が、2人の元へ駆け寄る。
小池の顔色はすっかり戻り、酔いは覚めたようだ。
「由依ちゃん、待ってたで。てちもおはよ。大丈夫?しんどくない?」
「うん、ちょっと頭痛いけど…。」
「もぉ、調子に乗るからやで?」
「ごめんなさい…。」
謝る平手に、微笑む小池と小林。
そこに、織田が乱入する。
「おい平手!ゆいぽん独り占めにした罪は重いぞ…?」
そう言って織田は平手の肩に腕を回す。
いつの間にか、皆の視線がテレビじゃなくて自分の方に向いてることに気づき、平手はそわそわする。
そのまま引っ張られるように、皆が座ってるソファの真ん中に連れて行かれた。
隣に座る米谷は、怪しい笑みを浮かべている。
「よね、何?何か企んでる??」
「平手、テーブルの上見てみて?」
米谷に言われた通り、視線を米谷からテーブルに移す。
大きなテーブルの上に置いてある、小さな白い箱。
たったそれだけの情報は、寝起きの平手の思考を停止させた。
「…何これ。」
「その箱、取ってみて。」
米谷が言うと、周りからはクスクスと笑い声が漏れる。
「…何何。怖いんだけど。…え、開けるよ!?」
平手は恐る恐る、白い箱を持ち上げる。
「わ…。」
そこにはホールケーキが置いてあって、ホワイトチョコレートのプレートに
『てち、成人おめでとう』
と書かれてあった。
「え、何これ〜!聞いてない…。」
平手の目からは、感激のあまり涙が滲んだ。
「てちにだけ言ってなかったもんね〜。」
理佐が悪い顔をして言った。
「まさか酔っ払って寝るとは思ってなかったからちょっと想定外だったけど、元々皆で計画してたの。少し計画ずれちゃったけどね。」
そう言って菅井は優しい顔で微笑んだ。
嬉しくて、胸がいっぱいで、色んな感情が溢れてくる。
「ありがと、皆…。めちゃくちゃ嬉しい。」
「このケーキ、なーこちゃんとぺーちゃんが作ってくれたんだよ。」
「えっ、そうなの?」
梨加と長沢の方を向くと、ドヤ顔でピースする2人の姿が目に映った。
「え、食べていい?」
「いいよ。」
平手はフォークでケーキを取り、口に運ぶ。
甘い香りがふわっと口に広がり、柔らかいスポンジが溶けていく。
「超美味しい!2人ともありがとう!!皆もありがとう!」
「喜んでくれて良かった〜。私ほとんど記憶無いから何もしてないんだけどさ…。」
尾関が申し訳なさそうに言うと、
「おぜ、ほんの少ししか飲んで無いのに寝ちゃったもんね。」
と土生が暴露する。
そうだ。
平手はひとつだけの文句を思い出し、
「いやでもさ、皆も飲み過ぎでしょ!」
と突っ込む。
すると菅井がすぐさま
「それは本当にごめん。」
と謝った。
「てちがなかなか来ないからお酒が進んじゃって…っていう言い訳です…。」
菅井が言うと、皆がこぞって平謝りした。
「…でも楽しかったから許す!」
平手が言う。
すると石森が、
「平手は皆の末っ子だからね〜。平手が楽しんでくれるのが1番だよ。」
なんて笑って、平手の頬を手で挟んだ。
「とっと〜、(ちょっと〜)」
「ばぶてちじゃん。可愛い〜。」
「ぬぅぇ〜!やうぇえよ〜!(ねぇ〜やめてよ〜)」
頬を挟まれたままの平手に、部屋が笑いに包まれる。
つられて笑って、石森にやり返した。
そしたらまた皆笑った。
何だか恥ずかしかったけど、嫌な気はしなくて。
いつもこうやって笑わせてくれる皆が、大好きだなぁって。
「あ、皆!見て!ばぶてちがバイクに乗って登場したよー!」
齋藤がテレビ画面を指し、はしゃぐ。
皆の視線は一斉にテレビの方へ向く。
皆がこぞって「可愛い〜。」とか「赤ちゃんみたい〜。」なんて言うから、平手はリモコンを奪い一時停止ボタンを押した。
なんだかこんな光景、昔にもあったような気がするけど…。恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
「やめてよー!恥ずかしいじゃん!」
「こら!リモコン返して!」
理佐が平手に絡みつき、リモコンをかけた大勝負が始まる。
そこに志田や守屋も入ってきて、平手は完全に不利な状態だった。
部屋は再び笑いに包まれる。
なんだかその空間は、昔と何にも変わらなくて、幸せで…
永遠に続けばいいな、なんて誰もが思っていた。
その一瞬が、永遠に…。